MySQLとMariaDBでUNIONクエリとGROUP_CONCAT関数を使いこなす:詳細解説とサンプルコード

2024-06-15

MySQLとMariaDBにおけるUNIONクエリでのGROUP_CONCAT関数使用

MySQLとMariaDBでは、GROUP_CONCAT関数を使用して、UNIONクエリ内の結果セットを連結することができます。これは、複数の行のデータを1つの列にまとめる場合に役立ちます。

構文

SELECT GROUP_CONCAT(DISTINCT 列名 SEPARATOR 区切り文字)
FROM テーブル名
[WHERE 条件式]
[GROUP BY 列名]
[ORDER BY 列名]
[LIMIT 件数];

説明

  • GROUP_CONCAT: 複数の値を連結する関数です。
  • DISTINCT: 連結される値の重複を排除します。
  • SEPARATOR: 連結される値の間に入れる区切り文字を指定します。デフォルトはカンマ(,)です。
  • 列名: 連結する列を指定します。
  • テーブル名: 対象となるテーブルを指定します。
  • WHERE 条件式: 連結する行を絞り込む条件を指定します。
  • GROUP BY 列名: 結果セットをグループ化する列を指定します。
  • ORDER BY 列名: 連結される値の順序を指定します。
  • LIMIT 件数: 返す行数を制限します。

UNIONクエリとの組み合わせ

UNIONクエリとGROUP_CONCAT関数を組み合わせることで、複数のクエリ結果を連結することができます。

SELECT GROUP_CONCAT(DISTINCT 列名 SEPARATOR 区切り文字)
FROM (
  クエリ1
  UNION
  クエリ2
) AS 結果セット
[GROUP BY 列名]
[ORDER BY 列名]
[LIMIT 件数];

次の例では、customers テーブルと orders テーブルから顧客の名前と注文内容を連結し、1つの列にまとめた結果セットを出力します。

SELECT GROUP_CONCAT(DISTINCT c.name SEPARATOR ', ') AS customer_orders
FROM customers AS c
INNER JOIN orders AS o ON c.id = o.customer_id
GROUP BY c.id
ORDER BY c.name;

補足

  • MySQL 8.0以降では、GROUP_CONCAT関数の代わりにCONCAT_WS関数を使用することもできます。CONCAT_WS関数は、区切り文字を指定する引数を持つため、より柔軟な連結が可能です。
  • MariaDB 10.2以降では、GROUP_CONCAT関数の結果をJSON形式で取得することもできます。

    注意事項

    • 上記の情報は、MySQL 8.0とMariaDB 10.2を対象としています。古いバージョンでは、機能や構文が異なる場合があります。
    • 複雑なクエリを作成する場合は、パフォーマンスと結果の正確性を考慮する必要があります。



    MySQLとMariaDBにおけるUNIONクエリでのGROUP_CONCAT関数使用:サンプルコード

    テーブル構造

    CREATE TABLE customers (
      id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
      name VARCHAR(255) NOT NULL
    );
    
    CREATE TABLE orders (
      id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
      customer_id INT NOT NULL,
      product_name VARCHAR(255) NOT NULL,
      FOREIGN KEY (customer_id) REFERENCES customers(id)
    );
    

    データ

    INSERT INTO customers (name) VALUES
      ('Alice'),
      ('Bob'),
      ('Charlie');
    
    INSERT INTO orders (customer_id, product_name) VALUES
      (1, 'Book'),
      (1, 'Laptop'),
      (2, 'Mouse'),
      (3, 'Keyboard'),
      (3, 'Monitor');
    

    クエリ

    SELECT GROUP_CONCAT(DISTINCT c.name SEPARATOR ', ') AS customer_orders, o.product_name
    FROM customers AS c
    INNER JOIN orders AS o ON c.id = o.customer_id
    GROUP BY o.id
    ORDER BY c.name;
    

    出力

    customer_orders, product_name
    Alice, Book, Laptop
    Bob, Mouse
    Charlie, Keyboard, Monitor
    

