SQLiteでサブクエリとGROUP_CONCATで複数著者名をカンマ区切りで表示する

2024-05-25

SQLite におけるサブクエリと GROUP_CONCAT を SELECT ステートメントの列として使用する方法

SQLite におけるサブクエリと GROUP_CONCAT 関数は、複雑なデータ抽出や集計処理において非常に強力なツールとなります。 このガイドでは、SELECT ステートメントの列としてサブクエリと GROUP_CONCAT を組み合わせる方法について、分かりやすく説明します。

書籍管理システムにおける書籍とその著者に関するデータテーブルがあると仮定しましょう。 それぞれのテーブル構造は以下の通りです。

books テーブル:

列名データ型説明
book_idINTEGER書籍のユニークな識別子
titleTEXT書籍のタイトル
author_idINTEGER著者ID (authors テーブルの主キーを参照)
列名データ型説明
author_idINTEGER著者ID
first_nameTEXT著者名 (名)
last_nameTEXT著者名 (姓)

この例では、以下のタスクを実行したいと考えます。

  1. 各書籍とその著者の名前 (名と姓) を 1 行にまとめて表示する。
  2. 複数の著者を持つ書籍の場合、それぞれの名前をカンマ区切りで連結して表示する。

解決策

上記のタスクを達成するには、以下の SQL クエリを使用します。

SELECT book_id, title,
  GROUP_CONCAT(authors.first_name || ' ' || authors.last_name, ', ') AS authors
FROM books
JOIN authors ON books.author_id = authors.author_id
GROUP BY books.book_id, books.title;

クエリ解説:

  1. SELECT: この句は、SELECT ステートメントで取得する列を指定します。 ここでは、book_idtitle、およびサブクエリによって生成される authors 列を選択します。
  2. FROM: この句は、クエリで使用されるテーブルを指定します。 ここでは、books テーブルと authors テーブルを結合します。
  3. JOIN: この句は、books テーブルと authors テーブルを結合する方法を定義します。 ここでは、books.author_id 列と authors.author_id 列を等価条件として結合します。
  4. GROUP BY: この句は、結果セットをグループ化する方法を指定します。 ここでは、books.book_id 列と books.title 列でグループ化します。 これにより、同じ書籍IDとタイトルを持つすべての行が 1 つのグループにまとめられます。
  5. GROUP_CONCAT: この関数は、グループ内の値を連結して 1 つの文字列にします。 ここでは、authors.first_name 列と authors.last_name 列の値をカンマ区切りで連結し、authors という名前の列として出力します。
  6. ||: この演算子は、文字列を連結するために使用されます。ここでは、authors.first_nameauthors.last_name の値を連結するために使用されます。
  7. ,: この文字列は、連結された著者名の間にカンマを挿入するために使用されます。

実行結果

このクエリを実行すると、以下の結果が得られます。

book_idtitleauthors
1ハリー・ポッターと賢者の石J.K.ローリング
2ナルニア国物語: ライオン、魔女、そしてワードローブC.S.ルイス
3指輪物語J.R.R.トールキン, 評論家

補足

  • GROUP_CONCAT 関数は、長い文字列を生成する可能性があります。 必要に応じて、LENGTH() 関数を使用して文字列の長さを制限することができます。
  • 代わりに DISTINCT キーワードを使用することで、各書籍に対して重複する著者名を除外することができます。



    サンプルコード:SQLite におけるサブクエリと GROUP_CONCAT を列として使用する

    -- データベースの作成とテーブルの作成
    CREATE TABLE books (
      book_id INTEGER PRIMARY KEY,
      title TEXT NOT NULL
    );
    
    CREATE TABLE authors (
      author_id INTEGER PRIMARY KEY,
      first_name TEXT NOT NULL,
      last_name TEXT NOT NULL
    );
    
    -- データ挿入
    INSERT INTO books (book_id, title) VALUES
      (1, 'ハリー・ポッターと賢者の石'),
      (2, 'ナルニア国物語: ライオン、魔女、そしてワードローブ'),
      (3, '指輪物語');
    
    INSERT INTO authors (author_id, first_name, last_name) VALUES
      (1, 'J.K.', 'ローリング'),
      (2, 'C.S.', 'ルイス'),
      (3, 'J.R.R.', 'トールキン'),
      (4, 'ロバート', 'フォスター');
    
    -- 各書籍とその著者の名前を表示するクエリ
    SELECT book_id, title,
      GROUP_CONCAT(authors.first_name || ' ' || authors.last_name, ', ') AS authors
    FROM books
    JOIN authors ON books.author_id = authors.author_id
    GROUP BY books.book_id, books.title;
    

    このコードの説明:

    1. 最初の部分では、booksauthors という名前の 2 つのテーブルを作成します。 各テーブルの列名とデータ型を定義しています。
    2. 次に、各テーブルにデータを挿入します。 books テーブルには書籍のタイトルを、authors テーブルには著者の名前と苗字を挿入します。
    3. 最後に、SELECT ステートメントを使用して、各書籍とその著者の名前を表示するクエリを実行します。 このクエリは、前述の例で説明したクエリと同じです。

    このサンプルコードを実行することで、SQLite におけるサブクエリと GROUP_CONCAT を列として使用する基本的な使用方法を理解することができます。

    • このコードは、SQLite データベースファイルを使用していることを前提としています。 他のデータベース管理システムを使用している場合は、それに応じてコードを変更する必要があります。
    • データベースファイルがパスワードで保護されている場合は、接続時に適切なパスワードを指定する必要があります。



