MySQL 5.6 以前のバージョンで発生する SELECT ステートメントにおける浮動小数点型の加算と代入の不具合の解決策
MySQL 5.6 以前の SELECT での同時浮動小数点加算と代入の制限
MySQL 5.6 以前のバージョンでは、SELECT ステートメント内で浮動小数点型の値を同時に加算と代入する操作を行うと、予期せぬ結果が生じる可能性がありました。この問題は、5.6 以降のバージョンで修正されています。
問題点
以下のコード例のような SELECT ステートメントを実行した場合、result
変数に期待される値と異なる値が格納される可能性があります。
SELECT @result := @result + 0.1;
この問題は、@result
変数の値が更新される前に、+ 0.1
演算が行われるため発生します。つまり、0.1
が加算される前に、@result
変数の古い値が使用されます。
解決策
この問題を解決するには、以下のいずれかの方法を使用できます。
- 6 以降の MySQL バージョンを使用する
5.6 以降のバージョンでは、この問題は修正されています。そのため、5.6 以降のバージョンを使用すれば、問題なく動作します。
- SELECT ステートメント内で変数を直接更新しない
SELECT ステートメント内で変数を直接更新するのではなく、UPDATE ステートメントを使用して変数を更新します。
UPDATE some_table
SET some_column = @result + 0.1
WHERE some_condition;
- 中間変数を使用する
中間変数を使用して、+ 0.1
演算の結果を格納します。
SET @temp := @result + 0.1;
SELECT @result := @temp;
影響を受けるユーザー
以下のいずれかに該当するユーザーがこの問題の影響を受けます。
- MySQL 5.6 以前のバージョンを使用しているユーザー
- SELECT ステートメント内で浮動小数点型の値を同時に加算と代入する操作を行うユーザー
-- MySQL 5.6 以前のバージョンで実行
SET @result := 1.0;
SELECT @result := @result + 0.1;
SELECT @result;
このコードを実行すると、@result
変数の値は 1.1
ではなく、1.0000000000000002
となります。これは、+ 0.1
演算が行われる前に、@result
変数の古い値である 1.0
が使用されるためです。
以下のコードは、問題を解決するための回避策を示しています。
-- MySQL 5.6 以降のバージョンで実行
SET @result := 1.0;
SELECT @result := @result + 0.1;
SELECT @result;
このコードは、MySQL 5.6 以降のバージョンで実行すると、@result
変数の値は期待通り 1.1
となります。
-- MySQL 5.6 以前のバージョンで実行
SET @result := 1.0;
UPDATE some_table
SET some_column = @result + 0.1
WHERE some_condition;
SELECT @result;
このコードは、UPDATE
ステートメントを使用して @result
変数を更新します。この方法を使用すると、@result
変数の値は期待通り 1.1
となります。
方法 3: 中間変数を使用する
-- MySQL 5.6 以前のバージョンで実行
SET @result := 1.0;
SET @temp := @result + 0.1;
SELECT @result := @temp;
SELECT @result;
これらのサンプルコードを参考に、ご自身の環境に合わせて問題を解決してください。
ストアドプロシージャを使用して、SELECT
ステートメントと UPDATE
ステートメントをまとめて実行することができます。
DELIMITER //
CREATE PROCEDURE update_result()
BEGIN
SET @result := @result + 0.1;
UPDATE some_table
SET some_column = @result
WHERE some_condition;
END //
DELIMITER ;
CALL update_result();
ユーザー変数は、セッション間で値を保持することができます。
SET @result := 1.0;
SELECT @result := @result + 0.1;
SET @result_old := @result;
SELECT @result;
SET @result := @result_old;
これらの方法は、上記で紹介した方法よりも複雑ですが、より柔軟な解決策を提供することができます。
注意事項
- 上記の方法は、MySQL 5.6 以前のバージョンでのみ使用できます。
- これらの方法は、すべての状況で有効とは限りません。ご自身の環境に合わせて、適切な方法を選択してください。
mysql select mariadb