マイクロサービス開発におけるパフォーマンスの最適化:共有データベースと複数ORMのヒント

2024-07-27

マイクロサービスアーキテクチャにおける共有データベースと複数ORMの使用

共有データベースの利点

  • 開発の簡素化: すべてのサービスが同じデータベーススキーマを使用している場合、開発とメンテナンスが簡素化されます。
  • コスト削減: 複数のデータベースを管理するよりも、単一のデータベースを管理する方がコストが安くなる場合があります。
  • データの整合性: すべてのサービスが単一のデータソースにアクセスすることで、データの整合性を容易に保つことができます。
  • 複雑性: 複数のサービスが同じデータベースにアクセスしている場合、データベーススキーマの設計と管理が複雑になる可能性があります。
  • スケーラビリティ: データベースが単一の障害点となり、すべてのサービスに影響を与える可能性があります。
  • 密結合: 共有データベースを使用すると、サービス間で密結合が発生する可能性があります。 1つのサービスが変更されると、他のサービスにも影響を与える可能性があります。

複数ORMの使用

複数のORMを使用すると、各サービスが特定のデータベース機能に最適化されたORMを選択できるという利点があります。

しかし、複数のORMを使用すると、以下の課題が発生する可能性があります。

  • 不整合性: 異なるORMを使用すると、データの不整合が発生する可能性があります。
  • 複雑性: 複数のORMを管理することは、より複雑になる可能性があります。

考察

一般的に、マイクロサービスアーキテクチャでは、サービスごとに個別のデータベースを使用することを推奨しています。

しかし、一部の状況では、共有データベースを使用することが適切な場合があります。

例えば、データの整合性が非常に重要で、サービス間の密結合が許容される場合などです。

複数ORMを使用する場合は、慎重に検討し、潜在的な課題を認識する必要があります。

決定を下すためのヒント

  • 開発とメンテナンスの容易さを考慮します。
  • スケーラビリティとパフォーマンスの要件を検討します。
  • サービス間の結合度を評価します。
  • 各サービスのデータ要件を分析します。



このサービスは、顧客の注文を管理します。

Order エンティティは、注文に関する情報を格納します。

from sqlalchemy import create_engine
from sqlalchemy.orm import sessionmaker

engine = create_engine("postgresql://user:password@host:port/database")
Session = sessionmaker(bind=engine)

class Order(Base):
    __tablename__ = "orders"

    id = Column(Integer, primary_key=True)
    customer_id = Column(Integer, ForeignKey("customers.id"))
    product_id = Column(Integer, ForeignKey("products.id"))
    quantity = Column(Integer)

    def __init__(self, customer_id, product_id, quantity):
        self.customer_id = customer_id
        self.product_id = product_id
        self.quantity = quantity

def create_order(customer_id, product_id, quantity):
    session = Session()
    order = Order(customer_id, product_id, quantity)
    session.add(order)
    session.commit()
    session.close()

def get_order(order_id):
    session = Session()
    order = session.query(Order).filter(Order.id == order_id).first()
    session.close()
    return order

サービス2:顧客

from sqlalchemy import create_engine
from sqlalchemy.orm import sessionmaker

engine = create_engine("postgresql://user:password@host:port/database")
Session = sessionmaker(bind=engine)

class Customer(Base):
    __tablename__ = "customers"

    id = Column(Integer, primary_key=True)
    name = Column(String(255))
    email = Column(String(255))

    def __init__(self, name, email):
        self.name = name
        self.email = email

def create_customer(name, email):
    session = Session()
    customer = Customer(name, email)
    session.add(customer)
    session.commit()
    session.close()

def get_customer(customer_id):
    session = Session()
    customer = session.query(Customer).filter(Customer.id == customer_id).first()
    session.close()
    return customer

この例はあくまでも概念的なものであり、実際のアプリケーションではより複雑なコードが必要になる場合があります。

考慮事項

  • 分散トランザクションまたは Saga パターンなどのテクニックを使用する必要がある場合があります。
  • トランザクション管理は、複数のサービスが同じデータベースにアクセスしている場合、複雑になる可能性があります。
  • 異なるサービスで異なるスキーマが必要な場合は、データベースを分割するか、データ変換ロジックを実装する必要があります。
  • 上記の例では、2つのサービスが同じデータベーススキーマを使用しています。

