複数のWITHステートメントを使いこなして、PostgreSQLクエリをマスターしよう
PostgreSQLで複数の WITH ステートメントを 1 つのクエリで使用する
PostgreSQL では、WITH ステートメントを使って中間結果を保存し、その結果を後続のクエリで参照することができます。これは、複雑なクエリをより読みやすく、理解しやすいものにするのに役立ちます。
複数の WITH ステートメントを使用する
1 つのクエリで複数の WITH ステートメントを使用するには、WITH キーワードを複数回使用します。各 WITH ステートメントは、名前とサブクエリで構成されます。サブクエリは、中間結果を生成するために実行されます。
例
次の例では、2 つの WITH ステートメントを使って、従業員の部門と給与の情報を取得しています。
WITH employees AS (
SELECT *
FROM employee
),
departments AS (
SELECT *
FROM department
)
SELECT
employees.name,
departments.name AS department_name,
employees.salary
FROM employees
JOIN departments ON employees.department_id = departments.id;
1 つ目の WITH ステートメント は、employees
という名前で、employee
テーブルからすべての列を取得します。
2 つ目の WITH ステートメント は、departments
という名前で、department
テーブルからすべての列を取得します。
最後の SELECT ステートメント は、employees
と departments
テーブルを結合して、従業員の氏名、部門名、給与を取得します。
複数の WITH ステートメントを使用する利点は次のとおりです。
- クエリをより読みやすく、理解しやすいものにする
- 複雑なクエリを分割して、管理しやすくする
- 中間結果を再利用する
注意事項
- WITH ステートメントは、サブクエリを実行する順序で実行されます。
- WITH ステートメントで生成された中間結果は、一時的なものであり、クエリが完了すると破棄されます。
補足
- PostgreSQL では、WITH ステートメントの代わりに CTE (Common Table Expressions) という用語も使用されます。
- WITH ステートメントは、他の多くの SQL データベースでも使用できます。
WITH employees AS (
SELECT *
FROM employee
),
departments AS (
SELECT *
FROM department
)
SELECT
employees.name,
departments.name AS department_name,
employees.salary
FROM employees
JOIN departments ON employees.department_id = departments.id;
特定の部門の従業員の平均給与を取得する
WITH employees AS (
SELECT *
FROM employee
),
departments AS (
SELECT *
FROM department
)
SELECT
departments.name AS department_name,
AVG(employees.salary) AS average_salary
FROM employees
JOIN departments ON employees.department_id = departments.id
GROUP BY departments.name;
従業員の役職と給与を取得する
WITH employees AS (
SELECT *
FROM employee
),
roles AS (
SELECT *
FROM role
)
SELECT
employees.name,
roles.name AS role_name,
employees.salary
FROM employees
JOIN roles ON employees.role_id = roles.id;
従業員の勤務年数と給与を取得する
WITH employees AS (
SELECT *
FROM employee
),
work_experience AS (
SELECT
employee_id,
DATE_PART('year', CURRENT_DATE - hire_date) AS years_of_experience
FROM employee
)
SELECT
employees.name,
work_experience.years_of_experience,
employees.salary
FROM employees
JOIN work_experience ON employees.id = work_experience.employee_id;
従業員の年齢と給与を取得する
WITH employees AS (
SELECT *
FROM employee
),
age AS (
SELECT
employee_id,
DATE_PART('year', CURRENT_DATE - date_of_birth) AS age
FROM employee
)
SELECT
employees.name,
age.age,
employees.salary
FROM employees
JOIN age ON employees.id = age.employee_id;
これらのサンプルコードは、PostgreSQL で複数の WITH ステートメントを使用する方法を理解するのに役立ちます。
PostgreSQLで複数のWITHステートメントを使用する他の方法
サブクエリを使用する
SELECT
name,
(
SELECT department_name
FROM department
WHERE department_id = id
) AS department_name,
salary
FROM employee;
この例では、department_name
を取得するためにサブクエリを使用しています。
CASE式を使用する
SELECT
name,
CASE department_id
WHEN 1 THEN 'Sales'
WHEN 2 THEN 'Marketing'
ELSE 'Other'
END AS department_name,
salary
FROM employee;
この例では、department_name
を取得するためにCASE式を使用しています。
JOINを使用する
SELECT
e.name,
d.name AS department_name,
e.salary
FROM employee e
JOIN department d ON e.department_id = d.id;
この例では、department_name
を取得するためにJOINを使用しています。
これらの方法は、WITHステートメントを使用するよりも効率が悪い場合があります。
sql postgresql common-table-expression
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