3つの方法で解説:SQL Serverの自動インクリメント値をリセットする
SQL Serverで削除後に自動インクリメントをリセットする方法
SQL Serverで自動インクリメントを使用しているテーブルから行を削除すると、次の挿入時に使用されるID値が不連続になることがあります。これは、削除された行のID値が再利用されないためです。
この問題を解決するには、いくつかの方法で自動インクリメント値をリセットできます。
方法
- DBCC CHECKIDENT コマンドを使用する
DBCC CHECKIDENT ('テーブル名', RESEED, 1)
このコマンドは、指定されたテーブルの自動インクリメント値をリセットし、次の挿入時に使用されるID値を指定された値に設定します。
- IDENTITY_INSERT オプションを使用する
SET IDENTITY_INSERT テーブル名 ON
INSERT INTO テーブル名 (列名) VALUES (値)
SET IDENTITY_INSERT テーブル名 OFF
この方法では、挿入する行のID値を明示的に指定できます。
- トリガーを使用する
CREATE TRIGGER トリガー名 ON テーブル名
AFTER DELETE
AS
BEGIN
SET NEXT VALUE FOR テーブル名_ID = 1
END
この方法では、行が削除されるたびに、自動インクリメント値を1にリセットします。
注意事項
- 上記の方法を使用する前に、テーブルにバックアップを取ることが重要です。
- DBCC CHECKIDENTコマンドは、テーブルにデータがない場合にのみ使用できます。
- IDENTITY_INSERTオプションを使用する場合は、誤ったID値を挿入しないよう注意が必要です。
- トリガーを使用する場合は、他の操作と競合しないように注意が必要です。
USE AdventureWorks2019
-- テーブルにバックアップを取る
BACKUP DATABASE AdventureWorks2019 TO DISK = 'C:\AdventureWorks2019.bak'
-- 自動インクリメント値をリセットする
DBCC CHECKIDENT ('Person.BusinessEntityID', RESEED, 1)
-- 新しい行を挿入する
INSERT INTO Person.BusinessEntityID (FirstName, LastName) VALUES ('John', 'Doe')
-- ID値を確認する
SELECT BusinessEntityID FROM Person.BusinessEntityID WHERE FirstName = 'John' AND LastName = 'Doe'
USE AdventureWorks2019
-- テーブルにバックアップを取る
BACKUP DATABASE AdventureWorks2019 TO DISK = 'C:\AdventureWorks2019.bak'
-- IDENTITY_INSERTオプションをONにする
SET IDENTITY_INSERT Person.BusinessEntityID ON
-- 新しい行を挿入する
INSERT INTO Person.BusinessEntityID (BusinessEntityID, FirstName, LastName) VALUES (1000, 'John', 'Doe')
-- IDENTITY_INSERTオプションをOFFにする
SET IDENTITY_INSERT Person.BusinessEntityID OFF
-- ID値を確認する
SELECT BusinessEntityID FROM Person.BusinessEntityID WHERE FirstName = 'John' AND LastName = 'Doe'
USE AdventureWorks2019
-- テーブルにバックアップを取る
BACKUP DATABASE AdventureWorks2019 TO DISK = 'C:\AdventureWorks2019.bak'
-- トリガーを作成する
CREATE TRIGGER ResetAutoInc ON Person.BusinessEntityID
AFTER DELETE
AS
BEGIN
SET NEXT VALUE FOR Person.BusinessEntityID_ID = 1
END
-- 新しい行を挿入する
INSERT INTO Person.BusinessEntityID (FirstName, LastName) VALUES ('John', 'Doe')
-- 行を削除する
DELETE FROM Person.BusinessEntityID WHERE FirstName = 'John' AND LastName = 'Doe'
-- 新しい行を挿入する
INSERT INTO Person.BusinessEntityID (FirstName, LastName) VALUES ('Jane', 'Doe')
-- ID値を確認する
SELECT BusinessEntityID FROM Person.BusinessEntityID WHERE FirstName = 'Jane' AND LastName = 'Doe'
- 上記のサンプルコードは、Microsoft SQL Server 2019を使用しています。他のバージョンのSQL Serverを使用する場合は、構文が異なる場合があります。
新しいテーブルを作成する
既存のテーブルの構造をそのままコピーした新しいテーブルを作成し、新しいテーブルの自動インクリメント値を1から開始することができます。
ALTER TABLE ステートメントを使用して、自動インクリメント値の開始値を変更することができます。
T-SQLスクリプトを作成して、自動インクリメント値をリセットすることができます。
これらの方法のメリットとデメリット
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
新しいテーブルを作成する | 簡単 | データのコピーが必要 |
ALTER TABLE ステートメントを使用する | データのコピーが不要 | ダウンタイムが発生する可能性がある |
T-SQL スクリプトを使用する | 柔軟性が高い | スクリプト作成のスキルが必要 |
sql-server auto-increment delete-row