SQLデータベース設計における複合主キー:メリットとデメリットを徹底解説!
SQLデータベース設計における複合主キー:メリットとデメリット
複合主キーの使用例
- 顧客注文管理システム: 注文IDと顧客IDを組み合わせた複合主キーを使用することで、個々の注文を一意に識別できます。
複合主キーのメリット
- データの整合性を保証しやすい: 複数の列を組み合わせることで、個々の列よりも重複の可能性が低くなります。
- 関連レコードの検索・更新・削除が容易になる: 複合主キーの一部を指定することで、関連するレコードを効率的に検索・更新・削除できます。
- データの粒度を上げられる: 複数の列を組み合わせることで、より詳細なデータモデルを構築できます。
- インデックスのサイズが大きくなる: 複合主キーは複数の列で構成されるため、単一列の主キーよりもインデックスのサイズが大きくなります。
- クエリの複雑さが増す: 複合主キーを使用する場合は、WHERE句などの条件式が複雑になる可能性があります。
- NULL値の問題: 複合主キーの列にNULL値があると、データの整合性が損なわれる可能性があります。
複合主キーの使用を検討すべきケース
- 複数の列でレコードを一意に識別する必要がある場合
- 関連レコードの検索・更新・削除を頻繁に行う必要がある場合
- データの粒度を上げる必要がある場合
- インデックスのパフォーマンスが重要である場合
- クエリのシンプルさを重視する場合
- NULL値の可能性がある場合
CREATE TABLE orders (
order_id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
customer_id INT NOT NULL,
order_date DATE NOT NULL,
order_total DECIMAL(10,2) NOT NULL,
FOREIGN KEY (customer_id) REFERENCES customers(customer_id)
);
CREATE TABLE customers (
customer_id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
customer_name VARCHAR(50) NOT NULL,
customer_email VARCHAR(100) NOT NULL
);
説明
orders
テーブルには、注文ID、顧客ID、注文日、注文合計の4つの列があります。order_id
列は主キーであり、自動的にインクリメントされます。customer_id
列は、customers
テーブルの顧客ID列を参照する外部キーです。customers
テーブルには、顧客ID、顧客名、顧客メールアドレスの3つの列があります。customer_id
列は主キーです。
- 特定の顧客の注文履歴を取得するには、
orders
テーブルのcustomer_id
列とorder_date
列を指定します。
SELECT * FROM orders WHERE customer_id = 123 AND order_date >= '2024-01-01';
- 特定の注文の詳細を取得するには、
orders
テーブルのorder_id
列を指定します。
SELECT * FROM orders WHERE order_id = 456;
この例は、複合主キーがどのように使用できるかを示すほんの一例です。複合主キーは、データベース設計においてさまざまな目的に使用できます。
- 図書館管理システム: 書籍IDと貸出日 を組み合わせた複合主キーを使用して、書籍の貸出履歴を管理できます。
SQLデータベース設計における複合主キーの代替方法
複合主キーの代替方法として、以下のような方法があります。
サロゲートキーを使用する
サロゲートキーとは、データベース内で人工的に生成されるユニークな識別子です。通常は、主キーとして使用されます。サロゲートキーを使用すると、インデックスサイズを小さくし、クエリを簡素化することができます。ただし、サロゲートキーはビジネス上の意味を持たないため、データの意味を理解しにくくなるというデメリットがあります。
例:
CREATE TABLE orders (
order_id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
customer_id INT NOT NULL,
order_date DATE NOT NULL,
order_total DECIMAL(10,2) NOT NULL,
FOREIGN KEY (customer_id) REFERENCES customers(customer_id)
);
部分主キーを使用する
部分主キーとは、複数の列の組み合わせの一部を主キーとして使用するものです。部分主キーを使用すると、インデックスサイズを小さくし、クエリを簡素化することができます。ただし、部分主キーを使用する場合は、どの列を主キーとして選択するのかを慎重に検討する必要があります。
CREATE TABLE orders (
order_id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
customer_id INT NOT NULL,
order_date DATE NOT NULL,
order_total DECIMAL(10,2) NOT NULL,
UNIQUE KEY customer_order_date (customer_id, order_date),
FOREIGN KEY (customer_id) REFERENCES customers(customer_id)
);
ビジネスルールを使用してレコードを一意に識別する
ビジネスルールを使用してレコードを一意に識別することもできます。ただし、この方法は複雑になる可能性があり、メンテナンスが困難になる場合もあります。
CREATE TABLE orders (
order_id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
customer_id INT NOT NULL,
order_date DATE NOT NULL,
order_total DECIMAL(10,2) NOT NULL,
UNIQUE KEY customer_order_number (customer_id, order_number),
FOREIGN KEY (customer_id) REFERENCES customers(customer_id)
);
複合主キーを使用するかどうかの判断
複合主キーを使用するかどうかの判断は、個々のケースによって異なります。複合主キーを使用する場合は、メリットとデメリットを理解した上で、慎重に検討する必要があります。
複合主キーを使用する必要があるかどうかを判断する際のヒント
- クエリのシンプルさは重要か?
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