NOT DEFERRABLE vs DEFERRABLE INITIALLY IMMEDIATE

2024-04-10

SQLにおける「NOT DEFERRABLE」と「DEFERRABLE INITIALLY IMMEDIATE」の違い

SQLデータベースにおける制約は、データの整合性を保つために重要な役割を果たします。制約には様々な種類があり、それぞれ異なる動作を持っています。

この解説では、NOT DEFERRABLEDEFERRABLE INITIALLY IMMEDIATEという2つの制約オプションについて、詳細な説明と比較を行います。

制約のタイミング

  • NOT DEFERRABLE: 制約違反が発生した場合は、その場でエラーが発生し、トランザクション全体が中止されます。
  • DEFERRABLE INITIALLY IMMEDIATE: 制約違反が発生しても、トランザクションの最後まで処理が延期されます。

動作例

NOT DEFERRABLE:

-- テーブル作成
CREATE TABLE users (
  id INT NOT NULL,
  name VARCHAR(255) NOT NULL,
  age INT NOT NULL,
  -- 外部キー制約
  FOREIGN KEY (id) REFERENCES addresses (id) DEFERRABLE INITIALLY IMMEDIATE
);

-- 制約違反
INSERT INTO users (id, name, age) VALUES (1, 'Alice', 10);
-- エラーが発生: 外部キー制約違反

DEFERRABLE INITIALLY IMMEDIATE:

-- テーブル作成
CREATE TABLE users (
  id INT NOT NULL,
  name VARCHAR(255) NOT NULL,
  age INT NOT NULL,
  -- 外部キー制約
  FOREIGN KEY (id) REFERENCES addresses (id) DEFERRABLE INITIALLY IMMEDIATE
);

-- 制約違反
INSERT INTO users (id, name, age) VALUES (1, 'Alice', 10);
-- エラーは発生せず、処理が続行
COMMIT;
-- COMMIT時にエラーが発生: 外部キー制約違反

オプションの選択

どちらのオプションを選択するべきかは、以下の点を考慮する必要があります。

  • データ整合性の重要度: 高い整合性が求められる場合は、NOT DEFERRABLEを選択することで、データの不正な状態を防ぐことができます。
  • 処理速度: 制約違反が発生する頻度が高い場合は、DEFERRABLE INITIALLY IMMEDIATEを選択することで、処理速度を向上させることができます。

その他の注意事項

  • NOT DEFERRABLE制約は、UNIQUE制約、PRIMARY KEY制約、CHECK制約など、一部の種類の制約では使用できません。
  • DEFERRABLE INITIALLY IMMEDIATE制約は、デフォルトでSET DEFERRABLEモードが有効になっている場合のみ機能します。

まとめ

NOT DEFERRABLEDEFERRABLE INITIALLY IMMEDIATEは、制約違反のタイミングを制御する重要なオプションです。それぞれの動作と注意事項を理解し、状況に応じて適切なオプションを選択することが重要です。




-- テーブル作成
CREATE TABLE users (
  id INT NOT NULL,
  name VARCHAR(255) NOT NULL,
  age INT NOT NULL,
  -- 外部キー制約
  FOREIGN KEY (id) REFERENCES addresses (id) NOT DEFERRABLE
);

-- 制約違反
INSERT INTO users (id, name, age) VALUES (1, 'Alice', 10);
-- エラーが発生: 外部キー制約違反
-- テーブル作成
CREATE TABLE users (
  id INT NOT NULL,
  name VARCHAR(255) NOT NULL,
  age INT NOT NULL,
  -- 外部キー制約
  FOREIGN KEY (id) REFERENCES addresses (id) DEFERRABLE INITIALLY IMMEDIATE
);

-- 制約違反
INSERT INTO users (id, name, age) VALUES (1, 'Alice', 10);
-- エラーは発生せず、処理が続行
COMMIT;
-- COMMIT時にエラーが発生: 外部キー制約違反
-- テーブル作成
CREATE TABLE users (
  id INT NOT NULL,
  name VARCHAR(255) NOT NULL,
  age INT NOT NULL,
  -- 外部キー制約
  FOREIGN KEY (id) REFERENCES addresses (id) DEFERRABLE INITIALLY DEFERRED
);

-- 制約違反
INSERT INTO users (id, name, age) VALUES (1, 'Alice', 10);
-- エラーは発生せず、処理が続行
ROLLBACK;
-- ROLLBACK時にエラーは発生しない
-- DEFERRABLEモードを有効にする
SET DEFERRABLE;

-- テーブル作成
CREATE TABLE users (
  id INT NOT NULL,
  name VARCHAR(255) NOT NULL,
  age INT NOT NULL,
  -- 外部キー制約
  FOREIGN KEY (id) REFERENCES addresses (id) DEFERRABLE
);

-- 制約違反
INSERT INTO users (id, name, age) VALUES (1, 'Alice', 10);
-- エラーは発生せず、処理が続行
COMMIT;
-- COMMIT時にエラーが発生: 外部キー制約違反



SQLにおける制約違反の処理方法

TRIGGER

TRIGGERは、特定のイベントが発生した際に自動的に実行されるプログラムです。制約違反が発生した際に、エラーメッセージを表示したり、代替処理を実行したりするTRIGGERを作成することができます。

CREATE TRIGGER users_insert_check
BEFORE INSERT ON users
FOR EACH ROW
BEGIN
  IF NEW.age < 18 THEN
    RAISE EXCEPTION '年齢は18歳以上である必要があります。';
  END IF;
END;

FOREIGN KEY MATCH

FOREIGN KEY MATCHオプションは、外部キー制約違反が発生した際の動作を指定します。

  • NO ACTION: エラーが発生せず、何も処理されません。
  • RESTRICT: エラーが発生し、処理が中止されます。
  • CASCADE: 参照先のテーブルのレコードも削除されます。
  • SET NULL: 参照先の列がNULLに設定されます。
-- テーブル作成
CREATE TABLE users (
  id INT NOT NULL,
  name VARCHAR(255) NOT NULL,
  age INT NOT NULL,
  -- 外部キー制約
  FOREIGN KEY (id) REFERENCES addresses (id) ON DELETE CASCADE
);

CHECK CONSTRAINT

CHECK CONSTRAINTは、列の値が特定の条件を満たしていることを確認します。条件が満たされない場合は、エラーが発生します。

-- テーブル作成
CREATE TABLE users (
  id INT NOT NULL,
  name VARCHAR(255) NOT NULL,
  age INT NOT NULL,
  -- CHECK制約
  CHECK (age >= 18)
);

DEFAULT

DEFAULTオプションは、列に値が設定されていない場合に設定されるデフォルト値を指定します。

-- テーブル作成
CREATE TABLE users (
  id INT NOT NULL,
  name VARCHAR(255) NOT NULL,
  age INT NOT NULL DEFAULT 18
);

NULL

NULLは、列に値が設定されていないことを表します。

-- テーブル作成
CREATE TABLE users (
  id INT NOT NULL,
  name VARCHAR(255) NULL,
  age INT NULL
);

SQLでは、制約違反の処理方法を制御する様々な方法があります。これらの方法を理解し、状況に応じて適切な方法を選択することが重要です。


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