SQLite で制約違反時にエラーを発生させる方法:ON CONFLICT 句と代替方法

2024-07-27

SQLite の ON CONFLICT 句:列定義での動作

列定義での ON CONFLICT 句の構文は以下の通りです。

列名 [DATATYPE] [CONSTRAINT] [ON CONFLICT [CLAUSE]]

例:

CREATE TABLE users (
  id INTEGER PRIMARY KEY,
  username TEXT UNIQUE ON CONFLICT IGNORE,
  email TEXT UNIQUE ON CONFLICT REPLACE
);

この例では、username 列と email 列にそれぞれ UNIQUE 制約を定義し、ON CONFLICT 句を使用して制約違反時の動作を指定しています。

  • email 列:
  • username 列:

ON CONFLICT 句で使用できるオプションは以下の通りです。

  • ABORT: エラーを発生させて処理を中止し、既存の変更を破棄します。
  • FAIL: エラーを発生させて処理を中止します。
  • ROLLBACK: トランザクション全体をロールバックします。
  • REPLACE: 既存の値を新しい値で置き換えます。
  • IGNORE: 制約違反を無視し、挿入または更新を続行します。

列定義での ON CONFLICT 句の使用例

  • 制約違反時にエラーを発生させる場合:

    CREATE TABLE orders (
      id INTEGER PRIMARY KEY,
      customer_id INTEGER REFERENCES customers(id) ON CONFLICT FAIL
    );
    
  • 既存のデータを更新する場合:

    CREATE TABLE customers (
      id INTEGER PRIMARY KEY,
      email TEXT UNIQUE ON CONFLICT REPLACE
    );
    

注意事項

  • 複数の ON CONFLICT 句を同じ列に定義することはできません。
  • ON CONFLICT 句は、列定義でのみ使用できます。ステートメントレベルでの使用はできません。
  • ON CONFLICT 句は、INSERT または UPDATE 操作でのみ使用できます。



CREATE TABLE products (
  id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
  name TEXT UNIQUE ON CONFLICT IGNORE,
  price REAL
);

コードの説明:

  • price REAL: price 列を浮動小数点型として定義し、製品の価格を格納します。
  • name TEXT UNIQUE ON CONFLICT IGNORE: name 列をテキスト型として定義し、重複を許可しないように UNIQUE 制約を設定します。ON CONFLICT IGNORE 句を使用することで、同じ名前の製品を挿入しようとすると、挿入を無視するようにします。
  • id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT: id 列を主キーとして定義し、自動的にインクリメントされる整数値を格納します。
  • CREATE TABLE products: 新しいテーブル products を作成します。

例:

INSERT INTO products (name, price) VALUES ('T-shirt', 19.99);
INSERT INTO products (name, price) VALUES ('T-shirt', 15.99);

このコードを実行すると、最初の INSERT ステートメントは成功しますが、2番目の INSERT ステートメントは無視されます。products テーブルには、id 1 の T-shirt 製品のみが記録されます。

既存のデータを更新する

この例では、customers テーブルに email 列と phone_number 列を定義し、email 列に UNIQUE 制約を設定します。ON CONFLICT REPLACE 句を使用することで、同じメールアドレスを持つ顧客が存在する場合、既存の顧客情報を新しい情報で置き換えするようにします。

CREATE TABLE customers (
  id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
  email TEXT UNIQUE ON CONFLICT REPLACE,
  phone_number TEXT
);
  • phone_number TEXT: phone_number 列をテキスト型として定義し、顧客の電話番号を格納します。
  • email TEXT UNIQUE ON CONFLICT REPLACE: email 列をテキスト型として定義し、重複を許可しないように UNIQUE 制約を設定します。ON CONFLICT REPLACE 句を使用することで、同じメールアドレスを持つ顧客が存在する場合、既存の顧客情報を新しい情報で置き換えするようにします。
  • CREATE TABLE customers: 新しいテーブル customers を作成します。
INSERT INTO customers (email, phone_number) VALUES ('[email protected]', '555-1212');
INSERT INTO customers (email, phone_number) VALUES ('[email protected]', '777-3333');

このコードを実行すると、最初の INSERT ステートメントは成功しますが、2番目の INSERT ステートメントは既存の email アドレスを持つ顧客情報を新しい情報で置き換えます。customers テーブルには、id 1 の [email protected] 顧客のみが記録され、電話番号は 777-3333 に更新されます。

制約違反時にエラーを発生させる

この例では、orders テーブルに customer_id 列を定義し、customers テーブルの id 列を参照する外部キー制約を設定します。ON CONFLICT FAIL 句を使用することで、無効な顧客 ID を持つ注文を挿入しようとすると、エラーを発生させます。

CREATE TABLE orders (
  id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
  customer_id INTEGER REFERENCES customers(id) ON CONFLICT FAIL
);
  • customer_id INTEGER REFERENCES customers(id) ON CONFLICT FAIL: customer_id 列を整数型として定義し、customers テーブルの id 列を参照する外部キー制約を設定



SQLite における ON CONFLICT 句の代替方法

EXCEPT clause を使用する

EXCEPT clause は、2つのクエリ結果の差集合を返すクエリ演算子です。この機能を活用することで、重複するレコードを挿入しようとした場合に、既存のレコードのみを取得することができます。

