もう迷わない!SQL Server の CROSS APPLY と INNER JOIN を徹底解説
SQL Server で CROSS APPLY と INNER JOIN を使い分けるタイミング
それぞれの特徴
-
INNER JOIN:
- 複数のテーブルから一致する行を結合します。
- 結合条件を満たす行のみが結果に含まれます。
- データベース全体のパフォーマンスに影響を与える可能性があります。
-
CROSS APPLY:
- 外側のテーブルの各行に対して、テーブル値関数を適用します。
- 外側のテーブルのすべての行が結果に含まれます。
- 複雑な処理を個々の行に対して行う場合に有効です。
CROSS APPLY を使用するべきタイミング
- INNER JOIN では実現できない複雑な処理を行う場合。
- 行レベルの処理速度を向上させたい場合。
- 単純な結合処理を行う場合。
- INNER JOIN で処理できる場合は、INNER JOIN を優先する。
パフォーマンスの比較
- 一般的に、CROSS APPLY は INNER JOIN よりも高速です。
- ただし、テーブル値関数の処理内容によっては、INNER JOIN よりも遅くなる場合もあります。
- 実際の処理内容に合わせて、最適な方法を選択する必要があります。
まとめ
- CROSS APPLY と INNER JOIN は、それぞれ異なる特性を持つため、使い分けることが重要です。
- CROSS APPLY は、テーブル値関数を適用したり、複雑な処理を個々の行に対して行う場合に有効です。
- パフォーマンスの観点からも、CROSS APPLY は INNER JOIN よりも高速な場合が多いですが、処理内容によっては逆になる場合もあります。
補足
- 上記は基本的な解説であり、状況によって最適な方法は異なります。
INNER JOIN の例
SELECT *
FROM Customers
INNER JOIN Orders
ON Customers.CustomerID = Orders.CustomerID;
CROSS APPLY の例
SELECT CustomerName,
(SELECT SUM(Quantity)
FROM OrderDetails
WHERE OrderID = Orders.OrderID) AS TotalQuantity
FROM Customers
CROSS APPLY Orders
WHERE Country = 'Japan';
この例では、Customers
テーブルと Orders
テーブルを結合し、日本在住の顧客とその注文合計数量を取得しています。
INNER JOIN と CROSS APPLY の違い
- INNER JOIN は、
Customers
テーブルとOrders
テーブルの結合条件 (Customers.CustomerID = Orders.CustomerID
) を満たす行のみを結果に含んでいます。 - CROSS APPLY は、
Customers
テーブルのすべての行に対してOrders
テーブルを適用し、TotalQuantity
を計算しています。
この例では、CROSS APPLY
の方が INNER JOIN
よりも高速になる可能性があります。これは、CROSS APPLY
は個々の行に対して処理を行うため、データベース全体のパフォーマンスに影響を与えにくいからです。
CROSS APPLY と INNER JOIN 以外の方法
LATERAL JOIN
は、CROSS APPLY
と似ていますが、いくつかの点で違いがあります。
LATERAL JOIN
は、外側のテーブルの各行に対して、内側のテーブルのすべての行を処理します。LATERAL JOIN
は、結合条件を指定できます。
例:
SELECT CustomerName,
Orders.OrderID,
Orders.OrderDate
FROM Customers
LATERAL JOIN Orders
ON Customers.CustomerID = Orders.CustomerID;
テーブル値関数は、テーブルを返す関数です。
SELECT CustomerName,
TotalQuantity
FROM Customers
CROSS APPLY dbo.GetTotalQuantity(CustomerID);
この例では、Customers
テーブルとテーブル値関数 dbo.GetTotalQuantity
を使用し、すべての顧客とその注文合計数量を取得しています。
サブクエリを使用して、テーブル同士を結合することができます。
SELECT CustomerName,
(SELECT SUM(Quantity)
FROM OrderDetails
WHERE OrderID IN (SELECT OrderID
FROM Orders
WHERE CustomerID = Customers.CustomerID)) AS TotalQuantity
FROM Customers;
最適な方法は、処理内容やパフォーマンス要件によって異なります。
- 簡単な結合処理の場合は、
INNER JOIN
が最適です。 - 複雑な処理やテーブル値関数を必要とする場合は、
CROSS APPLY
やLATERAL JOIN
が最適です。 - パフォーマンスが重要な場合は、
CROSS APPLY
やテーブル値関数が最適です。
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