2024-04-02

複数のWITHステートメントを使いこなして、PostgreSQLクエリをマスターしよう

sql postgresql common table expression

PostgreSQLで複数の WITH ステートメントを 1 つのクエリで使用する

PostgreSQL では、WITH ステートメントを使って中間結果を保存し、その結果を後続のクエリで参照することができます。これは、複雑なクエリをより読みやすく、理解しやすいものにするのに役立ちます。

複数の WITH ステートメントを使用する

1 つのクエリで複数の WITH ステートメントを使用するには、WITH キーワードを複数回使用します。各 WITH ステートメントは、名前とサブクエリで構成されます。サブクエリは、中間結果を生成するために実行されます。

次の例では、2 つの WITH ステートメントを使って、従業員の部門と給与の情報を取得しています。

WITH employees AS (
    SELECT *
    FROM employee
),
departments AS (
    SELECT *
    FROM department
)
SELECT
    employees.name,
    departments.name AS department_name,
    employees.salary
FROM employees
JOIN departments ON employees.department_id = departments.id;

1 つ目の WITH ステートメント は、employees という名前で、employee テーブルからすべての列を取得します。

2 つ目の WITH ステートメント は、departments という名前で、department テーブルからすべての列を取得します。

最後の SELECT ステートメント は、employeesdepartments テーブルを結合して、従業員の氏名、部門名、給与を取得します。

複数の WITH ステートメントを使用する利点は次のとおりです。

  • クエリをより読みやすく、理解しやすいものにする
  • 複雑なクエリを分割して、管理しやすくする
  • 中間結果を再利用する

注意事項

  • WITH ステートメントは、サブクエリを実行する順序で実行されます。
  • WITH ステートメントで生成された中間結果は、一時的なものであり、クエリが完了すると破棄されます。

補足

  • PostgreSQL では、WITH ステートメントの代わりに CTE (Common Table Expressions) という用語も使用されます。
  • WITH ステートメントは、他の多くの SQL データベースでも使用できます。


WITH employees AS (
    SELECT *
    FROM employee
),
departments AS (
    SELECT *
    FROM department
)
SELECT
    employees.name,
    departments.name AS department_name,
    employees.salary
FROM employees
JOIN departments ON employees.department_id = departments.id;

特定の部門の従業員の平均給与を取得する

WITH employees AS (
    SELECT *
    FROM employee
),
departments AS (
    SELECT *
    FROM department
)
SELECT
    departments.name AS department_name,
    AVG(employees.salary) AS average_salary
FROM employees
JOIN departments ON employees.department_id = departments.id
GROUP BY departments.name;

従業員の役職と給与を取得する

WITH employees AS (
    SELECT *
    FROM employee
),
roles AS (
    SELECT *
    FROM role
)
SELECT
    employees.name,
    roles.name AS role_name,
    employees.salary
FROM employees
JOIN roles ON employees.role_id = roles.id;

従業員の勤務年数と給与を取得する

WITH employees AS (
    SELECT *
    FROM employee
),
work_experience AS (
    SELECT
        employee_id,
        DATE_PART('year', CURRENT_DATE - hire_date) AS years_of_experience
    FROM employee
)
SELECT
    employees.name,
    work_experience.years_of_experience,
    employees.salary
FROM employees
JOIN work_experience ON employees.id = work_experience.employee_id;

従業員の年齢と給与を取得する

WITH employees AS (
    SELECT *
    FROM employee
),
age AS (
    SELECT
        employee_id,
        DATE_PART('year', CURRENT_DATE - date_of_birth) AS age
    FROM employee
)
SELECT
    employees.name,
    age.age,
    employees.salary
FROM employees
JOIN age ON employees.id = age.employee_id;

これらのサンプルコードは、PostgreSQL で複数の WITH ステートメントを使用する方法を理解するのに役立ちます。



PostgreSQLで複数のWITHステートメントを使用する他の方法

サブクエリを使用する

SELECT
    name,
    (
        SELECT department_name
        FROM department
        WHERE department_id = id
    ) AS department_name,
    salary
FROM employee;

この例では、department_name を取得するためにサブクエリを使用しています。

CASE式を使用する

SELECT
    name,
    CASE department_id
        WHEN 1 THEN 'Sales'
        WHEN 2 THEN 'Marketing'
        ELSE 'Other'
    END AS department_name,
    salary
FROM employee;

この例では、department_name を取得するためにCASE式を使用しています。

JOINを使用する

SELECT
    e.name,
    d.name AS department_name,
    e.salary
FROM employee e
JOIN department d ON e.department_id = d.id;

この例では、department_name を取得するためにJOINを使用しています。

これらの方法は、WITHステートメントを使用するよりも効率が悪い場合があります。


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