EXPLAIN と EXPLAIN ANALYZE を用いたシンプルプロファイリング
PostgreSQL におけるプロファイラーと SQL Server Profiler の比較
概要
SQL Server Profiler は、Microsoft SQL Server でデータベース操作を監視および記録するためのツールです。一方、PostgreSQL にはネイティブなプロファイラーツールはありませんが、代替手段としていくつかのオプションが用意されています。
PostgreSQL でのプロファイリング
PostgreSQL でパフォーマンスを分析および最適化するには、以下の方法があります。
- EXPLAIN および EXPLAIN ANALYZE: これらのコマンドは、クエリの実行計画を表示し、各ステップにかかるコストを推定します。
- pg_stat_statements: この拡張モジュールは、実行されたすべての SQL 文に関する統計情報を収集します。
- サードパーティ製ツール: pgBadger、pgMonitor、および StackTrace.pm などのツールは、より詳細なプロファイリング機能を提供します。
SQL Server Profiler との比較
機能 | SQL Server Profiler | PostgreSQL |
---|---|---|
監視対象 | データベース操作 | データベース操作、バックグラウンドプロセス、およびシステムイベント |
記録方法 | イベントベース | 時間ベースまたはイベントベース |
データ表示 | グラフィカルインターフェースまたはテキスト形式 | テキスト形式のみ |
スクリプティング | サポートされている | 一部のツールでサポートされている |
PostgreSQL にはネイティブな SQL Server Profiler に相当するものはありませんが、代替手段としていくつかの優れたオプションが用意されています。最適なツールは、特定のニーズと要件によって異なります。
補足
上記の情報に加えて、以下の点にも注意する必要があります。
- PostgreSQL のプロファイリングツールは、本番環境で使用する場合、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。
- 収集されたプロファイリングデータを分析するには、データベースのパフォーマンスに関する深い知識が必要です。
- 問題を特定し、解決するには、追加の調査が必要になる場合があります。
PostgreSQL プロファイリング サンプルコード
この例では、pg_stat_statements
拡張モジュールを使用して、PostgreSQL で実行された SQL 文に関する統計情報を収集する方法を示します。
前提条件
- PostgreSQL 9.1 以降がインストールされている
pg_stat_statements
拡張モジュールがインストールされている
手順
CREATE EXTENSION pg_stat_statements;
- 統計情報の収集を開始します。
SET pg_stat_statements.track_all=true;
SET pg_stat_statements.track_all=false;
- 収集された統計情報を確認します。
SELECT * FROM pg_stat_statements;
出力例
stmt | calls | total_time | time_per_call | rows | shared_blks | hits | misses | load_cxt | exec_cxt | sub_cxt | init_cxt | commit_cxt | rollback_cxt | blocks | temp_blks | physical_read | buffer_read | logical_read | writes | temp_writes | physical_writes | buffer_writes | logical_writes | direct_writes | cpu_time | io_time | elapsed_time |
-------+---------+------------+--------------+---------+------------+---------+---------+------------+------------+------------+------------+------------+------------+------------+------------+------------+------------+------------+------------+------------+------------+------------+------------+------------+------------+------------+
SELECT * FROM mytable; | 100 | 1000.000 ms | 10.000 ms | 1000 | 100 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 | 0 | 1000 | 0 | 1000 | 100 | 0 | 100 | 100 | 1000 | 0 | 100.000 ms | 10.000 ms | 1000.000 ms |
説明
この出力には、各 SQL 文に関する以下の情報が含まれます。
stmt
: SQL 文calls
: 実行回数total_time
: 実行にかかった合計時間 (ミリ秒)time_per_call
: 1 回の呼び出しあたりの平均実行時間 (ミリ秒)rows
: 処理された行数shared_blks
: 共有されたバッファブロック数hits
: キャッシュヒット数misses
: キャッシュミス数load_cxt
: ロードコンテキストの呼び出し回数blocks
: 読み取られたブロック数physical_read
: 物理読み取り回数buffer_read
: バッファ読み取り回数writes
: 書き込み回数cpu_time
: CPU 使用時間 (ミリ秒)elapsed_time
: 経過時間 (ミリ秒)
注意事項
pg_stat_statements
は、詳細なプロファイリングには適していない場合があります。より詳細なプロファイリングが必要な場合は、pgBadger などのサードパーティ製ツールを使用することを検討してください。
PostgreSQL のプロファイリング: その他の方法
前述のように、PostgreSQL にはネイティブな SQL Server Profiler に相当するものはありません。しかし、パフォーマンスを分析および最適化するために使用できる代替手段がいくつかあります。
代替手段
- pgBadger: このオープンソースツールは、PostgreSQL のログファイルを分析し、パフォーマンスに関する情報を収集します。
- pgMonitor: この商用ツールは、リアルタイムのパフォーマンス監視と分析を提供します。
- StackTrace.pm: この Perl スクリプトは、PostgreSQL バックエンドのプロファイリングデータを収集します。
- perf: この Linux カーネルツールは、低レベルのプロファイリング機能を提供します。
各オプションの詳細
-
EXPLAIN および EXPLAIN ANALYZE:
最適なツールは、特定のニーズと要件によって異なります。
- シンプルなプロファイリングタスク: EXPLAIN または EXPLAIN ANALYZE を使用します。
- 詳細なプロファイリング: pgBadger または pgMonitor を使用します。
- PostgreSQL バックエンドのプロファイリング: StackTrace.pm を使用します。
- システムレベルのプロファイリング: perf を使用します。
postgresql profiler