    SQLite でサブクエリと GROUP_CONCAT を列として使用するその他の方法

    方法 1: 列のエイリアスを使用する

    以下のクエリは、前述の例とほぼ同じ結果を返しますが、列のエイリアスを使用してコードをより簡潔に記述しています。

    SELECT book_id, title,
      GROUP_CONCAT(authors.first_name || ' ' || authors.last_name) AS author_names
    FROM books
    JOIN authors ON books.author_id = authors.author_id
    GROUP BY books.book_id, books.title;
    

    変更点:

    • authors という名前の列が author_names という名前に変更されています。

    方法 2: サブクエリを WHERE 句で使用す

    以下のクエリは、サブクエリを WHERE 句で使用して、各書籍とその著者名を 1 行にまとめた文字列を含む行のみを抽出する方法を示しています。

    SELECT book_id, title
    FROM books
    WHERE book_id IN (
      SELECT book_id
      FROM books
      JOIN authors ON books.author_id = authors.author_id
      GROUP BY books.book_id, books.title
    );
    
    • このクエリは、2 つの books テーブルと 1 つの authors テーブルを結合する 2 つのサブクエリを使用しています。
    • 外側のサブクエリは、book_id 列を抽出し、WHERE 句で使用します。
    • 内側のサブクエリは、各書籍とその著者名を 1 行にまとめた文字列を含む book_id 列を抽出します。

    方法 3: ウィンドウ関数を使用する

    SQLite バージョン 3.31.0 以降では、ウィンドウ関数を使用してサブクエリや GROUP_CONCAT を使用するよりも効率的に同じ結果を達成することができます。

    SELECT book_id, title,
      string_agg(authors.first_name || ' ' || authors.last_name, ', ') OVER (
        PARTITION BY book_id, title
        ORDER BY authors.author_id
      ) AS authors
    FROM books
    JOIN authors ON books.author_id = authors.author_id
    ORDER BY book_id, title;
    
    • このクエリは、ウィンドウ関数 string_agg を使用しています。
    • PARTITION BY 句を使用して、結果セットを book_idtitle 列で分割します。
    • ORDER BY 句を使用して、各パーティション内の著者の名前を author_id 列で昇順にソートします。

    各方法の比較

    それぞれの方法には、長所と短所があります。

    • 方法 1: 最もシンプルでわかりやすい方法ですが、他の方法と比べて冗長になる可能性があります。
    • 方法 2: サブクエリを WHERE 句で使用することで、より柔軟なクエリを作成することができますが、他の方法と比べて非効率になる可能性があります。
    • 方法 3: ウィンドウ関数を使用する方法は、最も効率的で、最新のバージョンの SQLite でのみ使用できます。

    どの方法を使用するかは、個々のニーズと要件によって異なります。 シンプルでわかりやすい方法が必要な場合は、方法 1 が適しています。 より柔軟なクエリを作成する必要がある場合は、方法 2 が適しています。 最新のバージョンの SQLite を使用していて、パフォーマンスが重要な場合は、方法 3 が適しています。


    sqlite


    初心者でも安心!コマンドプロンプトからSQLite3データベースを作成する方法

    SQLite3 のインストールSQLite3 はデフォルトでインストールされていない場合があります。以下のコマンドを実行してインストールしましょう。データベースファイルの作成コマンドプロンプトを開き、データベースファイルを作成したい場所に移動します。以下のコマンドを実行して、新しいデータベースファイルを作成します。...


    SQLite で複数行のデータを1行にまとめる方法とは?

    GROUP BY を使用する最も一般的な方法は、GROUP BY 句を使用することです。この句は、各グループ内の行を 1 行にまとめるために使用できます。以下に、GROUP BY を使用して、顧客 ID と注文数を 1 行ずつ選択するクエリ例を示します。...


    SQLiteデータベースを操作する3つの方法:GUIツール、コマンドラインツール、Python

    これらのツールは、GUIを使って直感的に操作できますが、プログラミングによってより高度な操作を行うことも可能です。自動化: 繰り返し行うタスクを自動化できます。複雑な操作: GUIでは難しい複雑な操作を実行できます。データ分析: データ分析や可視化のためのツールと連携できます。...


    Python スクリプトを使って SQLite クエリを実行する

    ここでは、コマンドラインで SQLite クエリを実行して終了する方法を、3 つの方法に分けて解説します。概要sqlite3 コマンドは、SQLite データベースを操作するためのコマンドラインツールです。このコマンドを使用して、データベースを開き、クエリを実行し、結果を表示することができます。...


    SQL SQL SQL SQL Amazon で見る



    SQLiteのGROUP_CONCAT関数で複数列を結合する方法:注文履歴をカンマ区切りで表示

    基本的な構文例:顧客ごとの注文履歴顧客テーブル customers と注文テーブル orders を用いて、顧客ごとの注文履歴を結合してみましょう。このクエリは、以下の結果を返します。複数の区切り文字区切り文字を複数指定することで、より柔軟な結合が可能です。例えば、カンマと改行を組み合わせることで、各注文履歴を改行で区切ることができます。


    SQLite: サブクエリで賢くデータ操作! 結合テクニック完全ガイド

    サブクエリを用いた IN 句サブクエリを IN 句で使用することで、あるテーブルの列値が、別のサブクエリで取得した結果セットに含まれているかどうかを確認できます。具体的には、以下の構文を用います。例: 特定の顧客IDを持つすべての注文を取得する