[SQL実践講座] 計算結果にわかりやすい名前を!別名でクエリをブラッシュアップ
SQLにおける計算での別名の使用:詳細ガイド
SQLにおける別名は、テーブルや列に一時的な名前を割り当てる機能です。クエリをより読みやすく理解しやすくするために、特に複雑なクエリや複数のテーブルを結合する場合に役立ちます。また、計算結果にわかりやすい名前を付けたり、重複する名前を回避したりするのにも役立ちます。
本記事では、MySQL、SQL、データベース における計算における別名の詳細な使用方法について、わかりやすく解説します。
別名の基本構文
別名は、AS キーワードを使用して定義します。構文は以下の通りです。
SELECT expression AS alias_name
FROM table_name;
例:
SELECT customer_name AS 氏名, customer_id AS ID
FROM customers;
この例では、customers
テーブルから customer_name
列を 氏名
という別名で、customer_id
列を ID
という別名で抽出しています。
計算式における別名の使用
別名は、SELECT 句だけでなく、計算式にも使用できます。
SELECT customer_name AS 氏名,
(order_total * 0.08) AS 税額
FROM customers
JOIN orders ON customers.customer_id = orders.customer_id;
この例では、orders.order_total
に対して 8% の消費税を計算し、税額
という別名で結果を表示しています。
複数のテーブルを結合する場合、別名はテーブルや列の重複を避けるために役立ちます。
SELECT o.order_id,
c.customer_name AS 氏名,
p.product_name AS 商品名
FROM orders AS o
JOIN customers AS c ON o.customer_id = c.customer_id
JOIN products AS p ON o.product_id = p.product_id;
この例では、orders
、customers
、products
テーブルを結合し、各テーブルの列にわかりやすい別名を割り当てています。
集計関数を使用する場合にも、結果に別名をつけることができます。
SELECT product_category,
COUNT(*) AS 商品数
FROM products
GROUP BY product_category;
この例では、products
テーブルを product_category
カテゴリごとに集計し、商品数
という別名で結果を表示しています。
サブクエリにおける別名の使用
サブクエリにおいても、別名は同様に使用できます。
SELECT customer_id,
(SELECT SUM(order_total)
FROM orders
WHERE customer_id = c.customer_id) AS 購入合計
FROM customers AS c;
この例では、各顧客の orders
テーブルにおける注文合計を算出し、購入合計
という別名で結果を表示しています。
別名の注意点
- 別名は、クエリ内でのみ有効です。
- 別名は、英数字、アンダースコア(_)、ドル記号($) で構成できます。
- 大文字と小文字は区別されます。
- 別名は、既存の列名やキーワードと重複しないようにする必要があります。
- 長い列名や複雑な式の短縮
- 結果のわかりやすさの向上
- プログラムの可読性の向上
SELECT
c.customer_name AS 氏名,
o.order_id AS 注文番号,
o.order_date AS 注文日,
o.order_total AS 注文金額
FROM customers AS c
JOIN orders AS o ON c.customer_id = o.customer_id;
例2:商品のカテゴリ別売上集計
この例では、products
テーブルと order_details
テーブルを結合し、商品のカテゴリ別売上を集計します。
SELECT
p.product_category AS 商品カテゴリ,
SUM(od.quantity * od.unit_price) AS 売上金額
FROM products AS p
JOIN order_details AS od ON p.product_id = od.product_id
GROUP BY p.product_category;
例3:顧客ごとの購入履歴と合計金額
この例では、customers
テーブルと orders
テーブルと order_details
テーブルを結合し、顧客ごとの購入履歴と合計金額を表示します。
SELECT
c.customer_name AS 氏名,
o.order_id AS 注文番号,
o.order_date AS 注文日,
od.product_name AS 商品名,
od.quantity AS 数量,
od.unit_price AS 単価,
(od.quantity * od.unit_price) AS 明細金額,
SUM(od.quantity * od.unit_price) AS 注文合計金額
FROM customers AS c
JOIN orders AS o ON c.customer_id = o.customer_id
JOIN order_details AS od ON o.order_id = od.order_id
GROUP BY c.customer_id, o.order_id;
