ストアドプロシージャ、トランザクション、Batch API:SQL Serverでバッチ処理を実行する3つの方法

2024-06-15

SQL Serverにおけるバッチ処理ステートメント("GO"を使用する)の利点

**"GO"**を使用する利点は次のとおりです。

  • コードの可読性と保守性を向上させる: "GO"を使用して、論理的に関連するステートメントをグループ化することで、コードをより読みやすく、理解しやすくなります。また、個々のステートメントをデバッグおよびトラブルシューティングしやすくなります。
  • トランザクションを制御する: "GO"を使用して、開始トランザクションとコミットトランザクションを明示的に指定することで、トランザクションの境界を明確に定義できます。これは、データの整合性を保ち、エラーが発生した場合にロールバックできるようにするために重要です。
  • エラー処理を簡素化する: "GO"を使用して、ステートメントのバッチを分離することで、エラーが発生した場合に影響を受けるステートメントを特定しやすくなります。これにより、エラー処理ロジックをより効果的に記述できます。
  • パフォーマンスを向上させる: 場合によっては、"GO"を使用してステートメントをバッチ処理することで、パフォーマンスを向上させることができます。これは、SQL Serverが一度に複数のステートメントを処理できるためです。

**"GO"**を使用する際の注意点:

  • すべてのT-SQLステートメントで使用できるわけではない: "GO"は、データ操作言語(DML)ステートメントで使用できますが、データ定義言語(DDL)ステートメントで使用することはできません。
  • セミコロンと混同しない: セミコロン(;)は、T-SQLステートメントの終結を示すために使用されますが、"GO"とは異なり、ステートメントのバッチを終了するものではありません。

例:

-- 新しいユーザーを作成するバッチ
CREATE USER johndoe WITH PASSWORD = 'Pa$$w0rd123';
GO

-- ユーザー johndoe に Sales テーブルへのアクセス権を付与する
GRANT SELECT ON Sales TO johndoe;
GO

この例では、"GO"を使用して、2つのステートメントを論理的に関連するバッチにグループ化しています。最初のステートメントは新しいユーザーを作成し、2番目のステートメントはそのユーザーに特定のテーブルへのアクセス権を付与します。

"GO"は、SQL ServerでT-SQLコードを記述する際に役立つ便利な構文です。コードの可読性、保守性、トランザクション制御、エラー処理、パフォーマンスを向上させるために使用できます。ただし、"GO"はすべてのT-SQLステートメントで使用できるわけではないことに注意し、セミコロンと混同しないようにする必要があります。




    サンプルコード:顧客注文処理

    -- 顧客注文ヘッダーを挿入する
    INSERT INTO Orders (CustomerID, OrderDate)
    VALUES (@CustomerID, @OrderDate);
    GO
    
    -- 注文明細行を挿入する
    INSERT INTO OrderDetails (OrderID, ProductID, Quantity, UnitPrice)
    VALUES (@OrderID, @ProductID, @Quantity, @UnitPrice);
    GO
    
    -- 顧客の残高を更新する
    UPDATE Customers
    SET Balance = Balance - @TotalAmount
    WHERE CustomerID = @CustomerID;
    GO
    
    -- 注文ステータスを更新する
    UPDATE Orders
    SET OrderStatus = 'Completed'
    WHERE OrderID = @OrderID;
    GO
    

    説明:

    1. 最初のステートメントは、Ordersテーブルに新しい注文ヘッダーレコードを挿入します。@CustomerID@OrderDate は、パラメーター化された入力値です。
    2. 2番目のステートメントは、OrderDetailsテーブルに注文明細行を挿入します。@OrderID@ProductID@Quantity、および @UnitPrice は、パラメーター化された入力値です。
    3. 3番目のステートメントは、Customersテーブルの顧客の残高を更新します。@TotalAmount は、パラメーター化された入力値です。
    4. 4番目のステートメントは、Ordersテーブルの注文ステータスを "完了済み" に更新します。@OrderID は、パラメーター化された入力値です。

    この例では、"GO"を使用して、各ステートメントが完了する前に明示的に実行されるようにしています。これは、トランザクションの境界を明確に定義し、エラーが発生した場合にロールバックできるようにするためです。

    注意:

    このコードは単純化された例であり、本番環境で使用される前に拡張する必要がある場合があります。たとえば、エラー処理、ロギング、およびセキュリティ機能を追加する必要があります。




