SQL ServerでXACT_ABORTとRAISERRORの動作を理解する

2024-04-06

SQL ServerでRAISERROR後に実行が継続される理由

RAISERROR は、SQL Server でエラーメッセージを表示するために使用されるステートメントです。通常、RAISERROR の後、トランザクションはロールバックされ、実行は停止されます。しかし、XACT_ABORT オプションがオンの場合、RAISERROR の後も実行が継続されることがあります。

原因

XACT_ABORT オプションは、エラーが発生したときにトランザクションを自動的にロールバックするかどうかを制御します。このオプションがオンの場合、RAISERROR でエラーレベルが 16 以下の場合、トランザクションはロールバックされます。しかし、エラーレベルが 17 以上の場合は、トランザクションはロールバックされません。

影響

XACT_ABORT オプションがオンの場合、RAISERROR の後も実行が継続されると、予期せぬ結果が発生する可能性があります。例えば、エラーが発生したにもかかわらず、データが変更されたり、コミットされたりすることがあります。

解決策

XACT_ABORT オプションがオンの場合、RAISERROR の後も実行が継続されることを防ぐためには、以下の方法があります。

  • エラーレベルを 16 以下にする
  • THROW ステートメントを使用する
  • TRY...CATCH ブロックを使用する

補足

  • XACT_ABORT オプションは、デフォルトでオフになっています。
  • RAISERROR でエラーレベルを指定しない場合は、エラーレベルは 11 になります。
  • THROW ステートメントは、エラーを発生させるために使用されます。
  • TRY...CATCH ブロックは、エラーが発生した場合の処理を記述するために使用されます。



SET XACT_ABORT ON

BEGIN TRY

    -- エラーが発生するクエリ

    RAISERROR('エラーが発生しました。', 17, 1)

END TRY

BEGIN CATCH

    -- エラー処理

END CATCH

このコードを実行すると、エラーメッセージが表示されますが、トランザクションはロールバックされません。

以下のコードは、THROW ステートメントを使用してエラーを発生させる例です。

SET XACT_ABORT ON

BEGIN TRY

    -- エラーが発生するクエリ

    THROW 50000, 'エラーが発生しました。', 1;

END TRY

BEGIN CATCH

    -- エラー処理

END CATCH

以下のコードは、TRY...CATCH ブロックを使用してエラー処理を行う例です。

SET XACT_ABORT ON

BEGIN TRY

    -- エラーが発生するクエリ

BEGIN CATCH

    -- エラー処理

    ROLLBACK TRAN

END CATCH

上記のサンプルコードはあくまでも例です。実際のコードは、状況に合わせて変更する必要があります。




RAISERROR の後も実行が継続されることを防ぐその他の方法

RAISERROR のエラーレベルを 16 以下に設定することで、XACT_ABORT オプションがオンであってもトランザクションがロールバックされます。

RAISERROR('エラーが発生しました。', 10, 1)

@@TRANCOUNT 変数は、現在のトランザクションレベルを示します。RAISERROR の前に @@TRANCOUNT の値を保存しておき、RAISERROR の後に @@TRANCOUNT の値が減っている場合は、トランザクションをロールバックすることができます。

DECLARE @trancount INT

SET @trancount = @@TRANCOUNT

RAISERROR('エラーが発生しました。', 17, 1)

IF @@TRANCOUNT < @trancount
BEGIN
    ROLLBACK TRAN
END

GOTO ステートメントを使用して、エラーが発生した場合はエラー処理を行うラベルにジャンプすることができます。

BEGIN TRY

    -- エラーが発生するクエリ

    GOTO ErrorHandler

END TRY

BEGIN CATCH

    -- エラー処理

END CATCH

ErrorHandler:

    -- エラー処理

ユーザー定義エラーメッセージを使用することで、エラーメッセージに詳細情報を追加することができます。

CREATE PROCEDURE dbo.MyError
AS
BEGIN
    RAISERROR('エラーが発生しました。詳細については、エラーログを参照してください。', 17, 1)
END

BEGIN TRY

    EXEC dbo.MyError

END TRY

BEGIN CATCH

    -- エラー処理

END CATCH

トレースフラグを使用して、エラーが発生したときの動作を変更することができます。

DBCC TRACEON(1224)

BEGIN TRY

    -- エラーが発生するクエリ

END TRY

BEGIN CATCH

    -- エラー処理

END CATCH

DBCC TRACEOFF(1224)

リモートプロシージャコール (RPC) を使用する

RPC を使用することで、別のサーバーでエラーが発生した場合でも、現在のトランザクションをロールバックすることができます。

EXEC sp_executesql @remote_server, 'RAISERROR(''エラーが発生しました。'', 17, 1)'
BEGIN TRY

    -- エラーが発生するクエリ

    BEGIN DIALOG @dialog_handle
        FROM SERVICE @service_name
        TO SERVICE @service_name
        ON CONVERSATION @conversation_handle
    END DIALOG @dialog_handle

END TRY

BEGIN CATCH

    -- エラー処理

END CATCH

注意事項

上記の方法は、状況によって使い分ける必要があります。また、これらの方法を使用する前に、SQL Server のドキュメントをよく読んでください。

RAISERROR の後も実行が継続されることを防ぐ方法はいくつかあります。これらの方法を理解することで、エラーが発生した場合でも、適切な処理を行うことができます。


sql sql-server t-sql


FOR XML PATH('') を使用して複数の行をコンマ区切りのリストに結合する

SQL Server 2005で、複数の行のデータを1つの行に結合し、コンマで区切りのリストを作成したい。解決策:SQL Server 2005では、以下の3つの方法で複数の行をコンマ区切りのリストに結合できます。FOR XML PATH('')...


SQL Server SELECT INTO で既存のテーブルにデータを追加する方法

SQL Server の SELECT INTO は、SELECT ステートメントで取得したデータを既存のテーブルに挿入する便利な機能です。既存のデータを更新したり、別のテーブルからデータをコピーしたり、複雑な処理の結果を新しいレコードとして追加したりと、様々な用途に活用できます。...


PostgreSQL ワイルドカード LIKE を使用した複数単語検索

このチュートリアルでは、LIKE 演算子とワイルドカードを使用して、複数の単語のリストに一致する行を見つける方法について説明します。このチュートリアルを完了するには、次のものが必要です。PostgreSQL データベースPostgreSQL に接続できるクライアントツール (例: psql)...


SQL Serverでfloat型を科学的記数法を使わずにvarchar型に変換する方法:3つの実用的なアプローチ

STR関数を使用するSTR関数は、値を文字列に変換するために使用できる汎用関数です。 float 型の値を通常の数値形式で文字列に変換するには、次のように使用します。<float_value> は変換する float 型の値です。<precision> は、結果の小数点以下の桁数を指定します。指定しない場合は、デフォルトの精度が使用されます。...


PostgreSQL: 副クエリ、CTE、ウィンドウ関数、再帰クエリ駆使! 計算列を自在に操るテクニック集

しかし、同じクエリ内で計算列を複数回参照することはできません。これは、計算列の値が更新されるたびに、クエリが再実行されるためです。これにより、パフォーマンスが低下し、予期しない結果が生じる可能性があります。では、同じクエリ内で計算列を複数回使用したい場合はどうすればよいでしょうか? 以下に、2つの解決策をご紹介します。...