【SQL初心者でも安心】SQLite ATTACH でデータベースを結合する手順
SQLite ATTACH を使ったプログラミング
SQLite ATTACH は、複数の SQLite データベースファイルを単一の接続内で操作するための機能です。 これにより、複数のデータベースを結合してクエリを実行したり、データを共有したりすることが容易になります。
ATTACH DATABASE 構文
ATTACH DATABASE 'データベースファイル名' AS 'データベースエイリアス';
この構文は以下の処理を行います。
- 指定されたデータベースファイルを開き、現在の接続に関連付けます。
- データベースファイルに
データベースエイリアス
という名前のエイリアスを割り当てます。
例
ATTACH DATABASE 'customers.db' AS 'customers';
ATTACH DATABASE 'orders.db' AS 'orders';
この例では、customers.db
ファイルと orders.db
ファイルが現在の接続にそれぞれ customers
と orders
というエイリアスで関連付けられます。
テーブルへのアクセス
ATTACH されたデータベースのテーブルにアクセスするには、以下の構文を使用します。
SELECT * FROM 'データベースエイリアス'.'テーブル名';
SELECT * FROM customers.customers;
SELECT * FROM orders.orders;
この例では、customers
データベースの customers
テーブルと orders
データベースの orders
テーブルからすべてのデータが選択されます。
DETACH DATABASE 'データベースエイリアス';
DETACH DATABASE customers;
DETACH DATABASE orders;
この例では、customers
と orders
データベースが現在の接続から切り離されます。
注意事項
- ATTACH されたデータベースは、元のファイルと同じ場所に保存されます。
- 同じ名前のエイリアスを持つデータベースを複数 ATTACHすることはできません。
- ATTACH されたデータベースは、現在の接続が閉じられるまで開かれたままになります。
応用例
- データベースの特定の部分のみをクエリする場合
- 大規模なデータベースを複数のファイルに分割する場合
- 複数のアプリケーション間でデータを共有する場合
まず、2 つのデータベースファイルを作成し、それぞれ顧客と注文に関するデータを入力します。
-- customers.db
CREATE TABLE customers (
customer_id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
name TEXT NOT NULL,
email TEXT UNIQUE NOT NULL
);
INSERT INTO customers (name, email) VALUES
('John Doe', '[email protected]'),
('Jane Doe', '[email protected]'),
('Peter Jones', '[email protected]');
-- orders.db
CREATE TABLE orders (
order_id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
customer_id INTEGER NOT NULL,
product_id INTEGER NOT NULL,
quantity INTEGER NOT NULL,
FOREIGN KEY (customer_id) REFERENCES customers(customer_id)
);
INSERT INTO orders (customer_id, product_id, quantity) VALUES
(1, 1, 2),
(1, 2, 1),
(2, 3, 3),
(3, 1, 4);
次に、customers.db
と orders.db
を ATTACH し、結合されたデータを取得します。
-- main.db
ATTACH DATABASE 'customers.db' AS customers;
ATTACH DATABASE 'orders.db' AS orders;
SELECT c.name, o.product_id, o.quantity
FROM customers AS c
JOIN orders AS o ON c.customer_id = o.customer_id;
このクエリは、customers
テーブルの name
列、orders
テーブルの product_id
列、orders
テーブルの quantity
列を結合して表示します。
出力
John Doe, 1, 2
John Doe, 2, 1
Jane Doe, 3, 3
Peter Jones, 1, 4
最後に、ATTACH されたデータベースを切断します。
DETACH DATABASE customers;
DETACH DATABASE orders;
- 詳細については、SQLite のドキュメントを参照してください。
- 他のプログラミング言語でも、同様の操作を行うことができます。
SQLite ATTACH の代替方法
UNION オペレータ
UNION オペレータを使用して、複数の SELECT クエリの結果を結合することができます。 ただし、UNION オペレータは列の構造が一致する必要があるため、すべてのデータベースファイルが同じスキーマを持っている必要があります。
SELECT * FROM customers
UNION
SELECT * FROM orders;
CREATE TABLE AS SELECT 構文
CREATE TABLE AS SELECT 構文を使用して、新しいテーブルに既存のクエリ結果を格納することができます。 この方法は、一時的な結合結果を保存する場合に役立ちます。
CREATE TABLE combined_data AS
SELECT c.name, o.product_id, o.quantity
FROM customers AS c
JOIN orders AS o ON c.customer_id = o.customer_id;
外部テーブル
外部テーブル機能を使用して、別のデータベースからテーブルにアクセスすることができます。 この方法は、頻繁にアクセスしないデータや、別のデータベースシステムで管理されているデータにアクセスする場合に役立ちます。
CREATE EXTERNAL TABLE orders
STORED AS TABLE 'orders.db'
LOCATION (path 'orders.db')
AS SELECT * FROM orders;
SELECT c.name, o.product_id, o.quantity
FROM customers AS c
JOIN orders AS o ON c.customer_id = o.order_id;
インメモリデータベース
インメモリデータベースを使用して、データを一時的に保持することができます。 この方法は、パフォーマンスが重要な場合や、大量のデータを処理する場合に役立ちます。
CREATE TEMPORARY TABLE combined_data (
name TEXT,
product_id INTEGER,
quantity INTEGER
);
INSERT INTO combined_data
SELECT c.name, o.product_id, o.quantity
FROM customers AS c
JOIN orders AS o ON c.customer_id = o.customer_id;
SELECT * FROM combined_data;
最適な方法の選択
最適な方法は、具体的なニーズによって異なります。
- パフォーマンスが重要な場合は、インメモリデータベースが最良の選択肢です。
- データベースファイルが大きく、頻繁にアクセスしない場合は、外部テーブルが最良の選択肢です。
- データベースファイルが小さく、頻繁にアクセスする場合は、SQLite ATTACH が最良の選択肢です。
- データベースのセキュリティが重要な場合は、外部テーブルを使用すると、別のデータベースシステムのセキュリティポリシーによってデータが保護されます。
- データベースのスキーマが頻繁に変更される場合は、UNION オペレータや CREATE TABLE AS SELECT 構文を使用する方が柔軟性が高くなります。
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