MySQLストアドプロシージャにおける照合順序の不一致エラー:原因と解決策
MySQL ストアドプロシージャにおける照合順序の不一致エラーの詳細解説
このエラーは、MySQLストアドプロシージャ内で、異なる照合順序を持つカラム同士を比較しようとした場合に発生します。具体的には、以下の2つの照合順序が該当します。
- utf8_unicode_ci: 大文字と小文字を区別せず、正規化されたUnicode文字を照合します。
例えば、以下のストアドプロシージャを実行した場合に、このエラーが発生する可能性があります。
CREATE PROCEDURE my_procedure(
IN customer_name VARCHAR(255)
)
BEGIN
SELECT *
FROM customers
WHERE customer_name = customer_name;
END PROCEDURE;
この例では、customers
テーブルのcustomer_name
カラムと、ストアドプロシージャのパラメータcustomer_name
が比較されています。しかし、customers
テーブルのcustomer_name
カラムの照合順序がutf8_general_ci
であるのに対し、ストアドプロシージャのパラメータcustomer_name
は暗黙的にutf8_unicode_ci
の照合順序を持つため、エラーが発生します。
解決策
このエラーを解決するには、以下のいずれかの方法を実行する必要があります。
- 比較するカラムとパラメータの照合順序を統一する
最も簡単な解決策は、比較するカラムとパラメータの照合順序を同じにすることです。例えば、以下のいずれかの方法でcustomers
テーブルのcustomer_name
カラムの照合順序を変更できます。
ALTER TABLE customers MODIFY customer_name VARCHAR(255) CHARACTER SET utf8 COLLATE utf8_unicode_ci;
- ストアドプロシージャ内で、
customer_name
パラメータの照合順序を明示的に指定します。
CREATE PROCEDURE my_procedure(
IN customer_name VARCHAR(255) CHARACTER SET utf8 COLLATE utf8_unicode_ci
)
BEGIN
SELECT *
FROM customers
WHERE customer_name = customer_name;
END PROCEDURE;
- 照合順序による違いを吸収する関数を使用する
照合順序による違いを吸収する関数を使用することで、エラーを回避することができます。例えば、以下のいずれかの関数を使用できます。
- LOWER(): 文字列をすべて小文字に変換します。
- SOUNDEX(): 発音に基づいた文字列の類似性を比較します。
これらの関数を組み合わせて使用することで、照合順序による違いを吸収することができます。例えば、以下のストアドプロシージャは、SOUNDEX()
関数を使用してcustomer_name
カラムとパラメータを比較しています。
CREATE PROCEDURE my_procedure(
IN customer_name VARCHAR(255)
)
BEGIN
SELECT *
FROM customers
WHERE SOUNDEX(customer_name) = SOUNDEX(customer_name);
END PROCEDURE;
補足
- MySQL 8.0以降では、照合順序による違いを吸収するデフォルトの動作が変更されています。詳細は、MySQLの公式ドキュメントを参照してください。
- 照合順序の変更は、データの整合性に影響を与える可能性があるため、注意が必要です。変更前に必ずバックアップを取ることをお勧めします。
MySQLストアドプロシージャにおける照合順序の不一致エラーのサンプルコード
CREATE PROCEDURE my_procedure(
IN customer_name VARCHAR(255)
)
BEGIN
SELECT *
FROM customers
WHERE customer_name = customer_name;
END PROCEDURE;
このストアドプロシージャを実行すると、以下のエラーが発生します。
ERROR 1586 (HY000): Illegal mix of collations (utf8_unicode_ci,IMPLICIT) and (utf8_general_ci,IMPLICIT) for operation '='
原因
customers
テーブルのcustomer_name
カラムの照合順序はutf8_general_ci
- ストアドプロシージャのパラメータ
customer_name
は暗黙的にutf8_unicode_ci
の照合順序を持つ
比較するカラムとパラメータの照合順序を統一する
ALTER TABLE customers MODIFY customer_name VARCHAR(255) CHARACTER SET utf8 COLLATE utf8_unicode_ci;
CREATE PROCEDURE my_procedure(
IN customer_name VARCHAR(255) CHARACTER SET utf8 COLLATE utf8_unicode_ci
)
BEGIN
SELECT *
FROM customers
WHERE customer_name = customer_name;
END PROCEDURE;
照合順序による違いを吸収する関数を使用する
SOUNDEX()関数を使用してcustomer_nameカラムとパラメータを比較する
CREATE PROCEDURE my_procedure(
IN customer_name VARCHAR(255)
)
BEGIN
SELECT *
FROM customers
WHERE SOUNDEX(customer_name) = SOUNDEX(customer_name);
END PROCEDURE;
MySQLストアドプロシージャにおける照合順序の不一致エラーの解決方法:その他
キャストを使用する
比較するカラムとパラメータのいずれかを、別の照合順序を持つ型にキャストすることで、エラーを回避することができます。例えば、以下のストアドプロシージャは、customer_name
パラメータをutf8_general_ci
の照合順序を持つ型にキャストしています。
CREATE PROCEDURE my_procedure(
IN customer_name VARCHAR(255)
)
BEGIN
SELECT *
FROM customers
WHERE customer_name = CAST(customer_name AS CHAR CHARACTER SET utf8 COLLATE utf8_general_ci);
END PROCEDURE;
CONVERT_USING()
関数を使用して、比較するカラムとパラメータを、別の照合順序に変換してから比較することができます。例えば、以下のストアドプロシージャは、customer_name
パラメータをutf8_unicode_ci
の照合順序に変換してから比較しています。
CREATE PROCEDURE my_procedure(
IN customer_name VARCHAR(255)
)
BEGIN
SELECT *
FROM customers
WHERE customer_name = CONVERT_USING(customer_name, utf8_unicode_ci, utf8_general_ci);
END PROCEDURE;
LIKE句を使用する
照合順序を考慮せずに文字列の一致を比較したい場合は、LIKE
句を使用することができます。例えば、以下のストアドプロシージャは、customer_name
パラメータとcustomer_name
カラムを、大文字と小文字を区別せずに比較しています。
CREATE PROCEDURE my_procedure(
IN customer_name VARCHAR(255)
)
BEGIN
SELECT *
FROM customers
WHERE customer_name LIKE customer_name;
END PROCEDURE;
正規表現を使用する
CREATE PROCEDURE my_procedure(
IN customer_name VARCHAR(255)
)
BEGIN
SELECT *
FROM customers
WHERE customer_name REGEXP REPLACE(customer_name, '\s', '');
END PROCEDURE;
注意事項
上記で紹介した方法は、いずれも状況に応じて使い分ける必要があります。また、照合順序を変更したり、関数を使用したりする場合は、パフォーマンスへの影響を考慮する必要があります。
mysql stored-procedures