SQLite INSERT OR IGNORE と INSERT OR REPLACE の違い

2024-04-02

SQLiteで「存在しない場合は挿入」ステートメント

INSERT OR IGNORE

構文:

INSERT OR IGNORE INTO テーブル名 (列名1, 列名2, ...) VALUES (値1, 値2, ...);

説明:

  • OR IGNORE キーワードを追加することで、レコードが存在する場合、エラーを無視して処理を続けます。
  • 既存レコードと一致する列は、すべて比較されます。

例:

INSERT OR IGNORE INTO users (name, email) VALUES ("John Doe", "[email protected]");

注意点:

  • 存在チェックは、主キーまたはUNIQUE制約のある列に基づいて行われます。
  • 既存レコードと一致する部分一致では、レコードが挿入されない場合があります。

INSERT OR REPLACE

INSERT OR REPLACE INTO テーブル名 (列名1, 列名2, ...) VALUES (値1, 値2, ...);

INSERT OR REPLACE INTO users (name, email) VALUES ("John Doe", "[email protected]");

INSERT INTO ... SELECT ...

INSERT INTO テーブル名 (列名1, 列名2, ...)
SELECT 列名1, 列名2, ...
FROM テーブル名
WHERE 条件;
  • SELECT ステートメントを使用して、挿入するレコードを抽出します。
  • WHERE 句を使用して、抽出条件を指定します。
  • 抽出結果が空の場合、何も挿入されません。
INSERT INTO users (name, email)
SELECT name, email
FROM users_temp
WHERE email NOT IN (SELECT email FROM users);
  • 抽出結果が複数レコードの場合、すべて挿入されます。
  • 存在チェックは、WHERE 句で指定された条件に基づいて行われます。

MERGE ステートメント (SQLite 3.37 以降)**

MERGE INTO テーブル名 AS t
USING テーブル名 AS s
ON t.列名 = s.列名
WHEN MATCHED THEN
    UPDATE SET t.列名 = s.列名, ...
WHEN NOT MATCHED THEN
    INSERT (列名1, 列名2, ...) VALUES (値1, 値2, ...);
  • MERGE ステートメントは、INSERT、UPDATE、DELETE をまとめて実行できます。
  • WHEN MATCHED 句は、既存レコードと一致する場合の処理を指定します。
MERGE INTO users AS t
USING users_temp AS s
ON t.email = s.email
WHEN MATCHED THEN
    UPDATE SET t.name = s.name
WHEN NOT MATCHED THEN
    INSERT (name, email) VALUES (s.name, s.email);
  • SQLite 3.37 以降でのみ使用できます。
  • 複雑な処理が可能です。

SQLiteで「存在しない場合は挿入」ステートメントには、いくつかの方法があります。それぞれの特徴を理解して、目的に合った方法を選択してください。



INSERT OR IGNORE

import sqlite3

# データベース接続
connection = sqlite3.connect("sample.db")
cursor = connection.cursor()

# INSERT OR IGNORE ステートメント
sql = """
INSERT OR IGNORE INTO users (name, email)
VALUES (?, ?);
"""

# データ挿入
cursor.execute(sql, ("John Doe", "[email protected]"))

# コミット
connection.commit()

# 接続解除
cursor.close()
connection.close()

INSERT OR REPLACE

import sqlite3

# データベース接続
connection = sqlite3.connect("sample.db")
cursor = connection.cursor()

# INSERT OR REPLACE ステートメント
sql = """
INSERT OR REPLACE INTO users (name, email)
VALUES (?, ?);
"""

# データ更新
cursor.execute(sql, ("John Doe", "[email protected]"))

# コミット
connection.commit()

# 接続解除
cursor.close()
connection.close()

INSERT INTO ... SELECT ...

import sqlite3

# データベース接続
connection = sqlite3.connect("sample.db")
cursor = connection.cursor()

# INSERT INTO ... SELECT ... ステートメント
sql = """
INSERT INTO users (name, email)
SELECT name, email
FROM users_temp
WHERE email NOT IN (SELECT email FROM users);
"""

