MySQL BETWEEN 句の奥深さ:境界値の扱いと代替方法でデータベース操作の可能性を広げる
MySQLにおけるBETWEEN句の詳細解説
MySQLのBETWEEN句は、指定した範囲内に収まる値を持つレコードを抽出するためのものです。しかし、デフォルトでは境界値を含むかどうかを制御できません。このため、境界値を含むかどうかを明確に指定する必要があります。
BETWEEN句の構文
SELECT *
FROM table_name
WHERE column_name BETWEEN start_value AND end_value;
境界値を含む場合
境界値を含む範囲を抽出するには、>=と**<=**を使用します。
SELECT *
FROM table_name
WHERE column_name >= start_value AND column_name <= end_value;
SELECT *
FROM table_name
WHERE column_name > start_value AND column_name < end_value;
例
以下の例では、price
列が50
以上100
以下のレコードをすべて抽出します。
SELECT *
FROM products
WHERE price >= 50 AND price <= 100;
注意事項
- BETWEEN句は、数値型だけでなく、文字列型や日付型にも使用できます。
- BETWEEN句は、AND句と組み合わせて使用できます。
従業員の給与データを格納するemployees
テーブルがあり、給与が3000ドル以上5000ドル以下の従業員を抽出したい場合を想定します。
テーブル構造
CREATE TABLE employees (
id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
name VARCHAR(255) NOT NULL,
salary DECIMAL(10,2) NOT NULL
);
INSERT INTO employees (name, salary) VALUES
('Alice', 3500),
('Bob', 4200),
('Charlie', 2800),
('David', 5100),
('Emily', 4800);
SELECT *
FROM employees
WHERE salary >= 3000 AND salary <= 5000;
出力
id | name | salary
---+-----------+---------
2 | Bob | 4200.00
5 | Emily | 4800.00
SELECT *
FROM employees
WHERE salary > 3000 AND salary < 5000;
id | name | salary
---+-----------+---------
2 | Bob | 4200.00
5 | Emily | 4800.00
説明
上記の例では、境界値を含む場合と含まない場合の両方で、salary
列が3000
以上5000
以下のレコードを抽出しています。
- 境界値を含む場合:
>=
と<=
を使用することで、境界値である3000
と5000
も抽出対象となります。
補足
- 上記の例では、境界値を含むかどうかを明示的に指定していますが、デフォルトでは境界値を含まない動作となります。
BETWEEN句以外の方法
IN句は、指定したリストに含まれる値を持つレコードを抽出するためのものです。BETWEEN句と同様に、境界値を含むかどうかを制御できます。
SELECT *
FROM table_name
WHERE column_name IN (start_value, ..., end_value);
SELECT *
FROM products
WHERE price IN (50, 75, 100);
CASE WHEN式は、条件に応じて異なる値を返す式です。範囲内の値かどうかを判定するために使用できます。
SELECT *
FROM table_name
WHERE CASE
WHEN column_name >= start_value AND column_name <= end_value THEN 1
ELSE 0
END = 1;
SELECT *
FROM products
WHERE CASE
WHEN price >= 50 AND price <= 100 THEN 1
ELSE 0
END = 1;
サブクエリは、別のクエリの結果を条件として使用するものです。範囲内の値かどうかを判定するために使用できます。
SELECT *
FROM table_name
WHERE column_name IN (
SELECT column_name
FROM another_table
WHERE column_name >= start_value AND column_name <= end_value
);
以下の例では、price
列がproducts
テーブルのmin_price
列とmax_price
列の範囲内に収まるレコードをすべて抽出します。
SELECT *
FROM products
WHERE price IN (
SELECT min_price, max_price
FROM price_ranges
);
JOINは、複数のテーブルを結合するためのものです。範囲内の値かどうかを判定するために使用できます。
SELECT *
FROM table_name t1
JOIN another_table t2 ON t1.column_name = t2.column_name
WHERE t2.column_name >= start_value AND t2.column_name <= end_value;
以下の例では、employees
テーブルのsalary
列がdepartments
テーブルのmin_salary
列とmax_salary
列の範囲内に収まる従業員をすべて抽出します。
SELECT *
FROM employees e
JOIN departments d ON e.department_id = d.department_id
WHERE d.min_salary >= 3000 AND d.max_salary <= 5000;
それぞれの方法の比較
方法 | 利点 | 欠点 |
---|---|---|
BETWEEN句 | シンプルで分かりやすい | 境界値を含むかどうかを明示的に指定する必要がある |
IN句 | 複数の境界値を簡単に指定できる | 境界値のリストを作成する必要がある |
CASE WHEN式 | 柔軟性が高い | 複雑になりやすい |
サブクエリ | 他のテーブルを参照できる | 可読性が低くなる可能性がある |
JOIN | 複数のテーブルを結合できる | 複雑になりやすい |
どの方法を使用するかは、状況によって異なります。シンプルな範囲抽出であれば、BETWEEN句を使用するのが一般的です。しかし、境界値を含むかどうかを明示的に指定する必要があることに注意する必要があります。
より複雑な範囲抽出や、他のテーブルを参照する必要がある場合は、IN句、CASE WHEN式、サブクエリ、JOINなどの方法を検討する必要があります。
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