意外と知らない?PostgreSQL「!=」と「<>」演算子の動作とNULL処理の詳細

2024-06-17

PostgreSQLにおける「!=」と「<>」演算子の違い

演算子の動作

  • !=: 多くのプログラミング言語と同様に、!= は "not equal to" を意味します。つまり、左側のオペランドが右側のオペランドと等しくない場合に真を返し、等しい場合は偽を返します。
  • <>: 記号 <> も "not equal to" を意味し、!= と同じように動作します。実際、PostgreSQL内部では != 演算子は構文解析時に <> 演算子に変換されます。

NULL値の処理

!=<> の唯一の違いは、NULL値 の処理にあります。

  • NULL値を含む場合: 少なくとも一方のオペランドが NULL である場合、!=<> は異なる結果を返す可能性があります。

    • !=: 少なくとも一方のオペランドが NULL である場合、!= は常に を返します。これは、NULL 値を "不明な値" として扱い、他の値と比較できないためです。
    • <>: 一方のオペランドが NULL である場合、<> を返します。ただし、両方のオペランドNULL である場合は を返します。これは、NULL 値同士を比較し、等しい とみなすためです。

使い分ける

一般的に、NULL値 の扱いについて特に意識する必要がない場合は、!=<> をどちらでも使用できます。

しかし、NULL値 の処理が重要となる場合、以下の点に注意する必要があります。

  • != を使用する場合は、NULL 値を "不明な値" として扱い、常に を返すことを理解する必要があります。
  • <> を使用する場合は、両方のオペランドNULL である場合のみ を返すことを理解する必要があります。

まとめ

演算子説明NULLを含む場合の動作
!=左右のオペランドが等しくない場合に真を返す常に真
<>左右のオペランドが等しくない場合に真を返す両方ともNULLの場合は偽

補足

  • PostgreSQLには、IS NULLIS NOT NULL 演算子を使用して、値が NULL であるかどうかを明示的に検査する方法もあります。
  • より複雑な NULL値 の処理が必要な場合は、CASE WHEN 式などの条件分岐構文を使用することができます。



    PostgreSQLにおける「!=」と「<>」演算子のサンプルコード

    演算子の基本的な動作

    -- 整数型の比較
    SELECT 1 != 2, 1 <> 2; -- 結果: true, true
    
    -- 文字列型の比較
    SELECT 'abc' != 'xyz', 'abc' <> 'xyz'; -- 結果: true, true
    
    -- 論理型の比較
    SELECT true != false, true <> false; -- 結果: true, true
    

    NULL値を含む場合

    -- 整数型とNULL値の比較
    SELECT 1 != NULL, 1 <> NULL; -- 結果: true, true
    
    -- 文字列型とNULL値の比較
    SELECT 'abc' != NULL, 'abc' <> NULL; -- 結果: true, true
    
    -- 論理型とNULL値の比較
    SELECT true != NULL, true <> NULL; -- 結果: true, true
    
    -- NULL同士の比較
    SELECT NULL != NULL, NULL <> NULL; -- 結果: true, false
    

    演算子の使い分け

    -- すべての値が等しくないことを確認したい場合
    SELECT * FROM customers WHERE customer_id != 100 AND customer_name <> 'John Doe';
    
    -- 少なくとも一方の値がNULLである場合に真を返す条件
    SELECT * FROM orders WHERE order_date IS NULL OR customer_id IS NULL;
    
    • 上記のコードは、PostgreSQL 14.2 で動作確認しています。
    • 実際の使用例では、必要に応じてテーブル名、列名、値などを置き換えてください。



      歴史的背景

      • "<> " は、SQL 標準で定義された本来の演算子です。
      • "!= " は、多くのプログラミング言語で使用される慣習的な表記であり、PostgreSQLを含む多くのデータベースシステムで "<> " のエイリアスとして実装されています。

      構文解析

      • PostgreSQL の構文解析器は、"!= " 演算子を見つけると、それを "<> " 演算子に変換します。
      • つまり、内部的には常に "<> " 演算子を使用して比較が行われます。

      動作の比較

      演算子説明NULLを含む場合の動作
      !=左右のオペランドが等しくない場合に真を返す常に真
      <>左右のオペランドが等しくない場合に真を返す両方ともNULLの場合は偽

      上記の通り、!=<> の動作は、NULL値 の処理を除いては同じです。

      • "!= " と "<> " は、PostgreSQL で値の不一致を比較するために使用できる演算子です。
      • 構文的には同じように見えますが、NULL値 の処理において微妙な違いがあります。
      • より複雑な NULL値 の処理が必要な場合は、IS NULLIS NOT NULLCASE WHEN などの構文を使用する必要があります。

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