B-木インデックスとGINインデックス:PostgreSQLにおける配列列インデックスの種類
PostgreSQLで配列列をインデックス化できる?
PostgreSQLでは、配列列に対してインデックスを作成することができます。ただし、いくつかの制限事項があります。
インデックス化可能な配列列:
- 配列の要素がすべて同一の型であること
- 配列の要素がスカラー型であること (複合型や他の配列型は不可)
- 配列の要素がNULL値を含まないこと
インデックスの種類:
- B-木インデックス: 配列要素の値に基づいて、データ行を高速に検索できます。
CREATE TABLE my_table (
id integer,
tags text[],
-- ...
);
CREATE INDEX my_table_tags_idx ON my_table (tags);
制限事項:
- 配列要素の順序に基づいて検索することはできません。
- 部分一致検索は、B-木インデックスよりも遅くなります。
- GINインデックスは、PostgreSQL 9.2以降でのみ使用できます。
- 配列列を含むデータ行を高速に検索できます。
- クエリのパフォーマンスを向上させることができます。
- インデックスの作成と更新に時間がかかります。
- ディスク容量を消費します。
PostgreSQLで配列列をインデックス化することは可能ですが、いくつかの制限事項があります。インデックス化を行う前に、メリットとデメリットを考慮する必要があります。
-- テーブル作成
CREATE TABLE my_table (
id integer,
tags text[],
-- ...
);
-- B-木インデックス作成
CREATE INDEX my_table_tags_idx ON my_table (tags);
-- GINインデックス作成 (PostgreSQL 9.2以降)
CREATE INDEX my_table_tags_gin_idx ON my_table USING gin (tags);
-- サンプルデータ挿入
INSERT INTO my_table (id, tags) VALUES (1, ARRAY['tag1', 'tag2']);
INSERT INTO my_table (id, tags) VALUES (2, ARRAY['tag2', 'tag3']);
-- B-木インデックスを使用した検索
SELECT * FROM my_table WHERE tags && ARRAY['tag1', 'tag2'];
-- GINインデックスを使用した部分一致検索 (PostgreSQL 9.2以降)
SELECT * FROM my_table WHERE tags @@ 'tag2';
- 上記のサンプルコードは、PostgreSQL 10.14で動作確認済みです。
&&
演算子は、配列要素の完全一致検索に使用します。
PostgreSQLで配列列をインデックス化する代替方法
JSON型を使用する:
- 配列列をJSON型に変換して保存します。
- JSON型に対しては、GJSONインデックスを作成できます。
- GJSONインデックスは、配列要素の完全一致検索と部分一致検索をサポートします。
例:
CREATE TABLE my_table (
id integer,
data jsonb,
-- ...
);
-- JSON型に変換して保存
INSERT INTO my_table (id, data) VALUES (1, jsonb_build_array('tag1', 'tag2'));
-- GJSONインデックス作成
CREATE INDEX my_table_data_gjson_idx ON my_table USING GIN (data);
-- 完全一致検索
SELECT * FROM my_table WHERE data @> jsonb_build_array('tag1', 'tag2');
-- 部分一致検索
SELECT * FROM my_table WHERE data @@ 'tag2';
別のテーブルに配列要素を保存する:
- 配列列を別テーブルに保存します。
- 別テーブルには、配列要素と主キーを関連付けます。
- 主キーを使用して、配列要素を検索できます。
CREATE TABLE my_table (
id integer,
-- ...
);
CREATE TABLE my_table_tags (
id integer,
tag text,
-- ...
);
-- 別テーブルに保存
INSERT INTO my_table_tags (id, tag) VALUES (1, 'tag1');
INSERT INTO my_table_tags (id, tag) VALUES (1, 'tag2');
-- 主キーを使用して検索
SELECT * FROM my_table_tags WHERE id = 1;
アプリケーション側で処理する:
- 配列列の検索処理をアプリケーション側で処理します。
- 配列要素をループ処理して、検索条件に合致するデータ行を検索します。
方法の比較:
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
B-木インデックス | 高速な検索 | 制限事項が多い |
GINインデックス | 部分一致検索 | 速度が遅い (B-木インデックスと比較) |
JSON型 | JSON型をサポートするツールで使用可能 | 変換処理が必要 |
別のテーブル | 配列要素を個別に管理可能 | 複雑な処理が必要 |
アプリケーション側で処理 | 柔軟な処理が可能 | 処理速度が遅くなる可能性 |
PostgreSQLで配列列をインデックス化する方法は、いくつかあります。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、状況に応じて最適な方法を選択する必要があります。
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