"PARTITION BY" キーワードを使いこなす:SQL、Oracle データベース、ウィンドウ関数の深い理解

2024-04-02

Oracle "PARTITION BY" キーワード:SQL、Oracle、ウィンドウ関数との関連性

Oracle "PARTITION BY" キーワードは、大規模なテーブルを論理的に分割し、パフォーマンスと管理性を向上させるための強力な機能です。このキーワードは、SQL クエリ、Oracle データベース、ウィンドウ関数 と密接に関連しており、データ分析、レポート作成、データ管理など様々なタスクで活用できます。

本解説では、以下の内容を分かりやすく説明します。

  • "PARTITION BY" キーワードの基本
    • 構文とオプション
    • パーティショニングの種類
    • 利点と制限
  • SQL クエリにおける "PARTITION BY"
    • パフォーマンスの向上
    • データ分析とレポート作成
    • サブクエリと結合
  • Oracle データベースと "PARTITION BY"
    • 表領域とデータ配置
    • 管理と保守
    • スケーラビリティと可用性
  • ウィンドウ関数と "PARTITION BY"
    • 集計と分析
    • ローリングウィンドウとフレーム
    • 動的なパーティショニング

"PARTITION BY" キーワードの基本

CREATE TABLE table_name (
  ...
)
PARTITION BY partition_method (partition_expression)
[SUBPARTITION BY subpartition_method (subpartition_expression)]
[STORE IN (tablespace_name)];
  • partition_method: レンジ、リスト、ハッシュなど
  • partition_expression: 列値、式など
  • STORE IN: パーティションを格納する表領域
  • レンジ・パーティショニング: データを値の範囲に基づいて分割
  • コンポジット・パーティショニング: 複数のパーティショニング方法を組み合わせ
  • 利点: パフォーマンス向上、管理性向上、スケーラビリティ向上、可用性向上
  • 制限: 設計と管理の複雑性、一部の機能との互換性

SQL クエリにおける "PARTITION BY"

  • WHERE 句でパーティションキーを指定することで、特定のパーティションのみを検索
  • インデックスの効率的な利用
  • 並列処理の活用
  • 特定の期間やカテゴリのデータのみを分析
  • 動的なパーティショニングによる柔軟な分析
  • レポート作成の迅速化
  • サブクエリでパーティションを指定

Oracle データベースと "PARTITION BY"

  • パーティションごとに異なる表領域に格納
  • データの分散配置によるパフォーマンス向上
  • 個々のパーティションを個別に管理
  • 古いパーティションの削除
  • データ量の増加に対応
  • パーティション単位での障害復旧

ウィンドウ関数と "PARTITION BY"

  • ローリングウィンドウによる動的な分析
  • 時間経過に伴うデータの変化を分析
  • クエリ実行時にパーティションを生成

Oracle "PARTITION BY" キーワードは、SQL、Oracle データベース、ウィンドウ関数と密接に関連し、データ分析、レポート作成、データ管理など様々なタスクで活用できます。この機能を理解することで、パフォーマンス、管理性、スケーラビリティ、可用性を向上させることができます。

  • [Oracle Databaseドキュメント:



CREATE TABLE sales (
  sale_date DATE,
  product_id NUMBER,
  quantity SOLD,
  revenue NUMBER
)
PARTITION BY RANGE (sale_date)
(
  PARTITION p2023 BEFORE TO_DATE('2024-01-01', 'YYYY-MM-DD'),
  PARTITION p2024 DEFAULT
);

SELECT product_id,
       SUM(quantity) AS total_quantity,
       SUM(revenue) AS total_revenue
FROM sales
PARTITION p2023
WHERE product_id = 123
GROUP BY product_id;

リスト・パーティショニングによるデータ管理

CREATE TABLE customers (
  customer_id NUMBER,
  name VARCHAR2(255),
  country VARCHAR2(2),
  region VARCHAR2(2)
)
PARTITION BY LIST (country)
(
  PARTITION america ('US', 'CA', 'MX'),
  PARTITION europe ('GB', 'FR', 'DE'),
  PARTITION asia ('JP', 'KR', 'CN')
);

ALTER TABLE customers
  ADD PARTITION partition_asia_other
  FOR VALUES IN ('IN', 'SG', 'TH');

DELETE FROM customers
PARTITION partition_asia_other
WHERE region = 'TH';

ハッシュ・パーティショニングによるパフォーマンス向上

CREATE TABLE orders (
  order_id NUMBER,
  customer_id NUMBER,
  order_date DATE,
  total_price NUMBER
)
PARTITION BY HASH (customer_id)
PARTITIONS 10;

SELECT order_id,
       customer_id,
       order_date,
       total_price
FROM orders
WHERE customer_id = 12345
AND order_date > TO_DATE('2023-12-31', 'YYYY-MM-DD');
SELECT product_id,
       sale_date,
       quantity,
       SUM(quantity) OVER (PARTITION BY product_id
                           ORDER BY sale_date
                           ROWS BETWEEN 6 PRECEDING AND CURRENT ROW) AS rolling_total
FROM sales
WHERE product_id = 123
ORDER BY sale_date;
SELECT product_id,
       sale_date,
       quantity,
       PERCENTILE_CONT(0.5) WITHIN GROUP (ORDER BY quantity) OVER (PARTITION BY product_id) AS median_quantity
FROM sales
WHERE sale_date BETWEEN TO_DATE('2023-01-01', 'YYYY-MM-DD') AND TO_DATE('2023-12-31', 'YYYY-MM-DD');

解説

上記のサンプルコードは、"PARTITION BY" キーワードの様々な使用方法を示しています。これらの例を参考に、具体的な要件に合わせて適切なパーティショニング方法を選択してください。




"PARTITION BY" キーワードのその他の使用方法

レンジ・パーティショニングやリスト・パーティショニングと組み合わせて、さらに細かいデータ分割を実現できます。

CREATE TABLE products (
  product_id NUMBER,
  category VARCHAR2(255),
  price NUMBER
)
PARTITION BY RANGE (product_id)
SUBPARTITION BY LIST (category)
(
  PARTITION p1000 RANGE (1000, 2000)
    SUBPARTITION electronics ('Electronics'),
    SUBPARTITION clothing ('Clothing'),
  PARTITION p2000 RANGE (2000, 3000)
    SUBPARTITION electronics ('Electronics'),
    SUBPARTITION furniture ('Furniture')
);

物理的なパーティションを作成せずに、論理的なパーティショニングを実現できます。


sql oracle window-functions


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