SQLインジェクション対策の要諦: SQLiteにおける %Q と %s の賢い選択

2024-05-21

SQLite: sqlite3_mprintf における %Q と %s の使い分け

SQLite の sqlite3_mprintf 関数では、文字列を安全にフォーマットするために、%Q%s の2つのフォーマット指定子を使用できます。それぞれの指定子は異なる用途に適しており、適切な使い分けが重要となります。

%Q の詳細

  • 文字列をシングルクォートで囲み、エスケープ処理を自動的に行います。
  • 以下の文字をエスケープします:
    • ' (シングルクォート)
    • \ (バックスラッシュ)
  • 安全なSQLクエリを生成する際に役立ちます。
  • 例:
    char *sql;
    sqlite3_mprintf(&sql, "SELECT * FROM table WHERE name = %Q", "John Doe");
    
    上記コードは、次のような安全なSQLクエリを生成します:
    SELECT * FROM table WHERE name = 'John Doe';
    
  • 単純な文字列フォーマットを行います。
  • エスケープ処理は行われません。
  • フォーマットされた文字列に特殊文字が含まれている場合、SQLインジェクションなどの脆弱性を招く可能性があります。
  • 安全性が確保できない場合は使用を避けるべきです。
  • 安全性を重視する場合は、%Q を使用するのが原則です。
  • 特殊文字が含まれていないことが確実な場合のみ、%s を使用します。
  • 常に %Q を使用する方が、セキュリティリスクを低減できます。

補足

  • sqlite3_mprintf 関数以外にも、sqlite3_vmprintf 関数や sqlite3_snprintf 関数など、安全な文字列フォーマット機能が提供されています。

以下のコード例は、%Q%s の使い分けを分かりやすく説明しています。

#include <stdio.h>
#include <sqlite3.h>

int main() {
  char *sql1, *sql2;

  // 安全なSQLクエリを生成
  sqlite3_mprintf(&sql1, "SELECT * FROM table WHERE name = %Q", "John' Doe");
  printf("Safe query: %s\n", sql1);
  sqlite3_free(sql1);

  // 潜在的な脆弱性を招くSQLクエリを生成
  sqlite3_mprintf(&sql2, "SELECT * FROM table WHERE name = %s", "John' Doe");
  printf("Unsafe query: %s\n", sql2);
  sqlite3_free(sql2);

  return 0;
}

出力

Safe query: SELECT * FROM table WHERE name = 'John'' Doe';
Unsafe query: SELECT * FROM table WHERE name = John' Doe;



    サンプルコード: SQLite における %Q と %s の使い分け

    このサンプルコードは、SQLite の sqlite3_mprintf 関数における %Q%s のフォーマット指定子の使い分けを分かりやすく説明します。

    コード

    #include <stdio.h>
    #include <sqlite3.h>
    
    int main() {
      char *sql1, *sql2;
    
      // 安全なSQLクエリ (シングルクォートを含む名前を処理)
      sqlite3_mprintf(&sql1, "SELECT * FROM table WHERE name = %Q", "O'Brien");
      printf("Safe query: %s\n", sql1);
      sqlite3_free(sql1);
    
      // 潜在的な脆弱性を招くSQLクエリ (シングルクォートを含む名前を処理)
      sqlite3_mprintf(&sql2, "SELECT * FROM table WHERE name = %s", "O'Brien");
      printf("Unsafe query: %s\n", sql2);
      sqlite3_free(sql2);
    
      // 安全なSQLクエリ (アンパサンドを含む名前を処理)
      sqlite3_mprintf(&sql1, "SELECT * FROM table WHERE name = %Q", "John & Doe");
      printf("Safe query: %s\n", sql1);
      sqlite3_free(sql1);
    