INSERT INTO products (name, price)
SELECT name, price
FROM new_products
EXCEPT
SELECT name, price
FROM products;
  • WHERE: 上記2つのクエリ結果の差集合を取得します。
  • EXCEPT SELECT name, price FROM products: products テーブルから nameprice 列の値を選択します。
  • INSERT INTO products (name, price): products テーブルに新しいレコードを挿入します。

INSERT ... OR IGNORE を使用する

INSERT ... OR IGNORE ステートメントは、制約違反が発生した場合にエラーを発生させずに処理を続行します。このステートメントは、ON CONFLICT IGNORE 句と同様の効果を持つため、古いバージョンの SQLite を使用している場合に代替手段として使用できます。

INSERT OR IGNORE INTO products (name, price) VALUES ('T-shirt', 19.99);
INSERT OR REPLACE INTO customers (email, phone_number) VALUES ('[email protected]', '777-3333');

それぞれの方法の比較

方法説明利点欠点
ON CONFLICT列定義で制約違反の処理を指定わかりやすい、柔軟性が高いSQLite 3.8.2 以降でのみ使用可能
EXCEPT clause重複レコードの挿入を回避シンプル複雑なクエリになるとわかりにくい
INSERT ... OR IGNORE制約違反を無視して処理を続行古いバージョンの SQLite で使用可能エラー処理が困難
INSERT ... OR REPLACE制約違反が発生した場合に既存の値を置き換え古いバージョンの SQLite で使用可能既存のデータが意図せず書き換えられる可能性がある

sqlite



意外と知らないSQLiteの制限:データ量・アクセス数・複雑なクエリへの対応策

スケーラビリティ とは、システムが負荷増加に対応できる能力を指します。SQLite のスケーラビリティには、いくつかの制限があります。データ量の制限SQLite は、单个ファイルにデータベースを保存する設計になっています。そのため、データ量が大きくなると、ファイルサイズも大きくなり、パフォーマンスが低下します。一般的な目安としては、1つのデータベースファイルは 1GB 以下に抑えることが推奨されています。...


VistaDB の使用方法:サンプルコード、Visual Studio データツール、Entity Framework、LINQ

軽量で高速VistaDB は非常に軽量なデータベースエンジンであり、フットプリントが小さいため、メモリとディスク容量の少ないデバイスに最適です。また、非常に高速なパフォーマンスを提供し、多くの場合、他のデータベースよりも高速にクエリを実行できます。...


データベース機能を備えたWPFアプリケーション開発:SQLite、SQL CE、その他?

SQLite は軽量でオープンソースのデータベースエンジンです。ファイルベースのデータベースなので、サーバーのインストールや設定が不要で、手軽に利用できます。また、C# などの . NET Framework 言語から簡単にアクセスできるため、WPF アプリケーションとの相性も抜群です。...


C++プログラムにデータをSQLiteデータベースとして埋め込む

リソースファイルとしてデータを埋め込む方法は、プログラムの実行ファイルにデータを直接埋め込む方法です。メリット:データの暗号化など、セキュリティ対策が容易実行ファイルが単一ファイルになるため、配布が容易データの更新が難しい実行ファイルのサイズが大きくなる...


SQLite3 データ ダンプ 方法

SQLite3 データベースから特定のテーブルのデータをダンプする方法について、SQL、データベース、SQLiteの観点から説明します。SQLite3コマンドラインツールを使用して、SQL文でダンプを行うことができます。your_table_name: ダンプしたいテーブル名です。...



SQL SQL SQL Amazon で見る



.NET Framework と SQLite を使用して XSD データセットに基づいて SQLite データベースを作成する方法

このチュートリアルを完了するには、次のものが必要です。SQLite ADO. NET プロバイダ.NET Framework 4.7 以降Visual Studio 2019 以降Visual Studio で新しい C# コンソール アプリケーション プロジェクトを作成します。


ActionScript 3 で SQLite データベースを操作する際のベストプラクティス

Apache Flex SDKActionScript 3 の開発環境プロジェクトの作成プロジェクトの作成SQLite ライブラリの追加 ダウンロードした SQLite ライブラリをプロジェクトに追加します。SQLite ライブラリの追加ダウンロードした SQLite ライブラリをプロジェクトに追加します。


SQLite3からMySQLへ移行する

移行: 既存のデータベース(SQLite3)のデータを新しいデータベース(MySQL)に移すプロセス。MySQL: 汎用的なリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)。大規模なアプリケーションやWebサイトで使用されます。SQLite3: 小型で軽量なデータベース。単一ファイルとして存在し、アプリケーションに組み込むことができます。


初心者でも安心!C#でSQLiteデータベースを操作するチュートリアル

ADO. NETは、.NET Frameworkに含まれるデータアクセス技術です。SQLite用のADO. NETプロバイダであるSystem. Data. SQLiteを使用することで、C#からSQLiteデータベースに接続してクエリを実行することができます。


JavaとSQLiteの連携

Javaは、オブジェクト指向プログラミング言語であり、プラットフォームに依存しないことが特徴です。つまり、一度書いたJavaプログラムは、異なるオペレーティングシステムやデバイスでも実行することができます。Javaは、Webアプリケーション、モバイルアプリ、デスクトップアプリ、サーバーサイドアプリケーションなど、幅広い分野で利用されています。