【図解あり】SQLite LEFT JOINの動作とサンプルコードで理解を深める
SQLiteにおけるLEFT JOINの分かりやすい解説
LEFT JOINの構文
LEFT JOINの基本的な構文は次のとおりです。
SELECT
...
FROM
左側のテーブル AS 左側のテーブルエイリアス
LEFT JOIN
右側のテーブル AS 右側のテーブルエイリアス
ON 左側のテーブル.結合列 = 右側のテーブル.結合列;
SELECT
: 取得したい列を指定します。FROM
: 対象となるテーブルを指定します。LEFT JOIN
: LEFT JOINを実行することを示します。ON
: 左側のテーブルと右側のテーブルを結合する条件を指定します。AS
: テーブルエイリアスを指定します。これはオプションですが、長いテーブル名を短縮したり、複数のテーブル名を区別したりするために役立ちます。
LEFT JOINは、左側のテーブルすべての行を結果に含め、右側のテーブルから関連する行があれば結合します。右側のテーブルから関連する行がない場合、右側のテーブルの列はNULL
値で表示されます。
次の例は、customers
とorders
という2つのテーブルを使用して、すべての顧客とその注文情報を取得する方法を示します。
SELECT
customers.customer_id,
customers.name,
orders.order_id,
orders.order_date
FROM
customers AS c
LEFT JOIN
orders AS o
ON c.customer_id = o.customer_id;
このクエリは、すべての顧客のcustomer_id
とname
、および関連する注文のorder_id
とorder_date
を取得します。注文がない顧客の場合、order_id
とorder_date
はNULL
値になります。
LEFT JOINは、すべての顧客とその注文情報を取得する必要がある場合など、右側のテーブルに必ずしもすべての左側のテーブルの行に対応する行がない場合に役立ちます。また、右側のテーブルに存在しない顧客を特定するのにも役立ちます。
LEFT JOINは、右側のテーブルすべての行を結合するRIGHT JOINとは対照的です。RIGHT JOINは、右側のテーブルすべての行を結果に含め、左側のテーブルから関連する行があれば結合します。左側のテーブルから関連する行がない場合、左側のテーブルの列はNULL
値で表示されます。
また、LEFT JOINは、INNER JOINよりも多くの行を返す可能性があることに注意する必要があります。これは、左側のテーブルすべての行が結果に含まれるためです。
LEFT JOINは、複数のテーブルから関連するデータを取得するための便利な機能です。構文はシンプルで、様々な状況で使用できます。
-- 顧客情報テーブルを作成
CREATE TABLE customers (
customer_id INTEGER PRIMARY KEY,
name TEXT NOT NULL
);
-- 注文情報テーブルを作成
CREATE TABLE orders (
order_id INTEGER PRIMARY KEY,
customer_id INTEGER NOT NULL,
order_date DATE NOT NULL,
FOREIGN KEY (customer_id) REFERENCES customers(customer_id)
);
-- 顧客情報と注文情報を結合して表示
SELECT
customers.name AS 顧客名,
orders.order_id AS 注文ID,
orders.order_date AS 注文日
FROM customers
LEFT JOIN orders
ON customers.customer_id = orders.customer_id;
説明:
- 顧客情報テーブルと注文情報テーブルを作成します。
customers
テーブル: 顧客IDと名前を格納します。orders
テーブル: 注文ID、顧客ID、注文日を格納します。customer_id
列は、customers
テーブルのcustomer_id
列を参照する外部キー制約が設定されています。
SELECT
句で、顧客の名前、注文ID、注文日を顧客名
、注文ID
、注文日
という名前の列として取得します。FROM
句で、結合するテーブルを指定します。ここでは、customers
テーブルとorders
テーブルを指定します。ON
句で、結合条件を指定します。ここでは、customers
テーブルのcustomer_id
列とorders
テーブルのcustomer_id
列が等しいことを条件としています。
このクエリを実行すると、以下の結果が出力されます。
顧客名 | 注文ID | 注文日
------- | -------- | --------
田中一郎 | 1 | 2023-10-01
鈴木二郎 | 2 | 2023-10-02
佐藤三郎 | NULL | NULL
高橋四郎 | 4 | 2023-10-04
- 田中一郎さんは注文が1件あります。
- 佐藤三郎さんには注文がありません。
LEFT JOINを使用すると、すべての顧客情報と、関連する注文情報 (存在する場合) を取得することができます。
サブクエリ
サブクエリを使用して、関連データを取得する方法があります。この方法は、より複雑な結合条件が必要な場合に役立ちます。
SELECT
customers.name AS 顧客名,
orders.order_id AS 注文ID,
orders.order_date AS 注文日
FROM customers
WHERE customers.customer_id IN (
SELECT customer_id
FROM orders
);
WHERE
句で、サブクエリを使用します。- サブクエリは、
orders
テーブルからcustomer_id
列を取得します。 IN
句を使用して、customers
テーブルのcustomer_id
列がサブクエリで取得したcustomer_id
のいずれかに一致する顧客のみを選択します。
この方法は、LEFT JOINよりも柔軟性がありますが、処理速度が遅くなる可能性があります。
UNION
UNIONを使用して、複数のクエリ結果を結合する方法があります。この方法は、シンプルな結合条件が必要な場合に役立ちます。
SELECT
name AS 顧客名,
order_id AS 注文ID,
order_date AS 注文日
FROM customers
UNION
SELECT
name AS 顧客名,
order_id AS 注文ID,
order_date AS 注文日
FROM customers
JOIN orders
ON customers.customer_id = orders.customer_id;
- 2つのクエリを
UNION
を使用して結合します。 - 1つ目のクエリは、
customers
テーブルからすべての顧客情報を取得します。 - 2つ目のクエリは、
customers
テーブルとorders
テーブルを結合して、顧客と注文情報を取得します。 UNION
演算子は、重複する行を除いて、2つのクエリ結果を結合します。
この方法は、LEFT JOINよりもシンプルですが、結合条件が複雑な場合に対応できません。
COMMON TABLE EXPRESSION (CTE)
CTEを使用して、一時的な中間テーブルを作成する方法があります。この方法は、複雑な結合条件が必要な場合に役立ちます。
WITH customer_orders AS (
SELECT
customers.customer_id,
customers.name,
orders.order_id,
orders.order_date
FROM customers
LEFT JOIN orders
ON customers.customer_id = orders.customer_id
)
SELECT
customer_orders.name AS 顧客名,
customer_orders.order_id AS 注文ID,
customer_orders.order_date AS 注文日
FROM customer_orders;
WITH
句を使用して、CTEを定義します。
この方法は、サブクエリよりも可読性が高く、複雑な結合条件を処理するのに役立ちます。
適切な方法を選択する
どの方法が適切かは、状況によって異なります。
- シンプルな結合条件の場合は、INNER JOINまたはUNIONを使用するのが一般的です。
- より複雑な結合条件の場合は、LEFT JOIN、サブクエリ、またはCTEを使用する必要があります。
- 処理速度が重要な場合は、LEFT JOINよりもサブクエリまたはCTEの方が効率的な場合があります。
それぞれの方法の特性を理解し、状況に応じて適切な方法を選択することが重要です。
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