ロック付きコンテキストマネージャーでスマートにロック

2024-04-15

SQLite3データベースのロック(Python)

本記事では、PythonでSQLite3データベースをロックする方法について解説します。

ロックの種類

SQLiteでは、主に以下の2種類のロックが提供されています。

  • 排他ロック: ロックを取得したプロセスだけがデータベースにアクセスできます。他のプロセスは、ロックが解除されるまで待機する必要があります。
  • 共有ロック: 複数のプロセスがデータベースを同時に読み込みアクセスできます。書き込みアクセスは排他ロックと同様に、ロックを取得したプロセスのみ許可されます。

ロックの取得方法

SQLiteデータベースのロックを取得するには、以下の2つの方法があります。

  1. BEGIN TRANSACTION: トランザクションを開始する際に、排他ロックを取得します。
  2. PRAGMA lock_sharing_mode: ロックモードを設定することで、共有ロック or 排他ロックを選択できます。

以下に、それぞれの方法の例を示します。

排他ロック

import sqlite3

connection = sqlite3.connect('database.db')
cursor = connection.cursor()

# 排他ロックを取得してトランザクションを開始
cursor.execute('BEGIN TRANSACTION')

# データベース操作を実行
cursor.execute('UPDATE table SET value = ? WHERE id = ?', (10, 20))

# トランザクションをコミットしてロックを解放
connection.commit()
connection.close()

共有ロック

import sqlite3

connection = sqlite3.connect('database.db')
cursor = connection.cursor()

# 共有ロックモードを設定
cursor.execute('PRAGMA lock_sharing_mode=SHARED')

# データベース操作を実行
cursor.execute('SELECT * FROM table')

# ロックは自動的に解放される
connection.close()

ロックに関する注意点

  • ロックは、データベースファイルを開いている限り保持されます。不要になったら、確実にロックを解放するようにしましょう。
  • ロックの取得と解放を適切に行わないと、デッドロックなどの問題が発生する可能性があります。
  • トランザクションを利用する場合は、排他ロックが自動的に取得されるため、ロック取得処理を記述する必要はありません。

SQLiteのロックメカニズムの詳細については、以下の公式ドキュメントを参照してください。

SQLiteデータベースのロックは、データの整合性を保つために重要な機能です。本記事を参考に、状況に応じて適切なロック方法を選択してください。




SQLite3データベースのロック(Python) - サンプルコード

排他ロック

import sqlite3

def update_data(id, value):
    connection = sqlite3.connect('database.db')
    cursor = connection.cursor()

    # 排他ロックを取得してトランザクションを開始
    cursor.execute('BEGIN TRANSACTION')

    # データベース操作を実行
    cursor.execute('UPDATE table SET value = ? WHERE id = ?', (value, id))

    # トランザクションをコミットしてロックを解放
    connection.commit()
    connection.close()

if __name__ == '__main__':
    update_data(20, 100)
  • update_data 関数は、指定されたIDのレコードの値を更新します。
  • 関数内では、排他ロックを取得してトランザクションを開始し、データベース操作を実行します。
  • 操作完了後、トランザクションをコミットしてロックを解放します。

共有ロック

import sqlite3

def read_data(id):
    connection = sqlite3.connect('database.db')
    cursor = connection.cursor()

    # 共有ロックモードを設定
    cursor.execute('PRAGMA lock_sharing_mode=SHARED')

    # データベース操作を実行
    cursor.execute('SELECT * FROM table WHERE id = ?', (id,))

    # ロックは自動的に解放される
    result = cursor.fetchone()
    connection.close()

    return result

if __name__ == '__main__':
    data = read_data(20)
    print(data)

説明:

  • 関数内では、共有ロックモードを設定してデータベース操作を実行します。
  • 操作完了後、ロックは自動的に解放されます。
  • 取得したレコードデータを返します。
  • 上記のコードはあくまで一例です。状況に合わせて、適切なロック方法を選択してください。
  • ロックに関する詳細は、SQLiteの公式ドキュメントを参照してください。



SQLite3データベースのロック(Python) - その他の方法

ロックファイルを利用した方法

この方法は、以下の利点があります。

  • 異なるプロセス間でロック情報を共有できます。
  • ロック状態を外部から確認できます。
  • ロックファイルの作成と削除が必要となります。
  • 他の方法と比べて処理オーバーヘッドが大きくなります。

以下に、ロックファイルを利用したロックの実装例を示します。

import sqlite3
import os

def acquire_lock(db_path):
    lock_file = db_path + '.lock'

    # ロックファイルが存在する場合、ロックされていると判断
    if os.path.exists(lock_file):
        return False

    try:
        # ロックファイルを作成
        with open(lock_file, 'w') as f:
            f.write('locked')

        return True
    except:
        return False

def release_lock(db_path):
    lock_file = db_path + '.lock'

    # ロックファイルが存在しない場合、何もしない
    if not os.path.exists(lock_file):
        return

    try:
        # ロックファイルを削除
        os.remove(lock_file)
    except:
        pass

def update_data(id, value):
    db_path = 'database.db'

    # ロックを取得
    if not acquire_lock(db_path):
        return False

    connection = sqlite3.connect(db_path)
    cursor = connection.cursor()

    # データベース操作を実行
    cursor.execute('UPDATE table SET value = ? WHERE id = ?', (value, id))

    # トランザクションをコミットしてロックを解放
    connection.commit()
    connection.close()

    release_lock(db_path)

    return True

if __name__ == '__main__':
    update_data(20, 100)
  • acquire_lock 関数は、データベースファイルに対してロックを取得します。
  • ロックファイルが存在する場合、ロックされていると判断し、Falseを返します。
  • 存在しない場合は、ロックファイルを作成し、Trueを返します。
  • release_lock 関数は、ロックを解放します。
  • ロックファイルが存在しない場合は、何もしません。
  • 存在する場合は、ロックファイルを削除します。
  • update_data 関数は、ロックを取得してからデータベース操作を実行し、最後にロックを解放します。

ロック付きコンテキストマネージャーを利用した方法

Python 3.7以降では、contextlib モジュールの closing コンテキストマネージャーを利用して、ロックの取得と解放を自動化できます。

import sqlite3
from contextlib import closing

def update_data(id, value):
    db_path = 'database.db'

    with closing(sqlite3.connect(db_path)) as connection:
        cursor = connection.cursor()

        # データベース操作を実行
        cursor.execute('UPDATE table SET value = ? WHERE id = ?', (value, id))

        # コンテキストマネージャーが自動的にコミットとロック解放を実行

if __name__ == '__main__':
    update_data(20, 100)
  • closing コンテキストマネージャーは、コンテキスト終了時に指定されたオブジェクトを確実に閉じることを保証します。
  • 上記の例では、sqlite3.connect の戻り値であるコネクションオブジェクトを closing に渡しています。
  • コンテキストマネージャーが終了すると、コネクションが自動的に閉じられ、同時にロックも解放されます。

SQLite3データベースのロックには、排他ロック、共有ロック、ロックファイル、ロック付きコンテキストマネージャーなど、様々な方法があります。

状況に合わせて、適切な方法を選択してください。


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