SQL Serverにおけるユーザーとログイン:徹底解説
SQL Server におけるユーザーとログインは、どちらもデータベースにアクセスするために使用されますが、異なる概念です。 理解を深めるために、それぞれの役割と関係性を、分かりやすく図を用いて説明します。
ユーザー
ユーザーは、データベース内のオブジェクト (テーブル、ビュー、ストアド プロシージャなど) を所有し、データにアクセスするための権限を持つ主体です。 具体的には、以下の操作を実行できます。
- データの挿入、更新、削除、参照
- テーブルやその他のオブジェクトの作成、変更、削除
- ストアド プロシージャやその他のプログラムの実行
ユーザーは、特定のデータベースにのみ存在し、他のデータベースには存在しません。
ログイン
ログインは、SQL Server インスタンスへの認証に使用される主体です。 認証に成功すると、ログインは マスター データベース に登録され、サーバーレベルの権限が付与されます。 具体的には、以下の操作を実行できます。
- SQL Server インスタンスへの接続
- データベースの作成、変更、削除
- 他のログインの作成、変更、削除
ログインは、すべてのデータベースにアクセスできますが、個々のデータベース内での権限は、そのデータベース内のユーザーとして付与する必要があります。
ユーザーとログインは、以下の図のように関係しています。
- ユーザーは、ログイン に関連付けられています。
- ログインは、1 つ以上のデータベース におけるユーザーとして存在できます。
例
**login1**
というログインがあり、**db1**
と**db2**
という 2 つのデータベースに存在するユーザーとして関連付けられている場合、**login1**
は**db1**
と**db2**
に接続し、それぞれのデータベース内のデータにアクセスできます。- ユーザー
**user1**
は、**login2**
というログインにのみ関連付けられます。**login2**
が**db3**
に接続した場合、**user1**
は**db3**
内のデータにアクセスできますが、他のデータベースにはアクセスできません。
- ユーザーは、データベース内のオブジェクトを所有し、データにアクセスするための権限を持つ主体です。
- ログインは、SQL Server インスタンスへの認証に使用される主体です。
- ユーザーはログインに関連付けられ、ログインは複数のデータベースにユーザーとして存在できます。
この違いを理解することで、SQL Server のセキュリティをより効果的に管理することができます。
SQL Server におけるユーザーとログインの操作例
このセクションでは、SQL Server におけるユーザーとログインの操作例をいくつか紹介します。 以下の例は、Transact-SQL (T-SQL) を使用して説明します。
ユーザーの作成
-- SQL Server 認証ログインを作成する
CREATE LOGIN sql_login WITH PASSWORD = 'Pa$$w0rd!';
-- ログインにユーザーを関連付ける
CREATE USER sql_user FOR LOGIN sql_login;
-- 特定のデータベースにユーザー権限を付与する
GRANT SELECT, INSERT, UPDATE, DELETE ON my_database TO sql_user;
ログインの作成
-- Windows 認証ログインを作成する
CREATE LOGIN windows_login FROM WINDOWS USER 'my_domain\my_username';
ユーザーとログインの削除
-- ユーザーを削除する
DROP USER sql_user;
-- ログインを削除する
DROP LOGIN sql_login;
補足
- 上記の例は基本的な操作のみを示しています。 より複雑な操作については、SQL Server のドキュメントを参照してください。
- パスワードは、常に安全な場所に保管してください。
SQL Server におけるユーザーとログインを管理するには、さまざまな方法があります。 以下に、一般的な方法をいくつか紹介します。
SQL Server Management Studio (SSMS)
SSMS は、SQL Server を管理するためのグラフィカル ツールです。 ユーザーとログインを作成、編集、削除するには、以下の手順を実行します。
- SSMS を起動し、接続する SQL Server インスタンスを選択します。
- オブジェクト エクスプローラー で、セキュリティ > ログイン または セキュリティ > ユーザー を展開します。
- 既存のユーザーまたはログインを編集するには、ダブルクリックします。 新しいユーザーまたはログインを作成するには、右クリックして 新規 > ログイン または 新規 > ユーザー を選択します。
Transact-SQL (T-SQL)
CREATE LOGIN
およびCREATE USER
コマンド: 新しいユーザーとログインを作成します。
Add-SqlLogin
およびAdd-SqlUser
コマンドレット: 新しいユーザーとログインを作成します。
上記以外にも、以下の方法でユーザーとログインを管理できます。
- SQL Server Management Objects (SMO): .NET Framework を使用して SQL Server を管理するためのマネージド コード ライブラリです。
- Azure Active Directory (Azure AD): クラウドベースのアイデンティティとアクセス管理サービスです。 SQL Server を Azure AD で認証するように構成できます。
最適な方法の選択
使用する方法は、ニーズと環境によって異なります。 以下に、各方法の長所と短所をまとめました。
SSMS
- 長所: グラフィカル インターフェースを使用して使いやすい
- 短所: 高度な操作には向いていない
T-SQL
- 長所: 柔軟性と制御性に優れている
- 短所: 習得に時間がかかる
PowerShell
- 長所: スクリプト化と自動化に適している
- 短所: T-SQL ほど強力ではない
SMO
- 長所: .NET アプリケーションから SQL Server を管理するのに適している
Azure AD
- 長所: クラウドベースの環境で使いやすい
- 短所: オンプレミス環境では使用できない
- Microsoft Docs - PowerShell 用の SQL Server モジュール: [https://docs
sql sql-server sql-server-2005