SQL Server で大文字小文字を区別する方法
SQL Server における大文字小文字区別の利点
SQL Server では、データベースを大文字小文字を区別するか区別しないかを選択できます。どちらを選択するかは、データの性質とアプリケーションの要件によって異なります。
大文字小文字を区別するデータベースには、以下のような利点があります。
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データの精度向上
- 名前、住所、製品コードなど、大文字小文字が重要なデータの場合、正確な検索と比較が可能になります。
- 例えば、"田中"と"たなか"は異なる名前として扱われます。
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検索パフォーマンスの向上
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国際化対応
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データ入力の簡略化
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互換性の向上
どちらを選択すべきかは、データの性質とアプリケーションの要件によって異なります。
- データで大文字小文字が重要な場合、または検索パフォーマンスを向上させたい場合は、大文字小文字を区別するデータベースを選択する必要があります。
- データ入力の簡略化を重視する場合、または様々なクライアントアプリケーションとの互換性を必要とする場合は、大文字小文字を区別しないデータベースを選択する必要があります。
例
- 氏名、住所、製品コードなどのデータは、大文字小文字を区別するデータベースに格納するのが一般的です。
大文字小文字を区別するデータベース
-- データベースの作成
CREATE DATABASECaseSensitive (
COLLATION = Latin1_General_CS_AS
);
-- テーブルの作成
CREATE TABLE CaseSensitiveTable (
Name VARCHAR(50)
);
-- データの挿入
INSERT INTO CaseSensitiveTable (Name) VALUES ('田中');
INSERT INTO CaseSensitiveTable (Name) ('たなか');
-- データの検索
SELECT * FROM CaseSensitiveTable WHERE Name = '田中';
-- 結果: 1 行が返される
SELECT * FROM CaseSensitiveTable WHERE Name = 'たなか';
-- 結果: 0 行が返される
大文字小文字を区別しないデータベース
-- データベースの作成
CREATE DATABASE CaseInsensitive (
COLLATION = Latin1_General_CI_AS
);
-- テーブルの作成
CREATE TABLE CaseInsensitiveTable (
Name VARCHAR(50)
);
-- データの挿入
INSERT INTO CaseInsensitiveTable (Name) VALUES ('田中');
INSERT INTO CaseInsensitiveTable (Name) ('たなか');
-- データの検索
SELECT * FROM CaseInsensitiveTable WHERE Name = '田中';
-- 結果: 2 行が返される
SELECT * FROM CaseInsensitiveTable WHERE Name = 'たなか';
-- 結果: 2 行が返される
COLLATION
オプションを使用して、データベースまたはテーブルの照合順序を指定できます。Latin1_General_CS_AS
は、大文字小文字を区別し、アクセントを区別する照合順序です。
注意
- 大文字小文字を区別するデータベースに変更する場合、既存のデータが失われる可能性があります。
- 大文字小文字を区別するデータベースを使用する場合は、アプリケーションのコードを変更する必要がある場合があります。
大文字小文字を区別する他の方法
LIKE
演算子の COLLATE
オプションを使用して、照合順序を指定することができます。
SELECT * FROM Table
WHERE Name LIKE '田中' COLLATE Latin1_General_CS_AS;
CASE
式を使用して、大文字小文字を区別した比較を行うことができます。
SELECT * FROM Table
WHERE CASE Name WHEN '田中' THEN 'Y' ELSE 'N' END = 'Y';
Transact-SQL 関数
UPPER()
や LOWER()
などの Transact-SQL 関数を使用して、文字列の大文字小文字を変換することができます。
SELECT * FROM Table
WHERE UPPER(Name) = 'TANAKA';
データ型
CHAR
データ型は、大文字小文字を区別しますが、VARCHAR
データ型は区別しません。
-- 大文字小文字を区別する列
CREATE TABLE Table (
Name CHAR(50)
);
-- 大文字小文字を区別しない列
CREATE TABLE Table (
Name VARCHAR(50)
);
- 既存のクエリを変更せずに大文字小文字を区別したい場合は、
LIKE
演算子のCOLLATE
オプションを使用するのが最も簡単です。 - より複雑な比較を行う場合は、
CASE
式を使用することができます。 - 文字列の大文字小文字を変換したい場合は、
UPPER()
やLOWER()
などの Transact-SQL 関数を使用することができます。 - データ型によって大文字小文字の区別を制御したい場合は、
CHAR
データ型またはVARCHAR
データ型を使用することができます。
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