マイクロサービスアーキテクチャにおける共有データベースと複数ORMの使用は、慎重に検討する必要があります。




これは最も一般的なMSAパターンであり、各サービスが独自のデータベースを所有および管理します。

このアプローチの利点は、以下の通りです。

  • 障害の影響範囲: 1つのサービスが障害を起こしても、他のサービスに影響を与える可能性が低くなります。
  • 独立性: 各サービスは、独自のデータベーステクノロジーを選択して、独自のニーズに合わせることができます。
  • 疎結合性: サービス間で密結合が少なくなり、スケーリングと変更が容易になります。

ただし、このアプローチには、以下の課題もあります。

  • イベント駆動アーキテクチャ: サービス間でデータの変更を伝達するには、イベント駆動アーキテクチャが必要になります。
  • 冗長性: 同じデータを複数のデータベースに複製する必要がある場合があり、ストレージとメンテナンスのコストがかかります。
  • データの整合性: 複数のサービス間でデータを整合させる必要がある場合は、複雑になる可能性があります。

CQRSパターン

CQRS(Command Query Responsibility Segregation)パターンは、読み取りと書き込み操作を別々のサブシステムに分割するアーキテクチャパターンです。

このパターンでは、通常、以下のような2つのデータベースを使用します。

  • 読み取りデータベース: レポートや分析に使用される、書き込みデータベースの複製
  • 書き込みデータベース: トランザクション操作に使用される主データベース

CQRSパターンの利点は、以下の通りです。

  • 複雑性の低減: 読み取りと書き込みのロジックを別々にすることで、コードが簡潔になります。
  • パフォーマンス: 読み取り操作は、書き込み操作の影響を受けずに高速化できます。
  • スケーラビリティ: 読み取りと書き込みのワークロードを別々にスケーリングできます。
  • データの整合性: 読み取りデータベースと書き込みデータベースの間でデータを整合させる必要がある場合は、複雑になる可能性があります。
  • 複雑性: 実装と運用が複雑になる可能性があります。

サガパターン

サガパターンは、分散トランザクションを実装するための分散トランザクション処理パターンです。

このパターンでは、単一のトランザクションとして実行される一連のローカル操作として、大きなトランザクションを分割します。

  • イベント駆動アーキテクチャ: サービス間でデータの変更を伝達するのに適しています。
  • 障害の影響範囲: 1つの操作が失敗しても、全体的なトランザクションをロールバックできます。
  • 柔軟性: 複雑な分散トランザクションをモデル化できます。
  • 補償: 失敗した操作を補償するロジックを実装する必要がある場合があります。
  • デバッグ: 分散トランザクションのデバッグが難しい場合があります。

APIゲートウェイ

APIゲートウェイは、複数のマイクロサービスからのAPIリクエストを単一のインターフェースに統合するアーキテクチャコンポーネントです。

APIゲートウェイは、データベースへのアクセスを管理するためにも使用できます。

APIゲートウェイを使用する利点は、以下の通りです。

  • ルーティング: リクエストを適切なマイクロサービスにルーティングできます。
  • 監視: APIトラフィックを監視できます。
  • セキュリティ: 集中型の認証と認可を提供できます。
  • 単一障害点: APIゲートウェイが障害を起こすと、すべてのマイクロサービスに影響を与える可能性があります。
  • パフォーマンス: 多くのマイクロサービスにまたがるリクエストの場合は、パフォーマンスのボトルネックになる可能性があります。

最適な方法は、具体的な状況と要件によって異なります。

決定を下す際には、利点と課題を慎重に比較検討する必要があります。

上記以外にも、以下のような選択肢もあります。

  • Database sharding: データを複数のデータベース
  • Eventual consistency: データの整合性を直ちに保証するのではなく、最終的に整合させる
  • Polyglot persistence: 異なるサービスに異なるデータベーステクノロジーを使用する

database database-design orm



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