Railsにおけるエンティティ識別:複合主キー vs ユニークオブジェクトIDフィールド
Railsにおける複合主キーとユニークオブジェクトIDフィールド
Railsでエンティティを表すモデルを作成する際、主キーとして単一のフィールドを使用するケースが一般的です。しかし、特定の状況では、複数のフィールドを組み合わせた複合主キーの方が適切な場合があります。
本記事では、複合主キーとユニークオブジェクトIDフィールドの概念を解説し、それぞれの特徴と使い分けについて説明します。さらに、複合主キーを使用する際の注意点と、関連するデザインパターンについても紹介します。
複合主キーとは、複数のフィールドを組み合わせた主キーです。単一のフィールドよりも、より詳細なエンティティの識別に役立ちます。
例
- ユーザーモデル:
user_id
とemail
の組み合わせ - 商品モデル:
product_id
とcolor_id
の組み合わせ
ユニークオブジェクトIDフィールドは、エンティティを一意に識別するためのフィールドです。主キーとして使用することもできますが、単一のフィールドで構成されるため、複合主キーよりも汎用性が高いのが特徴です。
uuid
フィールドsequence
フィールド
複合主キーとユニークオブジェクトIDフィールドの使い分け
複合主キーを使用するべきケース
- エンティティをより詳細に識別する必要がある場合
- 複数のフィールドの組み合わせでエンティティが唯一に決定される場合
ユニークオブジェクトIDフィールドを使用するべきケース
- エンティティをシンプルに識別したい場合
- 主キーに特定の意味を持たせたくない場合
- 複合主キーは、データベースのインデックスに登録する必要がある
- 複合主キーは、変更が難しい
- 複合主キーは、パフォーマンスに影響を与える可能性がある
関連するデザインパターン
- Composite Key Pattern:複合主キーを実装するためのデザインパターン
- Identity Field Pattern:ユニークオブジェクトIDフィールドを実装するためのデザインパターン
まとめ
複合主キーとユニークオブジェクトIDフィールドは、それぞれ異なる役割を持つため、状況に応じて使い分けることが重要です。
補足
- 上記は概要であり、詳細については各資料を参照してください。
- 具体的な実装方法は、使用しているフレームワークやデータベースによって異なります。
class User < ApplicationRecord
self.primary_key = :user_id, :email
# ...
end
上記コードでは、User
モデルの主キーとしてuser_id
とemail
の組み合わせを使用しています。
class Product < ApplicationRecord
# ...
def generate_unique_id
loop do
self.unique_id = SecureRandom.uuid
break unless Product.exists?(unique_id: unique_id)
end
end
before_create :generate_unique_id
end
上記コードでは、Product
モデルにunique_id
というユニークオブジェクトIDフィールドを追加しています。
- 注文モデル:
order_id
- メッセージモデル:
message_id
- 上記はあくまで例であり、実際のコードは状況に合わせて変更する必要があります。
- 複合主キーを使用する場合は、データベースのインデックス設定に注意が必要です。
複合主キーとユニークオブジェクトIDフィールドの代替案
サロゲートキーは、複合主キーやユニークオブジェクトIDフィールドの代替案として使用できます。
class User < ApplicationRecord
# ...
has_primary_key :user_id
end
上記コードでは、User
モデルにuser_id
というサロゲートキーを追加しています。
自然キーとは、エンティティの属性からなる主キーです。複合主キーはこの自然キーの一種とみなすこともできます。
自然キーは、人間にとって分かりやすいというメリットがあります。
class Product < ApplicationRecord
self.primary_key = :product_code
# ...
end
上記コードでは、Product
モデルの主キーとしてproduct_code
という自然キーを使用しています。
エンティティIDとは、外部システムで使用されるエンティティの識別子です。
エンティティIDは、異なるシステム間でエンティティを連携させる際に役立ちます。
class User < ApplicationRecord
# ...
has_column :external_id, :string
def to_external_id
external_id || generate_external_id
end
private
def generate_external_id
loop do
self.external_id = SecureRandom.uuid
break unless User.exists?(external_id: external_id)
end
end
end
その他
上記以外にも、状況に応じて様々な方法があります。
- UUID
- シーケンス
複合主キーとユニークオブジェクトIDフィールドは、エンティティを識別するための重要な手段です。しかし、状況によっては他の方法の方が適切な場合もあります。
それぞれの方法の特徴とメリット・デメリットを理解し、適切な方法を選択することが重要です。
ruby-on-rails database design-patterns