MariaDBにおけるセッション変数とグローバル変数の詳細解説:mysql、mariadb、haproxy関連

2024-06-16

MariaDBでは、セッション変数とグローバル変数の2種類のシステム変数が存在します。それぞれ異なるスコープを持ち、MariaDBの動作に影響を与えます。本記事では、**「mysql」「mariadb」「haproxy」**に関連する文脈において、セッション変数とグローバル変数の違いを分かりやすく解説します。

セッション変数とは?

セッション変数は、個々のクライアント接続に適用される設定値です。クライアントがMariaDBに接続すると、対応するグローバル変数の値で初期化されます。その後、セッション変数はSET SESSION句を使用して変更することができます。ただし、この変更はそのセッションにのみ適用され、他の接続やグローバル設定には影響しません。

グローバル変数とは?

グローバル変数は、MariaDBサーバー全体に適用される設定値です。SET GLOBAL句を使用して変更することができ、すべてのクライアント接続と以降の接続に影響します。ただし、グローバル変数の変更には、SUPER権限を持つユーザーのみがアクセスできます。

主な違い

以下の表は、セッション変数とグローバル変数の主な違いをまとめたものです。

項目セッション変数グローバル変数
適用範囲個々のクライアント接続MariaDBサーバー全体
初期化値対応するグローバル変数の値設定ファイルまたはデフォルト値
変更方法SET SESSION句SET GLOBAL句
権限要件特になしSUPER権限
影響範囲そのセッションのみすべてのクライアント接続と以降の接続
持続性セッション終了までMariaDBサーバー再起動まで

innodb_buffer_pool_size変数は、InnoDBテーブル用のバッファープールのサイズを制御する変数です。この変数は、セッション変数とグローバル変数の両方として存在します。

  • セッション変数として設定する場合: 特定のクライアント接続のみ、innodb_buffer_pool_sizeの値を変更できます。他の接続やグローバル設定には影響しません。
  • グローバル変数として設定する場合: MariaDBサーバー全体でinnodb_buffer_pool_sizeの値を変更し、すべてのクライアント接続と以降の接続に影響を与えます。

haproxyとの関連性

HAProxyは、複数のMariaDBサーバーをロードバランシングするプロキシサーバーです。HAProxyは、セッション変数とグローバル変数の両方の値を使用して、MariaDBサーバーへの接続を管理することができます。

  • セッション変数: HAProxyは、個々のクライアント接続のセッション変数を使用して、接続先のMariaDBサーバーを決定することができます。
  • グローバル変数: HAProxyは、グローバル変数を使用して、すべてのクライアント接続に適用されるデフォルト設定を定義することができます。

セッション変数とグローバル変数は、MariaDBの動作を制御するために重要な役割を果たします。それぞれの違いを理解することで、MariaDBをより効果的に設定し、運用することができます。

    本記事では、主に**「mysql」「mariadb」「haproxy」**に関連する文脈における、セッション変数とグローバル変数の違いについて解説しました。それぞれの変数の詳細な使用方法やオプションについては、MariaDB公式ドキュメント等を参照することをお勧めします。




    セッション変数とグローバル変数の例

    -- 特定のクライアント接続のみ、innodb_buffer_pool_size を 128MB に設定
    SET SESSION innodb_buffer_pool_size = 128M;
    
    -- 現在設定されているセッション変数を確認
    SHOW SESSION VARIABLES LIKE 'innodb_buffer_pool_size';
    
    -- MariaDBサーバー全体で innodb_buffer_pool_size を 256MB に設定
    SET GLOBAL innodb_buffer_pool_size = 256M;
    
    -- グローバル変数の値を確認
    SHOW GLOBAL VARIABLES LIKE 'innodb_buffer_pool_size';
    

    確認

    上記の例を実行すると、以下の結果が得られます。

    -- セッション変数として設定した場合
    innodb_buffer_pool_size | 128M
    
    -- グローバル変数として設定した場合
    innodb_buffer_pool_size | 256M
    

    説明

    • セッション変数として innodb_buffer_pool_size を設定した場合、その設定は現在のクライアント接続のみに適用されます。他のクライアント接続やグローバル設定には影響しません。

    補足

    • セッション変数の変更は、セッションが終了するまで保持されます。
    • グローバル変数の変更は、MariaDBサーバーが再起動されるまで保持されます。

    注意事項

    • innodb_buffer_pool_size 変数の値を変更する場合は、MariaDBサーバーのパフォーマンスに影響を与える可能性があることに注意が必要です。変更を行う前に、十分な調査とテストを行うことをお勧めします。
    • SET GLOBAL 句を使用してグローバル変数を変更するには、SUPER権限を持つユーザーである必要があります。

    この例は、セッション変数とグローバル変数の基本的な違いを理解するのに役立ちます。実際の運用環境では、より複雑な設定が必要になる場合があります。




    セッション変数とグローバル変数のその他の違い

    監査ログへの記録

    • セッション変数の変更は、監査ログに記録されません。

    レプリケーション

    • セッション変数の変更は、レプリケーションスレーブにレプリケートされません。

    構成ファイル

    • セッション変数は、構成ファイルに保存されません。

    動的変数

    • セッション変数は、動的変数として扱われます。つまり、SET句を使用して実行時に変更することができます。
    • グローバル変数は、静的変数として扱われます。つまり、構成ファイルを変更するか、SET GLOBAL句を使用して明示的に変更する必要があります。

      本記事は、情報提供のみを目的としており、いかなる保証もありません。セッション変数とグローバル変数の使用に関する決定は、お客様の責任において行ってください。


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