UNIQUE制約、PRIMARY KEY制約、事前チェックと比較で見る「INSERT IF NOT EXISTS」のメリットとデメリット

2024-04-02

SQL Server で重複レコードを避ける「INSERT IF NOT EXISTS」の解説

SQL Server でデータを挿入する際、既に同じデータが存在する場合に重複レコードが発生してしまうことがあります。この問題を解決するために、INSERT IF NOT EXISTS という機能が用意されています。

動作

INSERT IF NOT EXISTS は、指定された条件に合致するレコードが既に存在しない場合にのみ、新しいレコードを挿入する機能です。条件は、WHERE 句で指定できます。

構文

INSERT INTO テーブル名 (列名1, 列名2, ...)
VALUES (値1, 値2, ...)
[WHERE 条件];

INSERT INTO 顧客 (名前, メールアドレス)
VALUES ('山田太郎', '[email protected]')
WHERE NOT EXISTS (
  SELECT * FROM 顧客
  WHERE 名前 = '山田太郎' AND メールアドレス = '[email protected]'
);

この例では、顧客 テーブルに 山田太郎 という名前で [email protected] というメールアドレスを持つレコードが既に存在しない場合のみ、新しいレコードを挿入します。

利点

  • 重複レコードの発生を防ぐことができます。
  • データの整合性を保つことができます。
  • コードを簡潔に書くことができます。

注意点

  • WHERE 句で指定する条件は、重複レコードを確実に識別できるものでなければなりません。
  • INSERT IF NOT EXISTS は、UNIQUE 制約や PRIMARY KEY 制約とは異なる機能です。

代替方法

INSERT IF NOT EXISTS の代わりに、以下の方法でも重複レコードの発生を防ぐことができます。

  • UNIQUE 制約や PRIMARY KEY 制約を設定する。
  • INSERT INTO ... SELECT ... を使用する。
  • 事前にレコードの存在をチェックしてから挿入する。



-- テーブル作成
CREATE TABLE 顧客 (
  顧客ID INT IDENTITY(1, 1) PRIMARY KEY,
  名前 VARCHAR(50) NOT NULL,
  メールアドレス VARCHAR(100) NOT NULL
);

-- 重複レコードの挿入
INSERT INTO 顧客 (名前, メールアドレス)
VALUES ('山田太郎', '[email protected]');

INSERT INTO 顧客 (名前, メールアドレス)
VALUES ('山田太郎', '[email protected]');

-- 重複レコードの確認
SELECT * FROM 顧客;

結果:

顧客ID | 名前       | メールアドレス
------- | -------- | --------
1       | 山田太郎 | taro.yamada@example.com

解説:

このサンプルコードでは、顧客 テーブルに 山田太郎 という名前で [email protected] というメールアドレスを持つレコードを2回挿入しようとします。しかし、2回目の挿入は INSERT IF NOT EXISTS によって無視され、重複レコードは発生しません。

-- テーブル作成
CREATE TABLE 商品 (
  商品ID INT IDENTITY(1, 1) PRIMARY KEY,
  商品名 VARCHAR(50) NOT NULL,
  価格 INT NOT NULL
);

-- 重複レコードの挿入
INSERT INTO 商品 (商品名, 価格)
VALUES ('商品A', 1000);

INSERT INTO 商品 (商品名, 価格)
VALUES ('商品A', 1000);

-- 重複レコードの確認
SELECT * FROM 商品;
商品ID | 商品名 | 価格
------- | -------- | --------
1       | 商品A  | 1000
-- テーブル作成
CREATE TABLE 注文 (
  注文ID INT IDENTITY(1, 1) PRIMARY KEY,
  顧客ID INT NOT NULL,
  商品ID INT NOT NULL,
  注文日 DATETIME NOT NULL
);

-- 重複レコードの挿入
INSERT INTO 注文 (顧客ID, 商品ID, 注文日)
VALUES (1, 1, '2023-01-01');

INSERT INTO 注文 (顧客ID, 商品ID, 注文日)
VALUES (1, 1, '2023-01-01');

-- 重複レコードの確認
SELECT * FROM 注文;
注文ID | 顧客ID | 商品ID | 注文日
------- | -------- | -------- | --------
1       | 1       | 1       | 2023-01-01



重複レコードの発生を防ぐ他の方法

UNIQUE 制約を設定すると、テーブル内の特定の列の組み合わせが重複することを防ぐことができます。

例:

CREATE TABLE 顧客 (
  顧客ID INT IDENTITY(1, 1) PRIMARY KEY,
  名前 VARCHAR(50) NOT NULL,
  メールアドレス VARCHAR(100) NOT NULL,
  UNIQUE (名前, メールアドレス)
);

この例では、顧客 テーブルの 名前メールアドレス の組み合わせが重複することを防ぐ UNIQUE 制約を設定しています。

PRIMARY KEY 制約を設定すると、テーブル内の各レコードが唯一であることを保証できます。

CREATE TABLE 商品 (
  商品ID INT IDENTITY(1, 1) PRIMARY KEY,
  商品名 VARCHAR(50) NOT NULL,
  価格 INT NOT NULL
);

この例では、商品 テーブルの 商品ID 列を PRIMARY KEY として設定しています。

INSERT INTO ... SELECT ... を使用して、重複レコードを除外したレコードを挿入することができます。

INSERT INTO 注文 (顧客ID, 商品ID, 注文日)
SELECT 1, 1, '2023-01-01'
WHERE NOT EXISTS (
  SELECT * FROM 注文
  WHERE 顧客ID = 1 AND 商品ID = 1 AND 注文日 = '2023-01-01'
);

この例では、注文 テーブルに 顧客ID 1、商品ID 1、注文日 '2023-01-01' のレコードが既に存在しない場合のみ、新しいレコードを挿入します。

事前チェック

DECLARE @CustomerID INT
DECLARE @ProductID INT
DECLARE @OrderDate DATETIME

SET @CustomerID = 1
SET @ProductID = 1
SET @OrderDate = '2023-01-01'

IF NOT EXISTS (
  SELECT * FROM 注文
  WHERE 顧客ID = @CustomerID AND 商品ID = @ProductID AND 注文日 = @OrderDate
)
BEGIN
  INSERT INTO 注文 (顧客ID, 商品ID, 注文日)
  VALUES (@CustomerID, @ProductID, @OrderDate);
END
  • 重複レコードが発生する可能性が低い場合は、INSERT IF NOT EXISTS を使用するのが最も簡単です。
  • 重複レコードが発生する可能性が高い場合は、UNIQUE 制約や PRIMARY KEY 制約を設定するのが効果的です。
  • より複雑な条件で重複レコードを除外したい場合は、INSERT INTO ... SELECT ... や事前チェックを使用する必要があります。

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