異なる PostgreSQL バージョン間で pg_dump と pg_restore を使用する際の落とし穴と回避策

2024-06-25

PostgreSQL のメジャーバージョン間での pg_dump と pg_restore の使用方法

pg_dump と pg_restore は、PostgreSQL データベースのバックアップとリストアに不可欠なツールです。しかし、異なるメジャーバージョン間でこれらのツールを使用する場合、互換性の問題が発生する可能性があります。

このガイドでは、異なる PostgreSQL メジャーバージョン間で pg_dump と pg_restore を安全かつ効果的に使用する方法について説明します。

互換性に関する考慮事項

PostgreSQL のメジャーバージョン間では、データ形式、内部構造、およびサポートされる機能が大幅に変更される場合があります。これらの変更により、異なるメジャーバージョン間で作成されたダンプファイルを復元することが困難または不可能になる場合があります。

pg_dump の使用

異なるメジャーバージョン間でデータを移行するには、pg_dump を使用してカスタム形式でデータベースをダンプする必要があります。これにより、ダンプファイルが新しいバージョンの PostgreSQL で理解できる形式になります。

カスタム形式でダンプするには、以下のコマンドを使用します。

pg_dump -Fc database_name > backup.dump

pg_restore を使用してカスタム形式のダンプファイルを復元するには、以下のコマンドを使用します。

pg_restore -Fc backup.dump -d target_database

注意事項

  • pg_dump と pg_restore の両方のバージョンが、移行元のデータベースと移行先のデータベースと互換性があることを確認してください。
  • メジャーバージョン間で移行する場合は、事前に完全なデータベースバックアップを実行することをお勧めします。
  • 移行後にデータベースで問題が発生した場合は、pg_dump と pg_restore のログファイルを確認してください。
  • 複雑な移行の場合は、専門家の助けを求めることをお勧めします。



    PostgreSQL のメジャーバージョン間での pg_dump と pg_restore のサンプルコード

    例 1: PostgreSQL 12 から PostgreSQL 14 への移行

    この例では、PostgreSQL 12 データベースをダンプし、PostgreSQL 14 インスタンスに復元します。

    ダンプの作成

    pg_dump -Fc -U postgres mydatabase > mydatabase_12.dump
    

    復元

    psql -h localhost -U postgres -d postgresql14 < mydatabase_12.dump
    
    pg_dump -Fc -U postgres mydatabase > mydatabase_9.6.dump
    
    psql -h localhost -U postgres -d postgresql11 < mydatabase_9.6.dump
    
    • 上記の例は、基本的な移行シナリオのみを示しています。実際の移行では、データベーススキーマ、データ量、パフォーマンス要件など、さまざまな要因を考慮する必要があります。
    • 移行前に、データベースの完全なバックアップを実行することを忘れないでください。



      PostgreSQL のメジャーバージョン間での移行における pg_dump と pg_restore の代替方法

      pg_upgrade ツールを使用する

      pg_upgrade は、PostgreSQL のメジャーバージョン間でデータベースをアップグレードするための公式ツールです。データベースファイルを直接置き換えることで移行を行うため、pg_dump と pg_restore を使用するよりも高速で簡単です。

      長所:

      • 高速で簡単
      • ダウンタイムが少ない
      • 公式ツール
      • すべての移行シナリオでサポートされているわけではない
      • データの損失のリスクがある
      • 複雑な移行には適していない

      ダンプと復元ではなく、論理レプリケーションを使用する

      論理レプリケーションは、データベースの変更をリアルタイムで別のデータベースに複製する機能です。これは、異なるメジャーバージョン間でデータを移行するための非同期で継続的な方法を提供します。

      • リアルタイムのデータ移行
      • セットアップと構成が複雑
      • パフォーマンスへの影響がある可能性がある
      • すべての PostgreSQL バージョンでサポートされているわけではない

      pg_dump を使用してカスタムスクリプトを作成し、データベースオブジェクトとデータを新しいバージョンに移行することもできます。これは、複雑な移行や、pg_upgrade または論理レプリケーションでサポートされていないシナリオに適しています。

      • カスタム移行シナリオに対応可能
      • 柔軟性が高い
      • 時間と労力が必要
      • エラーが発生しやすい

      最適な方法を選択する

      使用する最適な方法は、個々のニーズと要件によって異なります。移行を決定する際には、以下の要素を考慮する必要があります。

      • データベースのサイズと複雑性
      • ダウンタイム許容時間
      • 移行に必要なスキルと専門知識
      • データベースの将来の要件

        postgresql


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