MySQLのスケーリングソリューション:レプリケーションとクラスタリング

2024-04-07

MySQLのスケーリングソリューション:レプリケーションとクラスタリング

スケーリングソリューションとは、データベースのパフォーマンスと可用性を向上させるために、複数のサーバーを連携させる技術です。MySQLには、レプリケーションとクラスタリングという2つの主要なスケーリングソリューションがあります。

レプリケーションは、データを複数のサーバーに複製することで、読み込み負荷を分散させる技術です。データの冗長性も向上するため、障害発生時のデータ損失を防ぐことができます。

MySQLには、以下の3種類のレプリケーション方法があります。

  • 同期レプリケーション:すべての変更がリアルタイムに複製されます。高いデータ整合性が必要な場合に適しています。
  • 半同期レプリケーション:一部の変更が遅延して複製されます。同期レプリケーションよりもパフォーマンスが向上しますが、データ整合性が多少犠牲になります。

レプリケーションは、読み込み負荷の高いWebアプリケーションや、データの冗長性が必要なシステムに適しています。

クラスタリングは、複数のサーバーをまとめて一つのシステムとして動作させる技術です。複数のサーバーで処理を分担することで、書き込み負荷を分散させることができます。

  • MySQLフェイルオーバークラスタ:1つのマスターサーバーと複数のスレーブサーバーで構成されます。マスターサーバーに障害が発生した場合、自動的にスレーブサーバーがマスターサーバーに昇格します。
  • MySQL InnoDB Cluster:複数のノードで構成されます。すべてのノードがデータアクセスと処理を行うことができます。

レプリケーションとクラスタリングは、それぞれ異なる利点と欠点があります。どちらを選ぶべきかは、具体的な要件によって異なります。

  • 読み込み負荷が高い場合:レプリケーションが適しています。
  • 高いデータ整合性が必要:同期レプリケーションが適しています。
  • 高いパフォーマンスが必要:非同期レプリケーションまたはクラスタリングが適しています。

MySQLのスケーリングソリューションには、レプリケーションとクラスタリングの2種類があります。どちらを選ぶべきかは、具体的な要件によって異なります。

それぞれのソリューションの利点と欠点を理解し、適切なソリューションを選択することで、MySQLのパフォーマンスと可用性を向上させることができます。




レプリケーション

同期レプリケーション

# マスターサーバー
CHANGE MASTER TO
MASTER_HOST='slave1',
MASTER_USER='repl',
MASTER_PASSWORD='password',
MASTER_PORT=3306;

START SLAVE;

半同期レプリケーション

# マスターサーバー
CHANGE MASTER TO
MASTER_HOST='slave1',
MASTER_USER='repl',
MASTER_PASSWORD='password',
MASTER_PORT=3306,
MASTER_AUTO_POSITION=1;

START SLAVE;

非同期レプリケーション

# マスターサーバー
CHANGE MASTER TO
MASTER_HOST='slave1',
MASTER_USER='repl',
MASTER_PASSWORD='password',
MASTER_PORT=3306,
MASTER_AUTO_POSITION=0;

START SLAVE;

クラスタリング

MySQLフェイルオーバークラスタ

# マスターサーバー
CREATE CLUSTER my_cluster
  NDBCLUSTER='my_cluster'
  NDBSERVER='localhost:3306';

# スレーブサーバー
CREATE CLUSTER my_cluster
  NDBCLUSTER='my_cluster'
  NDBSERVER='slave1:3306';

MySQL InnoDB Cluster

# 全てのノード
SET GLOBAL innodb_cluster_name = 'my_cluster';

注意事項




MySQLのスケーリング方法:その他の方法

シャーディングは、データを複数のシャードと呼ばれる小さなデータベースに分割することで、スケーラビリティを向上させる技術です。シャードはそれぞれ独立したデータベースとして機能し、特定のシャードにのみアクセスすることで負荷を分散させることができます。

シャーディングには、以下の2種類の方法があります。

  • 水平シャーディング:テーブルを複数のシャードに分割します。

シャーディングは、データ量が多い場合や、特定のテーブルへのアクセスが集中する場合に適しています。

ロードバランサーは、複数のサーバーにアクセスを分散させることで、負荷を軽減させる技術です。MySQLの場合、複数のMySQLサーバーの前にロードバランサーを設置することで、読み込み/書き込みアクセスを分散させることができます。

  • ハードウェアロードバランサー:専用のハードウェアを使用してロードバランシングを行います。

ロードバランサーは、アクセス負荷が高い場合や、複数のデータセンターにMySQLサーバーを分散している場合に適しています。

キャッシュは、頻繁にアクセスされるデータをメモリに保存することで、データベースへのアクセス負荷を軽減させる技術です。MySQLの場合、クエリ結果をキャッシュすることで、データベースへのアクセス頻度を減らすことができます。

  • インメモリキャッシュ:メモリにデータをキャッシュします。

キャッシュは、読み込みアクセスが多い場合に適しています。

MySQLをスケーリングするには、レプリケーション、クラスタリング、シャーディング、ロードバランサー、キャッシュなどの方法があります。


mysql replication scaling


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