INSERT OR IGNORE と INSERT ON CONFLICT IGNORE の違い
SQLiteにおけるINSERT OR IGNOREの動作解説
INSERT OR IGNOREは、SQLiteデータベースにレコードを挿入する際に、重複するレコードを無視する機能を提供します。既存のレコードと一致するレコードを挿入しようとすると、エラーが発生する代わりに無視されます。
動作
INSERT OR IGNOREは以下の2つのケースで異なる動作をします。
- レコードが完全に一致する場合: 挿入は無視され、エラーは発生しません。
- レコードが部分的に一致する場合: 挿入は実行され、重複する部分は更新されます。
例
以下の例では、usersテーブルにidとnameという2つのカラムを持つレコードを挿入しようとしています。
INSERT OR IGNORE INTO users (id, name) VALUES (1, 'John Doe');
INSERT OR IGNORE INTO users (id, name) VALUES (1, 'Jane Doe');
1番目のINSERTは、idが1でnameが'John Doe'であるレコードを挿入します。2番目のINSERTは、idが1でnameが'Jane Doe'であるレコードを挿入しようとします。しかし、idが1であるレコードはすでに存在するため、2番目のINSERTは無視され、エラーは発生しません。
注意点
INSERT OR IGNOREは、重複するレコードを無視するだけで、更新するわけではありません。部分的に一致するレコードを更新したい場合は、UPDATEステートメントを使用する必要があります。INSERT OR IGNOREは、PRIMARY KEY制約を無視しません。PRIMARY KEY制約に違反するレコードを挿入しようとすると、エラーが発生します。
補足
INSERT OR IGNOREは、既存のレコードと一致するレコードを挿入する際に、エラーを発生させずに処理したい場合に役立ちます。例えば、ログデータや一意なIDを持つレコードを挿入する場合などに使用できます。
- 上記の解説は、基本的な動作についてのみ説明しています。詳細については、SQLiteの公式ドキュメントを参照してください。
- 本解説は、プログラミングに関する一般的な知識があることを前提としています。
改善点
- 動作の説明を2つのケースに分けて分かりやすくしました。
- 参考情報へのリンクを追加しました。
import sqlite3
# データベースへの接続
connection = sqlite3.connect('my_database.db')
cursor = connection.cursor()
# INSERT OR IGNOREステートメントの実行
cursor.execute("""
INSERT OR IGNORE INTO users (id, name) VALUES (?, ?)
""", (1, 'John Doe'))
# データベースへの変更のコミット
connection.commit()
# データベースのクローズ
cursor.close()
connection.close()
このコードは、my_database.dbという名前のデータベースにusersという名前のテーブルにレコードを挿入します。idは1、nameは'John Doe'です。レコードがすでに存在する場合は、無視されます。
INSERT OR IGNORE と同じ機能を提供するもう1つの方法は、INSERT ON CONFLICT IGNORE ステートメントを使用することです。このステートメントは、SQLite 3.8.0 以降でサポートされています。
INSERT ON CONFLICT IGNORE INTO users (id, name) VALUES (1, 'John Doe');
このステートメントは、idが1でnameが'John Doe'であるレコードをusersテーブルに挿入しようとします。レコードがすでに存在する場合は、無視されます。
SELECT ... INSERT ... WHERE NOT EXISTS
INSERT OR IGNORE の代替方法として、SELECT ... INSERT ... WHERE NOT EXISTS ステートメントを使用することもできます。この方法は、すべてのバージョンの SQLite で使用できます。
SELECT *
FROM users
WHERE id = 1 AND name = 'John Doe';
IF (COUNT(*) = 0) THEN
INSERT INTO users (id, name) VALUES (1, 'John Doe');
END IF;
このステートメントは、users テーブルから id が 1 で name が 'John Doe' であるレコードを検索します。レコードが見つからない場合は、レコードを挿入します。
REPLACE ステートメントを使用すると、既存のレコードを新しいレコードで置き換えることができます。
REPLACE INTO users (id, name) VALUES (1, 'John Doe');
このステートメントは、id が 1 で name が 'John Doe' であるレコードが既に存在する場合、そのレコードを新しいレコードで置き換えます。
UPSERT は、INSERT と UPDATE を組み合わせたステートメントです。レコードが存在する場合は更新し、存在しない場合は挿入します。
UPSERT INTO users (id, name) VALUES (1, 'John Doe');
INSERT OR IGNOREとINSERT ON CONFLICT IGNOREは、最もシンプルで効率的な方法です。SELECT ... INSERT ... WHERE NOT EXISTSは、すべてのバージョンの SQLite で使用できます。REPLACEは、既存のレコードを新しいレコードで置き換える必要がある場合に使用します。UPSERTは、レコードが存在する場合は更新し、存在しない場合は挿入する必要がある場合に使用します。
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