SQLデータベースにおけるリスト格納方法の比較

2024-04-03

SQLデータベースにおけるリストの格納方法

カンマ区切り文字列

最も簡単な方法は、リストの要素をカンマで区切って、1つの文字列として格納する方法です。

例:

-- テーブル作成
CREATE TABLE my_table (
  id INT,
  list_data VARCHAR(255)
);

-- データ挿入
INSERT INTO my_table (id, list_data) VALUES (1, 'a,b,c');

この方法はシンプルですが、リストの要素数が増えると、文字列長が長くなり、パフォーマンスや管理が難しくなります。また、リストの要素を個別に検索したり、操作したりするには、複雑な処理が必要になります。

長所:

  • シンプルで実装が簡単
  • データベースの容量を節約できる
  • リストの要素数が多いとパフォーマンスが低下する
  • リストの要素を個別に検索・操作するのが難しい

JSONは、データ構造を記述するための軽量なフォーマットです。リストをJSON形式で格納することで、要素を個別に格納することができ、検索や操作が容易になります。

-- テーブル作成
CREATE TABLE my_table (
  id INT,
  list_data JSON
);

-- データ挿入
INSERT INTO my_table (id, list_data) VALUES (1, '["a", "b", "c"]');

JSON形式は、人間にとっても読みやすいので、データの可読性も向上します。

  • データの可読性が高い
  • カンマ区切り文字列よりもデータベースの容量を多く使用する

配列型データ型

PostgreSQLやMySQLなどの多くのデータベースでは、配列型データ型がサポートされています。配列型データ型を使用することで、リストをそのまま格納することができます。

-- テーブル作成
CREATE TABLE my_table (
  id INT,
  list_data INT[]
);

-- データ挿入
INSERT INTO my_table (id, list_data) VALUES (1, ARRAY[1, 2, 3]);

配列型データ型は、リストの要素を個別に検索・操作することができ、パフォーマンスも良好です。

  • パフォーマンスが良い
  • すべてのデータベースでサポートされているわけではない

エンティティ・アトリビュート・バリュー (EAV) モデル

EAVモデルは、データをキーと値のペアとして格納するデータモデルです。リストをEAVモデルで格納するには、リストの要素を個別にレコードとして格納します。

-- テーブル作成
CREATE TABLE my_table (
  id INT,
  key VARCHAR(255),
  value VARCHAR(255)
);

-- データ挿入
INSERT INTO my_table (id, key, value) VALUES (1, 'list', 'a');
INSERT INTO my_table (id, key, value) VALUES (1, 'list', 'b');
INSERT INTO my_table (id, key, value) VALUES (1, 'list', 'c');

EAVモデルは、柔軟性が高いデータモデルですが、複雑なクエリが必要になる場合があり、パフォーマンスが低下する可能性があります。

  • 柔軟性が高い
  • 複雑なデータ構造を格納できる
  • 複雑なクエリが必要になる場合がある
  • パフォーマンスが低下する可能性がある
  • シンプルなリストで、要素数をあまり多くしない場合は、カンマ区切り文字列がおすすめです。
  • リストの要素を個別に検索・操作する必要がある場合は、JSONまたは配列型データ型がおすすめです。
  • 柔軟性が高いデータモデルが必要場合は、EAVモデルがおすすめです。

SQLデータベースにリストを格納するには、いくつかの方法があります。それぞれの方法には、長所と短所があり、最適な方法は、リストの構造やデータの使用方法によって異なります。

上記の解説を参考に、最適な方法を選択してください。




カンマ区切り文字列

-- テーブル作成
CREATE TABLE my_table (
  id INT,
  list_data VARCHAR(255)
);

-- データ挿入
INSERT INTO my_table (id, list_data) VALUES (1, 'a,b,c');

-- データ取得
SELECT list_data FROM my_table WHERE id = 1;

-- リストの要素を分割
SET @list = (SELECT list_data FROM my_table WHERE id = 1);
SELECT TRIM(item) FROM STR_TO_TABLE(@list, ',', 1) AS t;

JSON

-- テーブル作成
CREATE TABLE my_table (
  id INT,
  list_data JSON
);

-- データ挿入
INSERT INTO my_table (id, list_data) VALUES (1, '["a", "b", "c"]');

-- データ取得
SELECT list_data FROM my_table WHERE id = 1;

-- リストの要素を個別に取得
SELECT json_extract(list_data, '$[0]');
SELECT json_extract(list_data, '$[1]');
SELECT json_extract(list_data, '$[2]');

配列型データ型

-- テーブル作成
CREATE TABLE my_table (
  id INT,
  list_data INT[]
);

-- データ挿入
INSERT INTO my_table (id, list_data) VALUES (1, ARRAY[1, 2, 3]);

-- データ取得
SELECT list_data FROM my_table WHERE id = 1;

-- リストの要素を個別に取得
SELECT list_data[1];
SELECT list_data[2];
SELECT list_data[3];

エンティティ・アトリビュート・バリュー (EAV) モデル

-- テーブル作成
CREATE TABLE my_table (
  id INT,
  key VARCHAR(255),
  value VARCHAR(255)
);

-- データ挿入
INSERT INTO my_table (id, key, value) VALUES (1, 'list', 'a');
INSERT INTO my_table (id, key, value) VALUES (1, 'list', 'b');
INSERT INTO my_table (id, key, value) VALUES (1, 'list', 'c');

-- データ取得
SELECT value FROM my_table WHERE id = 1 AND key = 'list';

-- リストの要素を個別に取得
SELECT value FROM my_table WHERE id = 1 AND key = 'list' ORDER BY id ASC;




その他のリスト格納方法

-- テーブル作成
CREATE TABLE my_table (
  id INT,
  list_data XML
);

-- データ挿入
INSERT INTO my_table (id, list_data) VALUES (1, '<list><item>a</item><item>b</item><item>c</item></list>');

-- データ取得
SELECT list_data FROM my_table WHERE id = 1;

-- リストの要素を個別に取得
SELECT value FROM XMLTABLE(list_data, '/list/item') AS t;

カスタムデータ型

PostgreSQLなどのデータベースでは、カスタムデータ型を作成することができます。カスタムデータ型を作成することで、リストをより効率的に格納することができます。

-- カスタムデータ型作成
CREATE TYPE list AS (
  data INT[]
);

-- テーブル作成
CREATE TABLE my_table (
  id INT,
  list_data list
);

-- データ挿入
INSERT INTO my_table (id, list_data) VALUES (1, ARRAY[1, 2, 3]);

-- データ取得
SELECT list_data FROM my_table WHERE id = 1;

-- リストの要素を個別に取得
SELECT list_data[1];
SELECT list_data[2];
SELECT list_data[3];

補足

  • 上記のサンプルコードは、PostgreSQLを例にしています。他のデータベースを使用する場合は、コードを修正する必要があります。
  • データベースにリストを格納する前に、リストの構造を設計することが重要です。リストの構造によって、最適な格納方法が決まります。
  • パフォーマンスや可読性を考慮して、最適な方法を選択する必要があります。

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