Android データベース トランザクション: マルチスレッド環境でのデータ操作
Androidデータベーストランザクション: データ操作の安全性を高める
トランザクションとは?
トランザクションは、複数のデータベース操作をひとつのまとまりとして実行する仕組みです。すべての操作が成功した場合のみ、データベースに反映されます。もし、途中でエラーが発生した場合は、すべての操作がキャンセルされ、データベースの状態は変更されません。
トランザクションのメリット
- データの整合性を保つことができる
- データ操作の途中でエラーが発生しても、データが破損するのを防ぐ
Androidにおけるトランザクション
Androidでは、SQLiteデータベースでトランザクションを利用できます。SQLiteOpenHelperクラスには、トランザクションを開始、終了、コミット、ロールバックするためのメソッドが用意されています。
トランザクションの基本的な流れ
beginTransaction()
メソッドでトランザクションを開始する- データベース操作を実行する
setTransactionSuccessful()
メソッドでトランザクションを成功としてコミットする- エラーが発生した場合は、
endTransaction()
メソッドでトランザクションをロールバックする
トランザクションの注意点
- トランザクション中は、他のスレッドからのデータベースへのアクセスがブロックされます
- 長時間トランザクションを実行すると、パフォーマンスが低下する可能性があります
- デッドロックが発生する可能性もあります
public void updateUserData(String name, int age) {
SQLiteDatabase db = mOpenHelper.getWritableDatabase();
try {
db.beginTransaction();
ContentValues values = new ContentValues();
values.put(UserContract.NAME, name);
values.put(UserContract.AGE, age);
db.update(UserContract.TABLE_NAME, values, UserContract._ID + " = ?", new String[]{String.valueOf(mId)});
db.setTransactionSuccessful();
} catch (SQLiteException e) {
e.printStackTrace();
} finally {
db.endTransaction();
}
}
上記の例では、beginTransaction()
メソッドでトランザクションを開始し、ContentValues
オブジェクトを使ってデータを更新しています。更新が成功したら、setTransactionSuccessful()
メソッドでコミットし、エラーが発生した場合は、endTransaction()
メソッドでロールバックしています。
public void updateUserData(String name, int age) {
SQLiteDatabase db = mOpenHelper.getWritableDatabase();
try {
db.beginTransaction();
ContentValues values = new ContentValues();
values.put(UserContract.NAME, name);
values.put(UserContract.AGE, age);
db.update(UserContract.TABLE_NAME, values, UserContract._ID + " = ?", new String[]{String.valueOf(mId)});
db.setTransactionSuccessful();
} catch (SQLiteException e) {
e.printStackTrace();
} finally {
db.endTransaction();
}
}
db.beginTransaction()
: トランザクションを開始します。ContentValues values = new ContentValues();
: 更新するデータをContentValues
オブジェクトに格納します。db.update(UserContract.TABLE_NAME, values, UserContract._ID + " = ?", new String[]{String.valueOf(mId)})
: ユーザー情報を更新します。catch (SQLiteException e) {}
: エラーが発生した場合の処理を記述します。finally { db.endTransaction(); }
: 最後に、トランザクションを終了します。
- トランザクションを使用して、データ更新の安全性を確保しています。
- エラーが発生した場合でも、データの整合性が保たれます。
Android データベース トランザクションの代替方法
ロック
データベースへのアクセスを排他的に制御することで、データの整合性を保つことができます。SQLiteOpenHelper クラスには、lock()
メソッドと unlock()
メソッドが用意されています。
ロックを使用する例
public void updateUserData(String name, int age) {
SQLiteDatabase db = mOpenHelper.getWritableDatabase();
try {
db.lock();
ContentValues values = new ContentValues();
values.put(UserContract.NAME, name);
values.put(UserContract.AGE, age);
db.update(UserContract.TABLE_NAME, values, UserContract._ID + " = ?", new String[]{String.valueOf(mId)});
} finally {
db.unlock();
}
}
ロックの注意点
楽観的ロック
データのバージョン情報を使用して、競合を検出する方法です。更新処理を行う前に、データのバージョン情報を読み込み、更新処理後にバージョン情報を更新します。他のスレッドがデータ更新を行っていた場合、バージョン情報が異なるため、競合が発生したことを検知できます。
public void updateUserData(String name, int age) {
SQLiteDatabase db = mOpenHelper.getWritableDatabase();
try {
int version = db.query(UserContract.TABLE_NAME, new String[]{UserContract.VERSION}, UserContract._ID + " = ?", new String[]{String.valueOf(mId)}, null, null, null).getInt(0);
ContentValues values = new ContentValues();
values.put(UserContract.NAME, name);
values.put(UserContract.AGE, age);
values.put(UserContract.VERSION, version + 1);
int rowsUpdated = db.update(UserContract.TABLE_NAME, values, UserContract._ID + " = ?", new String[]{String.valueOf(mId)});
if (rowsUpdated == 0) {
// 競合が発生した
}
} catch (SQLiteException e) {
e.printStackTrace();
}
}
- 競合が発生する可能性があります。
- 競合が発生した場合、処理を再試行する必要があります。
SQLite WAL
SQLite Write-Ahead Logging (WAL) は、データ更新を効率的に行うための仕組みです。WAL を使用することで、トランザクションのコミット速度を向上させることができます。
WAL の注意点
- すべての SQLite バージョンでサポートされているわけではありません。
- 設定が複雑になる可能性があります。
どの方法を選択するべきか
それぞれの方法にはメリットとデメリットがあります。データの整合性とパフォーマンスのバランスを考慮して、最適な方法を選択する必要があります。
android sqlite transactions