      // 潜在的な脆弱性を招くSQLクエリ (アンパサンドを含む名前を処理)
      sqlite3_mprintf(&sql2, "SELECT * FROM table WHERE name = %s", "John & Doe");
      printf("Unsafe query: %s\n", sql2);
      sqlite3_free(sql2);
    
      return 0;
    }
    
    Safe query: SELECT * FROM table WHERE name = 'O''Brien';
    Unsafe query: SELECT * FROM table WHERE name = O'Brien;
    Safe query: SELECT * FROM table WHERE name = 'John & Doe';
    Unsafe query: SELECT * FROM table WHERE name = John & Doe;
    

    解説

    このコード例では、以下の2つのシナリオで %Q%s の使い分けを比較しています。

    シングルクォートを含む名前の処理

    • %Q を使用すると、シングルクォートが自動的にエスケープされ、安全なSQLクエリが生成されます。
    • %s を使用すると、シングルクォートがエスケープされず、SQLインジェクション攻撃を受ける可能性があります。

    注意事項

    • このコード例はあくまでもサンプルであり、実際のアプリケーションでは状況に応じて適切なフォーマット指定子を選択する必要があります。
    • 特殊文字を含まない単純な文字列をフォーマットする場合には、%s を使用しても問題ありません。
    • %Q%s の使い分けを理解することは、SQLite プログラミングにおいて重要です。
    • 詳細については、SQLite の公式ドキュメントを参照してください。



    SQLiteにおける安全な文字列フォーマット:代替手段

    sqlite3_bind_text 関数

    • 準備されたステートメント内で、パラメータバインディングを利用する方法です。
    • SQLインジェクション攻撃対策として効果的です。
    • 以下の例は、sqlite3_bind_text 関数を使用して、安全なSQLクエリを生成する方法を示しています。
    #include <stdio.h>
    #include <sqlite3.h>
    
    int main() {
      sqlite3 *db;
      sqlite3_stmt *stmt;
      int rc;
    
      rc = sqlite3_open("example.db", &db);
      if (rc != SQLITE_OK) {
        fprintf(stderr, "Error opening database: %s\n", sqlite3_errmsg(db));
        return 1;
      }
    
      rc = sqlite3_prepare_v2(db, "SELECT * FROM table WHERE name = ?", -1, &stmt, NULL);
      if (rc != SQLITE_OK) {
        fprintf(stderr, "Error preparing statement: %s\n", sqlite3_errmsg(db));
        sqlite3_close(db);
        return 1;
      }
    
      // 安全なバインディング
      sqlite3_bind_text(stmt, 1, "O'Brien", -1, SQLITE_TRANSIENT);
    
      rc = sqlite3_step(stmt);
      if (rc != SQLITE_OK && rc != SQLITE_DONE) {
        fprintf(stderr, "Error executing statement: %s\n", sqlite3_errmsg(db));
        sqlite3_finalize(stmt);
        sqlite3_close(db);
        return 1;
      }
    
      sqlite3_finalize(stmt);
      sqlite3_close(db);
    
      return 0;
    }
    

    独自のバインディング関数

    • 独自の関数を作成して、文字列を安全にエスケープ処理およびバインド処理を行う方法です。
    • より柔軟な制御が可能ですが、実装の複雑さが増します。

    サードライブラリの利用

    • libsqlite3-rsSQLight.Net などのサードライブラリは、安全な文字列フォーマット機能を提供している場合があります。
    • ライブラリの機能や使いやすさを考慮する必要があります。

    各方法の比較

    方法利点欠点
    sqlite3_mprintf (%Q)シンプルで使いやすいエスケープ処理の柔軟性に欠ける
    sqlite3_bind_textSQLインジェクション対策に効果的準備されたステートメントが必要
    独自のバインディング関数柔軟性が高い実装が複雑
    サードライブラリ使いやすい場合があるライブラリに依存する
    • シンプルで使いやすい方法を求める場合は、sqlite3_mprintf (%Q) がおすすめです。
    • SQLインジェクション対策を最優先にする場合は、sqlite3_bind_text を使用します。
    • より柔軟な制御や高度な機能が必要な場合は、独自のバインディング関数やサードライブラリの利用を検討します。
    • 上記以外にも、安全な文字列フォーマットを実現する方法があります。

    sqlite


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