【保存版】データベース設計における主キーの選び方:ID vs 文字列、徹底比較
データベース設計における主キー:IDと文字列の比較
整型値(ID)の使用例
整型値(一般的には連番)は、主キーとして以下の利点があります。
- 処理速度の速さ: インデックス付けに優れており、レコードの検索や取得が高速です。
- データの整合性: 自動的にインクリメントされるため、重複データの発生を防ぎ、データの整合性を保ちやすいです。
- 省スペース: 文字列に比べてデータサイズが小さいため、ストレージ容量を節約できます。
一方、以下の点に注意が必要です。
- 意味: 整型値自体は、レコードの内容を直接示すものではありません。別途、レコード内容と紐付ける必要があります。
- 採番ルール: 将来的なデータ量を予測し、適切な桁数の型を選択する必要があります。採番ルールを誤ると、主キーの枯渇やデータの破損につながる可能性があります。
文字列の使用例
- わかりやすさ: 顧客IDや商品コードなど、人間が理解しやすい値を主キーとして使用できます。
- 検索の柔軟性: 部分一致検索など、柔軟な検索条件に対応できます。
- 処理速度: 整型値に比べて処理速度が遅くなります。
- データの整合性: 文字列の重複を防ぐための仕組みが必要となります。
- データサイズ: 整型値に比べてデータサイズが大きくなります。
主キーに整型値と文字列のどちらを使用するかは、テーブルの用途やデータの特性によって異なります。
一般的には、以下の指針が参考になります。
- 高速な処理が必要な場合: 整型値を使用する
- 人間が理解しやすい主キーが必要な場合: 文字列を使用する
- 部分一致検索など、柔軟な検索条件が必要な場合: 文字列を使用する
その他の考慮事項
- 将来的なデータ量: 将来的なデータ量を予測し、適切な桁数の型を選択する必要があります。
- パフォーマンス: データベースのパフォーマンスに影響を与える可能性があるため、処理速度とデータサイズのバランスを考慮する必要があります。
- 既存システムとの連携: 既存システムとの連携がある場合は、互換性のある主キー形式を選択する必要があります。
データベース設計において、主キーは重要な役割を担います。整型値と文字列、それぞれの特徴と利点を理解し、用途やデータの特性に合わせて適切な主キーを選択することが重要です。
整型値を使用する場合
CREATE TABLE users (
user_id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
username VARCHAR(255) UNIQUE NOT NULL,
email VARCHAR(255) UNIQUE NOT NULL,
password VARCHAR(255) NOT NULL
);
CREATE TABLE products (
product_id VARCHAR(255) PRIMARY KEY UNIQUE NOT NULL,
product_name VARCHAR(255) NOT NULL,
price DECIMAL(10,2) NOT NULL,
stock_quantity INT NOT NULL
);
説明
PRIMARY KEY
制約は、テーブル内の各レコードを一意に識別する列を指定します。AUTO_INCREMENT
属性は、主キーの値を自動的にインクリメントするように設定します。UNIQUE
制約は、同じ値を持つレコードが複数存在することを禁止します。NOT NULL
制約は、列の値がNULLになることを禁止します。
上記はあくまで一例であり、具体的なコードはテーブルの設計や要件によって異なります。
主キーの代替案
サロゲートキー
サロゲートキーは、データベース内部で生成されるランダムな値を主キーとして使用する方式です。
利点
- 整型値や文字列に比べて短く済むため、データサイズを節約できます。
- 意味を持たないため、暗号化などのセキュリティ対策に適しています。
欠点
- 人間が理解しにくいため、運用や管理が複雑になります。
- 他のシステムとの連携が困難になる場合があります。
複合キー
複合キーは、複数の列を組み合わせて主キーとする方式です。
- 複数の列でレコードをより詳細に識別できます。
- 関連レコード間の参照関係を表現しやすいです。
- 主キーの長さが長くなるため、インデックス付けなどに影響を与える可能性があります。
- 複数の列の値が一致しないとレコードを識別できないため、データの整合性に注意する必要があります。
自然キー
自然キーは、業務上の識別子を主キーとして使用する方式です。顧客IDや商品コードなどが該当します。
- 人間が理解しやすく、運用や管理が容易です。
- 他のシステムとの連携が容易です。
- 必ずしも一意であるとは限らないため、主キーとして使用する場合は制約を設ける必要があります。
- データが変更されると、主キーの値も変更する必要が生じる場合があります。
- データサイズを節約したい場合: サロゲートキーを使用する
- 複数の列でレコードを詳細に識別したい場合: 複合キーを使用する
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