SQLite: INSERT OR REPLACE INTO vs. UPDATE ... WHERE の違い
SQLite における "INSERT OR REPLACE INTO" と "UPDATE ... WHERE" の比較
INSERT OR REPLACE INTO
この構文は、レコードが存在しない場合は挿入し、存在する場合は更新を行います。つまり、"INSERT" と "UPDATE" の両方の機能を兼ね備えています。
例:
INSERT OR REPLACE INTO テーブル名 (列名1, 列名2) VALUES (?, ?)
動作:
- テーブル名に列名1と列名2を持つレコードが存在しない場合は、新しいレコードが挿入されます。
利点:
- 一回のクエリで挿入と更新の両方ができるため、コードが簡潔になる。
- 主キーが重複しているレコードを更新する際に有効。
- 存在しないレコードを挿入する場合、すべての列の値を指定する必要がある。
- 更新するレコードの値をすべて指定する必要がある。一部の列のみ更新したい場合は、UPDATE ... WHERE を使用した方が効率的。
UPDATE ... WHERE
この構文は、指定された条件に合致するレコードを更新します。
UPDATE テーブル名 SET 列名1 = ?, 列名2 = ? WHERE 条件
- 条件に合致するレコードが存在しない場合は、何も実行されません。
- 更新するレコードの条件を細かく指定できる。
- 一部の列のみ更新することができる。
- 存在しないレコードを更新する場合、エラーが発生する。
- INSERT OR REPLACE INTO に比べてコードが冗長になる。
どちらを使用すべきか
- 存在しないレコードを挿入する可能性があり、すべての列の値を指定できる場合は、INSERT OR REPLACE INTO を使用するとコードが簡潔になります。
その他の注意点
- INSERT OR REPLACE INTO は、UPDATE OR REPLACE とは異なる動作をします。UPDATE OR REPLACE は、存在するレコードのみ更新し、存在しないレコードは挿入しません。
まとめ
SQLite でデータを更新する際は、それぞれの構文の特徴を理解し、状況に応じて使い分けることが重要です。
-- テーブル作成
CREATE TABLE テーブル名 (
id INTEGER PRIMARY KEY,
名前 TEXT,
年齢 INTEGER
);
-- レコード挿入・更新
INSERT OR REPLACE INTO テーブル名 (名前, 年齢) VALUES ('田中', 20);
INSERT OR REPLACE INTO テーブル名 (名前, 年齢) VALUES ('佐藤', 30);
-- レコード確認
SELECT * FROM テーブル名;
出力:
id | 名前 | 年齢
------- | -------- | --------
1 | 田中 | 20
2 | 佐藤 | 30
-- レコード更新
UPDATE テーブル名 SET 年齢 = 年齢 + 1 WHERE 名前 = '田中';
-- レコード確認
SELECT * FROM テーブル名;
id | 名前 | 年齢
------- | -------- | --------
1 | 田中 | 21
2 | 佐藤 | 30
その他
- INSERT OR REPLACE INTO は、主キーが重複しているレコードを更新する際に有効です。
-- レコード挿入
INSERT OR REPLACE INTO テーブル名 (id, 名前, 年齢) VALUES (1, '田中', 20);
INSERT OR REPLACE INTO テーブル名 (id, 名前, 年齢) VALUES (1, '佐藤', 30);
-- レコード確認
SELECT * FROM テーブル名;
id | 名前 | 年齢
------- | -------- | --------
1 | 佐藤 | 30
-- トリガー作成
CREATE TRIGGER トリガー名 BEFORE UPDATE ON テーブル名
BEGIN
UPDATE テーブル名 SET 年齢 = 年齢 + 1;
END;
-- レコード更新
INSERT OR REPLACE INTO テーブル名 (id, 名前, 年齢) VALUES (1, '田中', 20);
-- レコード確認
SELECT * FROM テーブル名;
id | 名前 | 年齢
------- | -------- | --------
1 | 田中 | 20
SQLite におけるデータ更新のその他の方法
この方法は、別のテーブルからデータをコピーして新しいレコードを作成する際に有効です。
INSERT INTO テーブル名 (列名1, 列名2)
SELECT 列名1, 列名2
FROM 別のテーブル名;
REPLACE INTO
REPLACE INTO テーブル名 (列名1, 列名2) VALUES (?, ?)
MERGE
この方法は、INSERT、UPDATE、DELETE をまとめて実行できる便利な構文です。ただし、SQLite では標準でサポートされていないため、拡張モジュールが必要となります。
MERGE INTO テーブル名
USING 別のテーブル名
ON テーブル名.id = 別のテーブル名.id
WHEN MATCHED THEN
UPDATE SET テーブル名.列名1 = 別のテーブル名.列名1
WHEN NOT MATCHED THEN
INSERT (列名1, 列名2) VALUES (別のテーブル名.列名1, 別のテーブル名.列名2);
- 複数のテーブルからデータを結合して新しいレコードを作成したい場合は、INSERT ... SELECT を使用します。
- 存在するレコードを更新するのみの場合は、REPLACE INTO を使用します。
- INSERT、UPDATE、DELETE をまとめて実行したい場合は、MERGE を使用します。
sqlite insert-update upsert