例4:従業員の給与と賞与の合計金額
この例では、employees
テーブルと bonuses
テーブルを結合し、従業員の給与と賞与の合計金額を表示します。
SELECT
e.employee_name AS 氏名,
e.salary AS 給与,
b.bonus_amount AS 賞与金額,
(e.salary + b.bonus_amount) AS 給与賞与合計
FROM employees AS e
LEFT JOIN bonuses AS b ON e.employee_id = b.employee_id;
例5:顧客の住所情報と注文配送先情報
この例では、customers
テーブルと orders
テーブルと shipping_addresses
テーブルを結合し、顧客の住所情報と注文配送先情報を表示します。
SELECT
c.customer_name AS 氏名,
c.address AS 顧客住所,
o.order_id AS 注文番号,
s.address AS 配送先住所
FROM customers AS c
JOIN orders AS o ON c.customer_id = o.customer_id
JOIN shipping_addresses AS s ON o.order_id = s.order_id;
SELECT order_date,
DATEDIFF(CURDATE(), order_date) AS 経過日数
FROM orders;
この例では、CURDATE()
関数で本日の日付を取得し、order_date
との差を日数で計算して 経過日数
という別名で表示しています。
条件式における複雑な式の簡略化
別名を使用して、複雑な条件式をより簡潔に表現することができます。
SELECT product_id,
(CASE
WHEN product_price < 1000 THEN '安価'
WHEN product_price < 5000 THEN '中価格'
ELSE '高価'
END) AS 価格帯
FROM products;
この例では、CASE
式を使用して、product_price
の値に基づいて 価格帯
という別名を割り当てています。
集計結果の加工
集計結果に対して、計算や文字列操作などの加工を行う際に、別名を使用してわかりやすく表現することができます。
SELECT product_category,
COUNT(*) AS 商品数,
CONCAT(product_category, ' (', COUNT(*), '件)') AS 商品数詳細
FROM products
GROUP BY product_category;
この例では、CONCAT()
関数を使用して、product_category
と COUNT(*)
の結果を結合し、商品数詳細
という別名で表示しています。
サブクエリの結果の扱い
サブクエリの結果を、主クエリ内で列として扱う際に、別名を使用してわかりやすく表現することができます。
SELECT customer_id,
(SELECT MAX(order_date)
FROM orders
WHERE customer_id = c.customer_id) AS 最新注文日
FROM customers AS c;
この例では、サブクエリで各顧客の最新注文日を取得し、最新注文日
という別名で表示しています。
CTE(共通表式)の定義
CTE(Common Table Expression)を定義する際に、わかりやすいエイリアスを付けることができます。
WITH customer_orders AS (
SELECT c.customer_name, o.order_id, o.order_date
FROM customers AS c
JOIN orders AS o ON c.customer_id = o.customer_id
)
SELECT * FROM customer_orders;
この例では、customer_orders
というCTEを定義し、顧客情報と注文情報を結合した結果を格納しています。
結合のカラムエイリアス
結合クエリにおいて、結合カラムに別名を付けることで、クエリをより読みやすくすることができます。
SELECT
e.employee_name AS 氏名,
d.department_name AS 部署名
FROM employees AS e
JOIN departments AS d ON e.department_id = d.department_id;
この例では、employees
テーブルと departments
テーブルを department_id
カラムで結合し、結合カラムにわかりやすい別名を付けています。
GROUP BY 句における集計カラムのエイリアス
GROUP BY
句において、集計対象のカラムに別名を付けることで、結果をよりわかりやすくすることができます。
SELECT product_category AS 商品カテゴリ,
COUNT(*) AS 商品数
FROM products
GROUP BY product_category;
HAVING 句における条件カラムのエイリアス
HAVING
句において、条件式で使用されるカラムに別名を付けることで、条件式をより読みやすくすることができます。
SELECT product_category AS 商品カテゴリ,
COUNT(*) AS 商品数
FROM products
GROUP BY product_category
HAVING 商品数 > 100;
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