    例2:部門ごとの従業員の名前と給与を連結

    CREATE TABLE employees (
      id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
      name VARCHAR(255) NOT NULL,
      department_id INT NOT NULL,
      salary DECIMAL(10,2) NOT NULL,
      FOREIGN KEY (department_id) REFERENCES departments(id)
    );
    
    CREATE TABLE departments (
      id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
      name VARCHAR(255) NOT NULL
    );
    
    INSERT INTO departments (name) VALUES
      ('Sales'),
      ('Marketing'),
      ('Development');
    
    INSERT INTO employees (name, department_id, salary) VALUES
      ('John Doe', 1, 50000.00),
      ('Jane Doe', 1, 45000.00),
      ('Peter Jones', 2, 40000.00),
      ('Mary Smith', 2, 35000.00),
      ('David Williams', 3, 60000.00),
      ('Susan Miller', 3, 55000.00);
    
    SELECT d.name AS department, GROUP_CONCAT(DISTINCT e.name SEPARATOR ', ') AS employee_names, GROUP_CONCAT(DISTINCT e.salary SEPARATOR ', ') AS salaries
    FROM employees AS e
    INNER JOIN departments AS d ON e.department_id = d.id
    GROUP BY d.id
    ORDER BY d.name;
    
    department, employee_names, salaries
    Sales, John Doe, Jane Doe, 50000.00, 45000.00
    Marketing, Peter Jones, Mary Smith, 40000.00, 35000.00
    Development, David Williams, Susan Miller, 60000.00, 55000.00
    

    これらの例は、GROUP_CONCAT関数とUNIONクエリを組み合わせることで、複雑なデータ分析を行うための強力なツールを提供することを示しています。

    • 上記の例は基本的な使用方法を示しています。実際の使用状況では、必要に応じてWHERE条件やORDER BY句を追加することができます。
    • GROUP_CONCAT関数は、結果セットが大きくなる可能性があるため、パフォーマンスに注意する必要があります。



    MySQLとMariaDBでは、UNIONクエリとGROUP_CONCAT関数以外にも、複数の行のデータを1つの列にまとめる方法はいくつかあります。状況に応じて適切な方法を選択することで、パフォーマンスや可読性を向上させることができます。

    代替方法

    • サブクエリ: サブクエリを使用して、複数の行のデータを1つの列にまとめることができます。この方法は、GROUP_CONCAT関数よりも柔軟性が高く、複雑な条件を処理することができます。
    SELECT id,
           (SELECT GROUP_CONCAT(DISTINCT name SEPARATOR ', ')
            FROM orders
            WHERE customer_id = id) AS customer_orders
    FROM customers;
    
    • ウィンドウ関数: MySQL 8.0以降では、ウィンドウ関数を使用して、現在の行とその周辺の行に基づいて値を処理することができます。この方法は、GROUP_CONCAT関数よりも効率的で、可読性も高い場合があります。
    SELECT id,
           WM_CONCAT(DISTINCT name SEPARATOR ', ') OVER (PARTITION BY id ORDER BY name) AS customer_orders
    FROM customers;
    
      SELECT c.id,
             GROUP_CONCAT(o.product_name SEPARATOR ', ') AS customer_orders
      FROM customers AS c
      INNER JOIN orders AS o ON c.id = o.customer_id
      GROUP BY c.id;
      

      選択の指針

      • データ量: データ量が多い場合は、サブクエリやウィンドウ関数よりも結合と集計の方が効率的です。
      • 複雑性: 複雑な条件を処理する場合は、サブクエリの方が柔軟性が高くなります。
      • 可読性: 可読性を重視する場合は、結合と集計の方が理解しやすい場合があります。
      • 上記以外にも、状況に応じて様々な方法があります。
      • 最新のMySQLとMariaDBのバージョンでは、新しい機能が追加されている可能性があります。

        mysql mariadb


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