SQLiteCipherを用いたAndroidデータベース暗号化の実装
Androidデータベース暗号化:SQLiteとSQLCipherによるデータ保護
本記事では、Androidデータベース暗号化の概要と、代表的な暗号化ライブラリであるSQLiteCipherを用いた暗号化の実装方法について解説します。
Androidデータベース暗号化とは、SQLiteデータベースを暗号化することで、データベースへの不正アクセスやデータの窃取を防ぐセキュリティ対策です。
暗号化のメリット:
- データベースファイルへの直接アクセスを防止
- データベースファイルの盗難や漏洩時のリスク軽減
- アプリのセキュリティレベル向上
暗号化の種類:
- ファイルレベル暗号化:データベースファイル全体を暗号化
- テーブルレベル暗号化:特定のテーブルのみを暗号化
SQLiteCipherは、SQLiteデータベースを暗号化するためのオープンソースライブラリです。Android開発において広く利用されており、以下の特徴を持ちます。
- 豊富な暗号化アルゴリズムに対応
- 標準のSQLite APIと互換性が高い
- 軽量でパフォーマンスが良い
SQLiteCipherを用いたAndroidデータベース暗号化
SQLiteCipherを用いたデータベース暗号化は、以下の手順で実装できます。
ライブラリの追加
プロジェクトにSQLiteCipherライブラリを追加します。
- Gradleファイルに以下の依存関係を追加
dependencies {
implementation 'net.zetetic:sqlcipher:4.4.0'
}
データベースファイルの作成
暗号化されたデータベースファイルを作成します。
SQLiteDatabase db = SQLiteDatabase.openOrCreateDatabase(
"/data/data/com.example.app/databases/database.db",
null,
"password");
データベースへのアクセスは、通常のSQLite APIと同様に可能です。
db.execSQL("CREATE TABLE IF NOT EXISTS users (id INTEGER PRIMARY KEY, name TEXT)");
db.execSQL("INSERT INTO users (name) VALUES (?)", new String[] {"John Doe"});
Cursor cursor = db.rawQuery("SELECT * FROM users", null);
while (cursor.moveToNext()) {
int id = cursor.getInt(0);
String name = cursor.getString(1);
Log.d("TAG", "id: " + id + ", name: " + name);
}
データベースの暗号化解除
データベースへのアクセスが終了したら、データベースを暗号化解除します。
db.close();
まとめ
Androidデータベース暗号化は、ユーザーの個人情報や機密データを保護するために有効な手段です。SQLiteCipherを用いることで、簡単にデータベース暗号化を実装できます。
public class MainActivity extends AppCompatActivity {
private SQLiteDatabase db;
@Override
protected void onCreate(Bundle savedInstanceState) {
super.onCreate(savedInstanceState);
setContentView(R.layout.activity_main);
// パスワードを設定
String password = "your_password";
// データベースファイルを作成
db = SQLiteDatabase.openOrCreateDatabase(
"/data/data/com.example.app/databases/database.db",
null,
password);
// データベースへのアクセス
db.execSQL("CREATE TABLE IF NOT EXISTS users (id INTEGER PRIMARY KEY, name TEXT)");
db.execSQL("INSERT INTO users (name) VALUES (?)", new String[] {"John Doe"});
Cursor cursor = db.rawQuery("SELECT * FROM users", null);
while (cursor.moveToNext()) {
int id = cursor.getInt(0);
String name = cursor.getString(1);
Log.d("TAG", "id: " + id + ", name: " + name);
}
// データベースの暗号化解除
db.close();
}
}
ポイント:
- パスワードは安全な場所に保管する必要があります。
- データベースへのアクセスは、常にパスワードを使用して行う必要があります。
注意事項
- 上記のサンプルコードは基本的な動作を示すのみです。実際の開発では、セキュリティ対策を強化する必要があります。
- 暗号化処理はパフォーマンスに影響を与える可能性があります。
Androidデータベース暗号化:SQLiteCipher以外の方法
Room Databaseは、Android Jetpackの一部であるデータベースライブラリです。Room Databaseには、データベースを暗号化する機能が標準で搭載されています。
メリット:
- SQLiteCipherよりも簡単に暗号化を実装できる
- Room Databaseの他の機能と統合できる
- SQLiteCipherほど柔軟性がない
- 使用できる暗号化アルゴリズムが限られている
自身の暗号化ロジックを実装
データベースを暗号化するために、独自の暗号化ロジックを実装することもできます。
- 必要なセキュリティ要件に合わせて、暗号化ロジックを自由に設計できる
- 複雑な開発作業が必要
- セキュリティレベルを保証する必要がある
他の暗号化ライブラリ
SQLiteCipher以外にも、様々な暗号化ライブラリが存在します。
これらのライブラリは、それぞれ異なる機能や特徴を持っています。
適切な方法の選択
- セキュリティレベル
- 開発コスト
- 使いやすさ
- 必要な機能
android database sqlite