    SQL Serverでバッチ処理ステートメントを実行する他の方法

    プロシージャ:

    ストアド プロシージャは、再利用可能な一連のT-SQLステートメントをカプセル化する方法です。プロシージャは、CREATE PROCEDUREステートメントを使用して作成されます。プロシージャを実行するには、EXECステートメントを使用します。

    -- 顧客注文を処理するストアド プロシージャを作成する
    CREATE PROCEDURE ProcessOrder
      @CustomerID INT,
      @OrderDate DATETIME,
      @ProductID INT,
      @Quantity INT,
      @UnitPrice DECIMAL(18,2)
    AS
    BEGIN
      -- 顧客注文ヘッダーを挿入する
      INSERT INTO Orders (CustomerID, OrderDate)
      VALUES (@CustomerID, @OrderDate);
    
      -- 注文明細行を挿入する
      INSERT INTO OrderDetails (OrderID, ProductID, Quantity, UnitPrice)
      VALUES (@@IDENTITY, @ProductID, @Quantity, @UnitPrice);
    
      -- 顧客の残高を更新する
      UPDATE Customers
      SET Balance = Balance - @TotalAmount
      WHERE CustomerID = @CustomerID;
    
      -- 注文ステータスを更新する
      UPDATE Orders
      SET OrderStatus = 'Completed'
      WHERE OrderID = @@IDENTITY;
    END;
    GO
    
    -- ストアド プロシージャを実行する
    EXEC ProcessOrder
      @CustomerID = 123,
      @OrderDate = '2024-06-15',
      @ProductID = 456,
      @Quantity = 10,
      @UnitPrice = 19.95;
    

    利点:

    • コードの可読性と保守性を向上させることができます。
    • コードを再利用できます。
    • 複雑なロジックをカプセル化できます。
    • "GO" キーワードよりも実行速度が遅くなる場合があります。

    トランザクションは、一連のT-SQLステートメントを単一の論理単位としてグループ化する方法です。トランザクションは、BEGIN TRANSACTIONステートメントで開始し、COMMIT TRANSACTIONまたはROLLBACK TRANSACTIONステートメントで終了します。

    -- 顧客注文を処理するトランザクション
    BEGIN TRANSACTION;
    
      -- 顧客注文ヘッダーを挿入する
      INSERT INTO Orders (CustomerID, OrderDate)
      VALUES (@CustomerID, @OrderDate);
    
      -- 注文明細行を挿入する
      INSERT INTO OrderDetails (OrderID, ProductID, Quantity, UnitPrice)
      VALUES (@@IDENTITY, @ProductID, @Quantity, @UnitPrice);
    
      -- 顧客の残高を更新する
      UPDATE Customers
      SET Balance = Balance - @TotalAmount
      WHERE CustomerID = @CustomerID;
    
      -- 注文ステータスを更新する
      UPDATE Orders
      SET OrderStatus = 'Completed'
      WHERE OrderID = @@IDENTITY;
    
    COMMIT TRANSACTION;
    
    • データの整合性を保つことができます。
    • エラーが発生した場合、すべてのステートメントをロールバックできます。

      Batch API:

      SQL Serverには、バッチ処理ステートメントを実行するために使用できるAPIがあります。このAPIには、SQLExecuteSQLExecDirect、およびSQLMoreResults関数が含まれます。

      using System;
      using System.Data.SqlClient;
      
      class BatchExample
      {
        static void Main(string[] args)
        {
          // 接続文字列を作成する
          string connectionString = "Data Source=localhost;Initial Catalog=MyDatabase;Integrated Security=True";
      
          // 接続を開く
          using (SqlConnection connection = new SqlConnection(connectionString))
          {
            connection.Open();
      
            // バッチ コマンドを作成する
            SqlCommand command = new SqlCommand("INSERT INTO Orders (CustomerID, OrderDate) VALUES (@CustomerID, @OrderDate); INSERT INTO OrderDetails (OrderID, ProductID, Quantity, UnitPrice) VALUES (@OrderID, @ProductID, @Quantity, @UnitPrice); UPDATE Customers SET Balance = Balance - @TotalAmount WHERE CustomerID = @CustomerID; UPDATE Orders SET OrderStatus = 'Completed' WHERE OrderID = @OrderID;", connection);
      
            // パラメーターを追加する
            command.Parameters.AddWithValue("@CustomerID", 123);
            command.Parameters.AddWithValue("@OrderDate", DateTime
      

      sql-server t-sql


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