# データ挿入
cursor.execute(sql)

# コミット
connection.commit()

# 接続解除
cursor.close()
connection.close()

MERGE ステートメント (SQLite 3.37 以降)

import sqlite3

# データベース接続
connection = sqlite3.connect("sample.db")
cursor = connection.cursor()

# MERGE ステートメント
sql = """
MERGE INTO users AS t
USING users_temp AS s
ON t.email = s.email
WHEN MATCHED THEN
    UPDATE SET t.name = s.name
WHEN NOT MATCHED THEN
    INSERT (name, email) VALUES (s.name, s.email);
"""

# データ更新・挿入
cursor.execute(sql)

# コミット
connection.commit()

# 接続解除
cursor.close()
connection.close()

実行環境:

  • Python 3
  • SQLite 3

注意事項:

  • 上記コードはサンプルです。実際の環境に合わせて変更してください。
  • データベース接続やコミット処理は、必要に応じて変更してください。


SQLiteで「存在しない場合は挿入」ステートメントを行う他の方法

INSERT IF NOT EXISTS トリガー

CREATE TRIGGER トリガー名
BEFORE INSERT ON テーブル名
FOR EACH ROW
BEGIN
    SELECT COUNT(*)
    FROM テーブル名
    WHERE 条件;
    IF NEW.列名 IS NOT NULL AND COUNT(*) = 0 THEN
        INSERT INTO テーブル名 (列名1, 列名2, ...)
        VALUES (NEW.列名1, NEW.列名2, ...);
    END IF;
END;
  • INSERT トリガーを使用して、レコード挿入前に処理を実行できます。
  • COUNT(*) を使用して、既存レコードの数をカウントします。
  • 既存レコードが存在しない場合のみ、新しいレコードを挿入します。
CREATE TRIGGER before_insert_users
BEFORE INSERT ON users
FOR EACH ROW
BEGIN
    SELECT COUNT(*)
    FROM users
    WHERE email = NEW.email;
    IF NEW.email IS NOT NULL AND COUNT(*) = 0 THEN
        INSERT INTO users (name, email)
        VALUES (NEW.name, NEW.email);
    END IF;
END;
  • トリガーは、データベース接続ごとに一度だけ実行されます。
  • 複雑な処理には向いていません。

Upsert クエリ (SQLite 3.35 以降)**

INSERT INTO テーブル名 (列名1, 列名2, ...) VALUES (?, ?, ...)
ON CONFLICT (列名) DO UPDATE SET 列名 = ?, ...;
  • ON CONFLICT 句を使用して、競合時の処理を指定できます。
  • DO UPDATE 句を使用して、既存レコードを更新します。
INSERT INTO users (name, email) VALUES (?, ?)
ON CONFLICT (email) DO UPDATE SET name = ?;
  • 既存レコードの一部のみ更新する場合に便利です。

一時テーブルを使用

手順:

  1. 一時テーブルを作成します。
  2. 一時テーブルの内容をメインテーブルにマージします。
-- 一時テーブル作成
CREATE TABLE tmp_users (
    name TEXT,
    email TEXT
);

-- 一時テーブルへのデータ挿入
INSERT INTO tmp_users (name, email)
VALUES (?, ?);

-- 一時テーブルとメインテーブルのマージ
INSERT INTO users (name, email)
SELECT name, email
FROM tmp_users
WHERE email NOT IN (SELECT email FROM users);

-- 一時テーブル削除
DROP TABLE tmp_users;
  • 一時テーブルの管理が必要になります。

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方法 1: INSERT OR IGNORE を使用するINSERT OR IGNORE ステートメントは、レコードが既に存在する場合、そのレコードを挿入せず、エラーも発生させません。例:このステートメントは、users テーブルに name が John Doe、email が johndoe@example