IDENTITY_INSERT オプションを使用してSQL Server 2005で複数のレコードを挿入してID値を取得する方法
SQL Server 2005で複数のレコードを挿入し、自動生成されたID値を取得するには、いくつかの方法があります。
方法
- OUTPUT 句を使用する
INSERT INTO テーブル名 (列名1, 列名2, ...)
OUTPUT INSERTED.ID
VALUES (値1, 値2, ...), (値3, 値4, ...), ...;
この方法では、INSERTED
疑似テーブルを使用して、挿入されたレコードの値を取得できます。ID
列は、自動生成されたID値を含む特別な列です。
例
INSERT INTO 顧客 (名前, 年齢)
OUTPUT INSERTED.ID
VALUES ('山田太郎', 30), ('佐藤花子', 25);
この例では、顧客
テーブルに2つのレコードが挿入され、それぞれのID値が出力されます。
- SCOPE_IDENTITY() 関数を使用する
DECLARE @id INT;
INSERT INTO テーブル名 (列名1, 列名2, ...)
VALUES (値1, 値2, ...), (値3, 値4, ...), ...;
SET @id = SCOPE_IDENTITY();
SELECT @id;
この方法では、SCOPE_IDENTITY()
関数を使用して、現在のスコープ内で最後に挿入されたID値を取得できます。
DECLARE @id INT;
INSERT INTO 顧客 (名前, 年齢)
VALUES ('山田太郎', 30), ('佐藤花子', 25);
SET @id = SCOPE_IDENTITY();
SELECT @id;
- IDENTITY_INSERT オプションを使用する
SET IDENTITY_INSERT テーブル名 ON;
INSERT INTO テーブル名 (ID, 列名1, 列名2, ...)
VALUES (1, 値1, 値2, ...), (2, 値3, 値4, ...), ...;
SET IDENTITY_INSERT テーブル名 OFF;
この方法では、IDENTITY_INSERT
オプションを使用して、挿入するレコードのID値を明示的に指定できます。
SET IDENTITY_INSERT 顧客 ON;
INSERT INTO 顧客 (ID, 名前, 年齢)
VALUES (1, '山田太郎', 30), (2, '佐藤花子', 25);
SET IDENTITY_INSERT 顧客 OFF;
注意事項
OUTPUT
句を使用する方法は、SQL Server 2005以降で利用できます。IDENTITY_INSERT
オプションを使用する方法は、すべてのバージョンのSQL Serverで利用できますが、一般的には推奨されません。
OUTPUT 句を使用する
USE AdventureWorks2019;
GO
CREATE TABLE #Customers (
ID INT IDENTITY(1, 1) PRIMARY KEY,
FirstName VARCHAR(50) NOT NULL,
LastName VARCHAR(50) NOT NULL
);
GO
INSERT INTO #Customers (FirstName, LastName)
OUTPUT INSERTED.ID
VALUES ('山田', '太郎'), ('佐藤', '花子');
GO
SELECT * FROM #Customers;
GO
DROP TABLE #Customers;
SCOPE_IDENTITY() 関数を使用する
USE AdventureWorks2019;
GO
CREATE TABLE #Customers (
ID INT IDENTITY(1, 1) PRIMARY KEY,
FirstName VARCHAR(50) NOT NULL,
LastName VARCHAR(50) NOT NULL
);
GO
DECLARE @id INT;
INSERT INTO #Customers (FirstName, LastName)
VALUES ('山田', '太郎'), ('佐藤', '花子');
SET @id = SCOPE_IDENTITY();
SELECT @id;
GO
SELECT * FROM #Customers;
GO
DROP TABLE #Customers;
IDENTITY_INSERT オプションを使用する
USE AdventureWorks2019;
GO
CREATE TABLE #Customers (
ID INT IDENTITY(1, 1) PRIMARY KEY,
FirstName VARCHAR(50) NOT NULL,
LastName VARCHAR(50) NOT NULL
);
GO
SET IDENTITY_INSERT #Customers ON;
INSERT INTO #Customers (ID, FirstName, LastName)
VALUES (1, '山田', '太郎'), (2, '佐藤', '花子');
SET IDENTITY_INSERT #Customers OFF;
GO
SELECT * FROM #Customers;
GO
DROP TABLE #Customers;
注意: これらのサンプルコードは、SQL Server 2005で動作することを確認しています。他のバージョンのSQL Serverでは、動作が異なる場合があります。
他の方法
- ストアドプロシージャを使用する
ストアドプロシージャを使用して、複数のレコードを挿入し、ID値を取得することができます。ストアドプロシージャは、コードを再利用し、複雑な処理をカプセル化するために使用できます。
- トリガーを使用する
トリガーを使用して、レコードが挿入された後にID値を取得することができます。トリガーは、特定のイベントが発生したときに自動的に実行されるコードです。
- ADO.NETなどのデータアクセス技術を使用する
ADO.NETなどのデータアクセス技術を使用して、複数のレコードを挿入し、ID値を取得することができます。データアクセス技術は、データベースとの接続、データの操作、結果の取得などを簡単に行うことができます。
- 単純な処理の場合
OUTPUT
句、SCOPE_IDENTITY()
関数、IDENTITY_INSERT
オプションなどの簡単な方法を使用できます。
ストアドプロシージャやトリガーなどのより複雑な方法を使用する必要があります。
- データアクセス技術を使用する場合は
どの方法を選択する場合でも、パフォーマンスとセキュリティを考慮する必要があります。
- パフォーマンス
複数のレコードを挿入する場合は、パフォーマンスを考慮する必要があります。ストアドプロシージャやトリガーを使用すると、パフォーマンスが向上する場合があります。
- セキュリティ
ID値は、機密情報である場合があります。セキュリティを考慮して、ID値をどのように取得し、どのように使用するのかを検討する必要があります。
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