【初心者向け】MariaDB 10.2でRLIKEとバイナリ文字セットを使う前に知っておくべきこと

2024-07-04

MariaDB 10.2におけるバイナリ文字セットでのRLIKEマッチ:詳細解説

このチュートリアルでは、MariaDB 10.2におけるバイナリ文字セットでのRLIKEマッチの仕組みについて、プログラミング初心者でも理解しやすいように詳細に解説します。

RLIKEは、正規表現を使用したパターンマッチングを行うSQL構文です。LIKE構文と似ていますが、より高度なパターンマッチングが可能で、大文字と小文字の区別、特殊文字のエスケープ、繰り返しパターンなどを扱うことができます。

バイナリ文字セットは、文字をバイト列としてエンコードする文字セットです。Unicodeなどのマルチバイト文字セットとは異なり、各文字に固定長のバイト数が割り当てられます。

MariaDB 10.2では、RLIKEがバイナリ文字セットでのパターンマッチングをサポートしています。これは、バイト列レベルでのパターンマッチングが可能になることを意味します。

問題:RLIKEが予期せず一致してしまう

この機能には、予期しない動作を引き起こす可能性があるという問題があります。例えば、á (アキュート付きa) と è (グレーブ付きe) などの文字は、バイナリ文字セットでは同じバイト列 (C3 A1C3 A8) で表現されます。そのため、RLIKEパターン [áè] は、本来一致するはずのない è 文字を含む文字列にも一致してしまう可能性があります。

解決策:HEX関数を使用する

この問題を解決するには、HEX関数を使用して、文字列をバイト列に変換する必要があります。例として、以下のクエリを見てみましょう。

SELECT *
FROM mytable
WHERE mycolumn RLIKE concat(0xC3, 0xA1);

このクエリは、mycolumn 列の値が C3 A1 (バイナリ表現で á) を含むすべての行を返します。

MariaDB 10.2におけるRLIKEとバイナリ文字セットを使用する際には、この潜在的な問題に注意する必要があります。HEX関数を使用して文字列をバイト列に変換することで、この問題を回避することができます。

補足

  • 上記の例は、あくまでも説明を簡略化するために使用しています。実際のクエリでは、適切なエスケープ処理やパターンを使用する必要があります。



サンプルコード:MariaDB 10.2におけるRLIKEとバイナリ文字セット

-- テーブルの作成
CREATE TABLE mytable (
  id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
  name VARCHAR(255) NOT NULL,
  data BLOB NOT NULL
);

-- データの挿入
INSERT INTO mytable (name, data) VALUES
  ('John Doe', _binary 0xC3A1 0x64 0x61 0x6D),
  ('Jane Doe', _binary 0xC3A8 0x64 0x61 0x6D);

-- RLIKEを使用したバイナリ文字セットでのパターンマッチング
SELECT *
FROM mytable
WHERE data RLIKE _binary 0xC3A1;

説明

  1. このコードはまず、mytable という名前のテーブルを作成します。このテーブルには、id 列、name 列、data 列があります。
  2. 次に、このコードは mytable テーブルに2つの行を挿入します。最初の行は John Doe という名前と á 文字を含むバイナリデータを持ち、2番目の行は Jane Doe という名前と è 文字を含むバイナリデータを持っています。
  3. 最後に、このコードは RLIKE を使用して、data 列が á 文字を含むバイナリデータを持つ行をすべて選択します。

結果

このクエリは、John Doe という名前と á 文字を含む最初の行のみを返します。これは、RLIKE がバイト列レベルでのパターンマッチングを行うためです。

  • この例では、HEXリテラルを使用してバイナリデータを直接指定しています。実際のアプリケーションでは、データベースからバイナリデータを取得する可能性があります。
  • より複雑なパターンマッチングを行う場合は、正規表現を使用することができます。



MariaDB 10.2におけるRLIKEとバイナリ文字セットでのパターンマッチングには、HEX関数を使用する以外にも、いくつかの方法があります。

方法 1:COLLATE句を使用する

COLLATE句を使用すると、文字列の照合方法を指定することができます。バイナリ文字セットでのパターンマッチングを行う場合は、COLLATE latin_bin 句を使用することができます。

SELECT *
FROM mytable
WHERE data RLIKE concat(0xC3, 0xA1) COLLATE latin_bin;

CONVERT関数を使用すると、文字列のデータ型を変換することができます。バイナリ文字セットでのパターンマッチングを行う場合は、CONVERT(data, BINARY) 関数を使用して、文字列をバイナリデータに変換することができます。

SELECT *
FROM mytable
WHERE CONVERT(data, BINARY) RLIKE _binary 0xC3A1;

SUBSTRING_INDEX関数を使用すると、文字列の一部を抽出することができます。バイナリ文字セットでのパターンマッチングを行う場合は、SUBSTRING_INDEX(data, _binary 0xC3A1, 1) 関数を使用して、á 文字を含むバイト列を抽出することができます。

SELECT *
FROM mytable
WHERE SUBSTRING_INDEX(data, _binary 0xC3A1, 1) IS NOT NULL;

それぞれの方法の比較

方法説明長所短所
HEX関数文字列を直接バイト列に変換するシンプルで分かりやすいバイト列を直接指定する必要がある
COLLATE句文字列の照合方法を指定するHEX関数よりも簡潔に記述できるすべてのデータベースでサポートされているわけではない
CONVERT関数文字列のデータ型を変換するHEX関数よりも汎用性が高い処理速度が遅くなる可能性がある
SUBSTRING_INDEX関数文字列の一部を抽出する特定の文字列を含むかどうかを判定するのに適している複雑なパターンマッチングには不向き

MariaDB 10.2におけるRLIKEとバイナリ文字セットでのパターンマッチングには、いくつかの方法があります。それぞれの長所と短所を理解し、状況に応じて適切な方法を選択することが重要です。


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