PostgreSQLスクリプトでエラー発生時に処理を停止する方法
PostgreSQLスクリプトでエラー発生時に処理を停止する方法
ON_ERROR_STOP オプションを使用する
最も簡単な方法は、ON_ERROR_STOP
セッション変数を ON
に設定することです。
SET ON_ERROR_STOP = ON;
この設定を有効にすると、スクリプト実行中にエラーが発生した場合、その時点で処理が停止し、残りのコマンドは実行されなくなります。
RAISE EXCEPTION を使用する
より詳細なエラー処理が必要な場合は、RAISE EXCEPTION
を使用して、独自のエラーメッセージを生成することができます。
BEGIN
-- 処理内容
-- エラーが発生した場合
RAISE EXCEPTION WITH MESSAGE = '予期せぬエラーが発生しました。';
END;
この方法を使用すると、エラーが発生した場所を特定し、より具体的なエラーメッセージを表示することができます。
TRY/CATCH ブロックを使用する
PL/pgSQL を使用している場合は、TRY/CATCH
ブロックを使用して、エラー処理をより柔軟に記述することができます。
BEGIN
-- 処理内容
-- エラー処理ブロック
TRY
-- 処理内容
CATCH
-- エラーが発生した場合の処理
PERFORM pg_errlog('%s', SQLSTATE);
END TRY;
END;
この方法を使用すると、エラーの種類に応じて異なる処理を実行することができます。
シェルスクリプトと組み合わせて使用する
シェルスクリプトを使用して PostgreSQL スクリプトを実行している場合は、シェルスクリプトの -e
オプションを使用して、エラー発生時にスクリプトを停止することができます。
#!/bin/bash
psql -f my_script.sql
if [ $? -ne 0 ]; then
echo "エラーが発生しました。"
exit 1
fi
この方法を使用すると、PostgreSQL スクリプト以外にも、シェルスクリプト独自のエラー処理を実行することができます。
補足
- 上記の方法は、いずれも PostgreSQL 8.0 以降で使用することができます。
例
以下のスクリプトは、ON_ERROR_STOP
オプションを使用して、エラー発生時に処理を停止する例です。
SET ON_ERROR_STOP = ON;
-- データベースに接続
CREATE DATABASE mydb;
-- テーブルを作成
CREATE TABLE mytable (
id SERIAL PRIMARY KEY,
name VARCHAR(255) NOT NULL
);
-- データを挿入
INSERT INTO mytable (name) VALUES ('John Doe');
-- 存在しない列にデータを挿入しようとするとエラーが発生
INSERT INTO mytable (age) VALUES (30);
このスクリプトを実行すると、2番目の INSERT
コマンドでエラーが発生し、スクリプトの実行が停止します。
PostgreSQLスクリプトでエラー発生時に処理を停止するには、ON_ERROR_STOP
オプション、RAISE EXCEPTION
、TRY/CATCH
ブロック、シェルスクリプトとの組み合わせなど、様々な方法があります。 状況に応じて適切な方法を選択することで、より堅牢で信頼性の高いスクリプトを作成することができます。
SET ON_ERROR_STOP = ON;
-- データベースに接続
CREATE DATABASE mydb;
-- テーブルを作成
CREATE TABLE mytable (
id SERIAL PRIMARY KEY,
name VARCHAR(255) NOT NULL
);
-- データを挿入
INSERT INTO mytable (name) VALUES ('John Doe');
-- 存在しない列にデータを挿入しようとするとエラーが発生
INSERT INTO mytable (age) VALUES (30);
BEGIN
-- 処理内容
-- エラーが発生した場合
RAISE EXCEPTION WITH MESSAGE = '予期せぬエラーが発生しました。';
END;
BEGIN
-- 処理内容
-- エラー処理ブロック
TRY
-- 処理内容
CATCH
-- エラーが発生した場合の処理
PERFORM pg_errlog('%s', SQLSTATE);
END TRY;
END;
#!/bin/bash
psql -f my_script.sql
if [ $? -ne 0 ]; then
echo "エラーが発生しました。"
exit 1
fi
- 上記のサンプルコードは、あくまでも一例です。 状況に合わせてコードを修正する必要があります。
PostgreSQLスクリプトでエラー発生時に処理を停止するその他の方法
CHECK_POINT を使用する
重要な処理を実行する前に CHECK_POINT
コマンドを実行することで、エラーが発生した場合にデータベースの状態をロールバックすることができます。
BEGIN
-- 処理内容
-- チェックポイントを設定
CHECK_POINT;
-- 処理内容
END;
SAVEPOINT と ROLLBACK TO SAVEPOINT を使用する
より詳細なロールバック制御が必要な場合は、SAVEPOINT
と ROLLBACK TO SAVEPOINT
コマンドを使用して、特定の処理ポイントまでロールバックすることができます。
BEGIN
-- 処理内容
-- セーブポイントを設定
SAVEPOINT sp1;
-- 処理内容
-- エラーが発生した場合
ROLLBACK TO SAVEPOINT sp1;
-- 処理内容
END;
トランザクションを使用する
複数の処理をまとめて実行する必要がある場合は、トランザクションを使用して、処理全体が成功するか失敗するかの原子性を保証することができます。
BEGIN;
-- 処理内容
-- エラーが発生した場合
ROLLBACK;
-- 処理が成功した場合
COMMIT;
END;
その他の考慮事項
- エラーが発生したときにログを出力する:エラーが発生したときに何が起こったのかを記録するために、
LOG
関数を使用してログを出力することができます。 - ユーザーへの通知:エラーが発生したときにユーザーに通知する必要がある場合は、
NOTIFY
関数を使用してメッセージを送信することができます。 - 再試行:場合によっては、エラーが発生しても自動的に再試行することが望ましい場合があります。 これは、
DO
ループを使用して実装することができます。
PostgreSQLスクリプトでエラー発生時に処理を停止する方法はいくつかあります。 状況に応じて適切な方法を選択することで、より堅牢で信頼性の高いスクリプトを作成することができます。
database postgresql error-handling