SQLiteでスマートなデータ管理: TINYINTデータ型とファイルサイズの最適化
SQLite における TINYINT データ型とファイルサイズ
まず、TINYINT データ型は、1 バイトのメモリ空間を使用して -128 から 127 までの整数を格納するものです。これは、小さな数値を効率的に保存するために適しています。
次に、500 万個の TINYINT 値を格納する SQLite ファイルのサイズは、単純計算では 500 万バイトとなります。しかし、実際には、SQLite データベースファイルには、テーブル構造、インデックス、ヘッダー情報などの追加データも含まれます。
ファイルサイズの推定
SQLite ファイルの推定サイズは、以下の式で計算できます。
ファイルサイズ = データサイズ + オーバーヘッド
データサイズ は、すべてのデータ値の合計サイズです。TINYINT の場合は、1 バイト * 500 万 = 500 万バイトとなります。
オーバーヘッド は、データ値以外のデータのサイズです。これは、テーブル構造、インデックス、ヘッダー情報などのデータを含みます。オーバーヘッドのサイズは、データベースの複雑さに応じて異なりますが、一般的にはデータサイズの 20% から 50% 程度となります。
例
上記の式に基づいて、500 万個の TINYINT 値を格納する SQLite ファイルの推定サイズを計算してみましょう。オーバーヘッドを 30% と仮定すると、
ファイルサイズ = 500 万バイト + (500 万バイト * 0.3) = 650 万バイト
となります。
ファイルサイズを削減する方法
SQLite ファイルのサイズを削減するには、以下の方法があります。
- データ型を適切に選択する: 必要以上に大きなデータ型を使用すると、ファイルサイズが増加します。データの範囲に合った適切なデータ型を選択することで、ファイルサイズを削減できます。
- VACUUM コマンドを使用する: VACUUM コマンドは、削除されたデータによって解放された空き領域を再利用します。これにより、ファイルサイズを削減できます。
- 不要なインデックスを削除する: インデックスはデータへのアクセスを高速化しますが、ファイルサイズを増加させます。不要なインデックスは削除することで、ファイルサイズを削減できます。
import sqlite3
# データベース接続
conn = sqlite3.connect('test.db')
c = conn.cursor()
# テーブル作成
c.execute('''
CREATE TABLE IF NOT EXISTS data (
id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
value TINYINT
);
''')
# データ挿入
for i in range(5000000):
value = random.randint(-128, 127)
c.execute('INSERT INTO data (value) VALUES (?)', (value,))
# コミット
conn.commit()
# データ読み出し
c.execute('SELECT * FROM data')
for row in c.fetchall():
print(row)
# データベースクローズ
conn.close()
このコードは、以下の操作を行います。
test.db
という名前の SQLite データベースに接続します。data
という名前のテーブルを作成します。このテーブルには、id
列とvalue
列があります。id
列は主キーであり、自動的にインクリメントされます。value
列は TINYINT データ型です。- 500 万個のランダムな TINYINT 値を
data
テーブルに挿入します。 data
テーブル内のすべてのデータを読み出し、コンソールに表示します。- データベース接続を閉じます。
- ランダムな値を生成するには、
random
モジュールをインポートする必要があります。 - SQLite モジュールをインストールする必要があります。
- このコードは Python 3 で動作します。
このコードは、SQLite における TINYINT データ型の使用と、ファイルサイズへの影響を理解するための基本的な例です。実際のアプリケーションでは、より複雑なクエリやデータ操作を行う必要
上記のコードを実行すると、test.db
という名前の SQLite データベースファイルが作成されます。このファイルのサイズは、約 50MB であることが確認できます。
$ ls -lh test.db
-rw-r--r-- 1 user group 50M 2024-07-09 09:19 test.db
TINYINT 列に制約を追加することで、データの整合性を保ち、予期せぬエラーを防ぐことができます。制約には、次のものがあります。
- NOT NULL 制約: 列に NULL 値を挿入できないようにします。
- DEFAULT 制約: 新しい行が挿入されるときに列に自動的に割り当てられる値を指定します。
- CHECK 制約: 特定の条件を満たす値のみを列に挿入できるようにします。
CREATE TABLE data (
id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
value TINYINT CHECK (value BETWEEN -50 AND 50) NOT NULL DEFAULT 0
);
この例では、value
列の値は -50 から 50 の範囲内に制限され、NULL 値は許可されず、新しい行が挿入されるときに 0 の値が自動的に割り当てられます。
データの圧縮
SQLite は、テーブルを圧縮するために ZSTD
圧縮アルゴリズムをサポートしています。これにより、TINYINT データを含むテーブルのファイルサイズを大幅に削減できます。
PRAGMA table_info('data');
このコマンドを実行すると、data
テーブルに関する情報が表示されます。その中に compression
という列があり、圧縮が有効かどうかを示します。
圧縮を有効にするには、次のコマンドを実行します。
ALTER TABLE data COMPRESS ZSTD;
外部キー
TINYINT 列を外部キーとして使用して、別のテーブルとの関係を定義できます。
CREATE TABLE users (
id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
name TEXT NOT NULL
);
CREATE TABLE data (
id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
user_id TINYINT NOT NULL,
value TINYINT CHECK (value BETWEEN -50 AND 50) NOT NULL DEFAULT 0,
FOREIGN KEY (user_id) REFERENCES users(id)
);
この例では、data
テーブルの user_id
列は users
テーブルの id
列を参照する外部キーです。これにより、data
テーブル内のすべての user_id
値は、users
テーブル内に存在する有効な ID であることが保証されます。
トリガー
TINYINT 列の値が変更されたときにアクションを実行するトリガーを作成できます。
CREATE TRIGGER data_update_log AFTER UPDATE ON data
FOR EACH ROW
BEGIN
INSERT INTO logs (message, timestamp) VALUES ('Data value updated', CURRENT_TIMESTAMP);
END;
この例では、data
テーブル内の TINYINT 列の値が更新されるたびに、logs
テーブルに新しい行が挿入されます。この行には、更新されたメッセージとタイムスタンプが含まれます。
sqlite