Oracle:SQLで「田中さん」も「たなかさん」もヒット!?大文字小文字を区別しない検索のやり方
Oracleにおける大文字小文字を区別しない検索
Oracleデータベースでは、デフォルトで大文字小文字を区別する照合順序が使用されます。つまり、検索条件と一致するデータは、大文字と小文字が完全に一致する必要があります。しかし、多くの場合、検索対象のデータのスペルミスや大文字小文字の誤りによる検索結果の漏れを防ぐために、大文字小文字を区別しない検索が必要となります。
Oracleでは、主に以下の3つの方法で、大文字小文字を区別しない検索を実行できます。
LOWER関数とLIKE句の組み合わせ
SELECT *
FROM customers
WHERE LOWER(customer_name) LIKE '%tanaka%'
この例では、customer_name
カラム内のすべての値を小文字に変換し、%tanaka%
というパターンと比較しています。これにより、"Tanaka"、"tanaka"、"TANAKA" など、大小さまざまな表記で "tanaka" を含むすべての顧客レコードが検索されます。
REGEXP_LIKE関数
SELECT *
FROM customers
WHERE REGEXP_LIKE(customer_name, 'tanaka', 'i')
この例では、REGEXP_LIKE
関数を使用して、customer_name
カラム内の値を正規表現パターン tanaka
(大文字小文字を区別しない) と比較しています。
NLS_SORTパラメータの設定
セッションレベルでNLS_SORT
パラメータをBINARY_CI
に設定することで、データベース全体でデフォルトで大文字小文字を区別しない照合順序を使用することができます。
ALTER SESSION SET NLS_SORT = 'BINARY_CI';
この設定は、セッションが終了するまで有効です。恒久的に設定するには、init.ora
または spfile.ora
ファイルを変更する必要があります。
注意事項
- 上記の方法でいずれも、インデックスが利用されない可能性があります。そのため、性能が低下する可能性があることに注意が必要です。
- 大文字小文字を区別しない検索を使用する場合は、検索結果の精度が低下する可能性があることに注意する必要があります。
- 特定の列に対してのみ大文字小文字を区別しない検索を有効にしたい場合は、その列の照合順序を変更する必要があります。
上記以外にも、Oracleには大文字小文字を区別しない検索を実行するための様々な方法があります。具体的な方法は、使用する Oracle のバージョンやデータの特性によって異なります。詳細については、Oracle のドキュメントを参照することをお勧めします。
Oracleにおける大文字小文字を区別しない検索:サンプルコード
以下のサンプルコードは、3つの方法でOracleデータベースで大文字小文字を区別しない検索を実行する方法を示しています。
LOWER関数とLIKE句の組み合わせ
-- customersテーブルにcustomer_nameというカラムがあると仮定する
-- 田中さん(Tanaka, tanaka, TANAKAなど)を含むすべての顧客レコードを取得する
SELECT *
FROM customers
WHERE LOWER(customer_name) LIKE '%tanaka%';
説明:
LOWER
関数は、引数として渡された文字列をすべて小文字に変換します。LIKE
句は、パターンマッチングに使用されます。%
記号は、ワイルドカードとして使用され、1文字以上の任意の文字列に一致することを意味します。
REGEXP_LIKE関数
-- customersテーブルにcustomer_nameというカラムがあると仮定する
-- 田中さん(Tanaka, tanaka, TANAKAなど)を含むすべての顧客レコードを取得する
SELECT *
FROM customers
WHERE REGEXP_LIKE(customer_name, 'tanaka', 'i');
REGEXP_LIKE
関数は、正規表現パターンと文字列を比較します。- 正規表現パターン
tanaka
は、大文字小文字を区別しないことを示すi
フラグ付きで指定されています。
NLS_SORTパラメータの設定
-- セッション全体でデフォルトで大文字小文字を区別しない照合順序を使用する
ALTER SESSION SET NLS_SORT = 'BINARY_CI';
-- customersテーブルにcustomer_nameというカラムがあると仮定する
-- 田中さん(Tanaka, tanaka, TANAKAなど)を含むすべての顧客レコードを取得する
SELECT *
FROM customers;
- この設定は、セッションが終了するまで有効です。
- 上記の
SELECT
クエリは、NLS_SORT
パラメータが設定されているため、大文字小文字を区別せずに検索を実行します。
留意点
- 上記のサンプルコードは、あくまでも例であり、状況に応じて適宜変更する必要があります。
Oracleにおける大文字小文字を区別しない検索:その他の方法
上記で紹介した3つの方法以外にも、Oracleデータベースで大文字小文字を区別しない検索を実行するための方法はいくつかあります。
SELECT *
FROM customers
WHERE UPPER(customer_name) LIKE '%TANAKA%';
SOUNDEX関数
SELECT *
FROM customers
WHERE SOUNDEX(customer_name) = SOUNDEX('tanaka');
この例では、SOUNDEX
関数を使用して、customer_name
カラム内の値と 'tanaka'
の発音を比較しています。SOUNDEX関数は、発音に基づいて文字列を比較するアルゴリズムです。これにより、スペルミスや誤変換があっても、発音が似ている顧客レコードを見つけることができます。
TRANSLATE関数
SELECT *
FROM customers
WHERE TRANSLATE(customer_name, 'abcdefghijklmnopqrstuvwxyz', 'ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ') LIKE '%TANAKA%';
この例では、TRANSLATE
関数を使用して、customer_name
カラム内のすべての小文字を大文字に変換し、%TANAKA%
というパターンと比較しています。TRANSLATE関数は、文字列内の特定の文字を別の文字に置換するのに使用できます。
USER_DB_DIRECTORYビュー
SELECT *
FROM customers
WHERE customer_name IN (
SELECT name
FROM USER_DB_DIRECTORY
WHERE UPPER(name) LIKE '%TANAKA%'
);
この例では、USER_DB_DIRECTORY
ビューを使用して、customer_name
カラム内の値と %TANAKA%
というパターンが一致するすべてのデータベースオブジェクトの名前を検索しています。USER_DB_DIRECTORYビューには、データベース内のすべてのオブジェクトに関する情報が含まれています。
カスタム関数
大文字小文字を区別しない検索を実行するためのカスタム関数を作成することもできます。カスタム関数は、特定の要件を満たすためにカスタマイズされたロジックを実装するのに役立ちます。
- シンプルな検索 の場合は、
LOWER関数とLIKE句の組み合わせ
またはUPPER関数とLIKE句の組み合わせ
が最も簡単で効率的な方法です。 - スペルミスや誤変換 を考慮する必要がある場合は、
SOUNDEX関数
を使用するのが有効です。 - 特定の文字 を大文字または小文字に変換する必要がある場合は、
TRANSLATE関数
を使用するのが有効です。 - データベース内のすべてのオブジェクト を検索する必要がある場合は、
USER_DB_DIRECTORYビュー
を使用するのが有効です。 - 特定の要件 を満たす必要がある場合は、
カスタム関数
を作成するのが有効です。
Oracleデータベースには、大文字小文字を区別しない検索を実行するための様々な方法があります。どの方法を選択するかは、状況によって異なります。上記で紹介した方法を参考に、最適な方法を選択してください。
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