【SQLAlchemy, Flask-SQLAlchemy, Alembic】既存カラムにユニーク制約を後から追加する方法

2024-04-13

本記事では、SQLAlchemy、Flask-SQLAlchemy、Alembic を用いて、既存のデータベースカラムにユニーク制約を追加する方法を解説します。

前提知識

本記事の内容を理解するには、以下の知識が必要です。

  • Python プログラミング
  • SQLAlchemy ORM
  • Flask フレームワーク
  • Alembic マイグレーションツール

手順

  1. 既存のマイグレーションファイルを確認する

  2. upgrade() 関数内に変更を追加する

    upgrade() 関数は、データベーススキーマの変更を定義する場所です。既存のカラムにユニーク制約を追加するには、以下のコードを追加します。

    from sqlalchemy import Column, String, UniqueConstraint
    
    def upgrade(op, context):
        # 既存のカラムを取得
        column = op.get_column('table_name', 'column_name')
    
        # ユニーク制約を追加
        op.alter_column('table_name', column, constraint=UniqueConstraint())
    

    上記のコードにおいて、以下の部分を置き換えます。

    • table_name: ユニーク制約を追加するテーブル名
  3. マイグレーションファイルをコミットしてマイグレーションを実行する

    マイグレーションファイルの変更を保存し、以下のコマンドを実行してマイグレーションを実行します。

    alembic upgrade head
    

補足

  • 既存のカラムにデフォルト値を設定する必要がある場合は、alter_column() 関数の default 引数を使用できます。

上記の手順以外にも、既存のカラムにユニーク制約を追加する方法があります。詳細は、Alembic ドキュメントを参照してください。




  • Python 3.8
  • Flask-SQLAlchemy 3.1.0
  • Alembic 1.7.4

プロジェクト構成

app/
├── __init__.py
├── models.py
└── migrations/
    ├── versions/
    │   ├── 2024_04_12_unique_constraint.py
    └── README.md

コード

models.py

from flask_sqlalchemy import SQLAlchemy

db = SQLAlchemy()

class User(db.Model):
    id = db.Column(db.Integer, primary_key=True)
    name = db.Column(db.String(255), unique=True, nullable=False)
    email = db.Column(db.String(255), unique=True, nullable=False)

migrations/versions/2024_04_12_unique_constraint.py

from sqlalchemy import Column, String, UniqueConstraint

import alembic.op as op
import sqlalchemy as sa


# revision identifiers, used by Alembic

revision = '2024_04_12_unique_constraint'
down_revision = None
branch_name = 'main'

target_metadata = sa.MetaData()


def upgrade(op, context):
    # 既存のカラムを取得
    column = op.get_column('user', 'name')

    # ユニーク制約を追加
    op.alter_column('user', column, constraint=UniqueConstraint())


def downgrade(op, context):
    # ユニーク制約を削除
    op.alter_column('user', 'name', constraint=None)

実行方法

  1. 以下のコマンドを実行して、仮想環境を作成します。

    python3 -m venv venv
    
  2. 仮想環境をアクティブ化します。

    source venv/bin/activate
    
  3. 以下のコマンドを実行して、プロジェクトの依存関係をインストールします。

    pip install -r requirements.txt
    
  4. alembic init
    
  5. 以下のコマンドを実行して、既存のカラムにユニーク制約を追加するマイグレーションを作成します。

    alembic revision --message "Add unique constraint to name column"
    
  6. alembic upgrade head
    
  7. psql -U postgres -d mydatabase
    

    出力結果は以下のようになります。

    CREATE TABLE user (
        id SERIAL PRIMARY KEY,
        name VARCHAR(255) NOT NULL UNIQUE,
        email VARCHAR(255) NOT NULL UNIQUE
    );
    

上記のコードは、user テーブルの name カラムと email カラムにユニーク制約を追加する例です。ご自身のプロジェクトに合わせて、テーブル名とカラム名を変更してください。




SQLAlchemy、Flask-SQLAlchemy、Alembic を用いた既存カラムへのユニーク制約追加:その他方法

方法 1: alter_column() 関数の check_constraint 引数を使用する

この方法は、check_constraint 引数を使用して、SQL 式を定義することで、ユニーク制約を追加します。

from sqlalchemy import Column, String, CheckConstraint

def upgrade(op, context):
    # 既存のカラムを取得
    column = op.get_column('table_name', 'column_name')

    # ユニーク制約を追加
    op.alter_column('table_name', column, constraint=CheckConstraint(f'UNIQUE(column_name)'))
from sqlalchemy import Index

def upgrade(op, context):
    # 既存のカラムを取得
    column = op.get_column('table_name', 'column_name')

    # ユニークインデックスを作成
    op.create_index('ix_table_name_column_name_unique', 'table_name', [column], unique=True)

方法 3: DDL クエリを使用する

この方法は、DDL クエリを直接実行することで、ユニーク制約を追加します。

from sqlalchemy import text

def upgrade(op, context):
    # DDL クエリを実行
    op.execute(text('ALTER TABLE table_name ADD UNIQUE INDEX ix_table_name_column_name_unique (column_name)'))

各方法の比較

方法メリットデメリット
alter_column() 関数の check_constraint 引数を使用するSQL 式を定義することで、柔軟な制約を設定できる複雑な制約を定義する場合、コードが冗長になる可能性がある
create_index() 関数を使用するシンプルなコードで記述できるインデックスが追加されるため、パフォーマンスに影響を与える可能性がある
DDL クエリを使用する他の方法よりも簡潔に記述できるSQL の知識が必要

どの方法を使用するかは、プロジェクトの要件や開発者の好みによって異なります。

  • シンプルで分かりやすい方法を求める場合は、create_index() 関数を使用するのがおすすめです。
  • SQL に精通している場合は、DDL クエリを使用することで、簡潔に記述することができます。

sqlalchemy flask-sqlalchemy alembic


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