その他の方法:sp_executesql、xp_call、CLR ストアドプロシージャ

2024-04-07

SQL Server でストアドプロシージャ内でストアドプロシージャを実行する

SQL Server のストアドプロシージャは、複雑な処理をカプセル化し、コードの再利用性を高めるための強力なツールです。さらに、ストアドプロシージャ内で別のストアドプロシージャを実行することで、処理をさらにモジュール化し、コードの可読性と保守性を向上させることができます。

方法

ストアドプロシージャ内で別のストアドプロシージャを実行するには、以下の2つの方法があります。

EXECUTE ステートメントを使用する

EXEC [schema_name].[stored_procedure_name] [@parameter1, @parameter2, ...]
  • schema_name: 呼び出すストアドプロシージャのスキーマ名
  • stored_procedure_name: 呼び出すストアドプロシージャの名前
  • @parameter1, @parameter2, ...: 呼び出すストアドプロシージャのパラメータ

CREATE PROCEDURE [dbo].[MyStoredProcedure]
AS
BEGIN
  EXEC [dbo].[AnotherStoredProcedure] @param1, @param2
END
GO

CREATE PROCEDURE [dbo].[AnotherStoredProcedure]
@param1 INT,
@param2 VARCHAR(50)
AS
BEGIN
  -- 処理
END
GO
CALL [schema_name].[stored_procedure_name]([@parameter1], [@parameter2], ...)
CREATE PROCEDURE [dbo].[MyStoredProcedure]
AS
BEGIN
  CALL [dbo].[AnotherStoredProcedure](@param1, @param2)
END
GO

CREATE PROCEDURE [dbo].[AnotherStoredProcedure]
@param1 INT,
@param2 VARCHAR(50)
AS
BEGIN
  -- 処理
END
GO

注意事項

  • 呼び出すストアドプロシージャが存在する必要があります。
  • パラメータの名前とデータ型は、呼び出すストアドプロシージャの定義と一致する必要があります。
  • 呼び出すストアドプロシージャは、RETURN ステートメントを使用して値を返すことができます。



USE AdventureWorks2019

CREATE PROCEDURE [dbo].[GetCustomerOrders]
@CustomerID INT
AS
BEGIN
  EXEC [dbo].[GetOrdersByCustomer] @CustomerID
END
GO

CREATE PROCEDURE [dbo].[GetOrdersByCustomer]
@CustomerID INT
AS
BEGIN
  SELECT *
  FROM Sales.Orders
  WHERE CustomerID = @CustomerID
END
GO

EXEC [dbo].[GetCustomerOrders] 10249
USE AdventureWorks2019

CREATE PROCEDURE [dbo].[GetCustomerOrders]
@CustomerID INT
AS
BEGIN
  CALL [dbo].[GetOrdersByCustomer](@CustomerID)
END
GO

CREATE PROCEDURE [dbo].[GetOrdersByCustomer]
@CustomerID INT
AS
BEGIN
  SELECT *
  FROM Sales.Orders
  WHERE CustomerID = @CustomerID
END
GO

EXEC [dbo].[GetCustomerOrders] 10249

解説

上記の例では、GetCustomerOrders というストアドプロシージャを作成しています。このストアドプロシージャは、CustomerID を入力パラメータとして受け取り、その顧客の注文情報を取得します。

GetCustomerOrders ストアドプロシージャは、EXECUTE または CALL ステートメントを使用して GetOrdersByCustomer という別のストアドプロシージャを実行します。GetOrdersByCustomer ストアドプロシージャは、CustomerID をパラメータとして受け取り、その顧客の注文情報を Sales.Orders テーブルから取得します。

実行結果

上記の例を実行すると、GetCustomerOrders ストアドプロシージャは、GetOrdersByCustomer ストアドプロシージャから返された結果セットを返します。結果セットには、指定された顧客の注文情報が含まれます。

応用

  • 複雑な処理を複数のストアドプロシージャに分割して、コードの可読性と保守性を向上させることができます。
  • 共通の処理を複数のストアドプロシージャで再利用することで、コードの冗長性を削減することができます。
  • モジュール化されたコードを使用して、複雑な処理をより簡単に管理することができます。



ストアドプロシージャ内でストアドプロシージャを実行する他の方法

sp_executesql ステートメントは、動的に Transact-SQL ステートメントを実行するために使用できます。このステートメントを使用して、ストアドプロシージャの名前とパラメータを動的に指定することができます。

USE AdventureWorks2019

DECLARE @procName VARCHAR(50)
DECLARE @param1 INT

SET @procName = 'GetOrdersByCustomer'
SET @param1 = 10249

EXEC sp_executesql @procName, N'@CustomerID INT', @param1

xp_call ステートメントは、拡張ストアドプロシージャを実行するために使用できます。このステートメントを使用して、DLL ファイルにあるストアドプロシージャを実行することができます。

USE AdventureWorks2019

EXEC xp_call 'MyDll', 'GetOrdersByCustomer', @CustomerID

CLR ストアドプロシージャは、.NET Framework で記述されたストアドプロシージャです。CLR ストアドプロシージャを使用して、.NET Framework のすべての機能にアクセスすることができます。

USE AdventureWorks2019

CREATE ASSEMBLY MyAssembly
FROM 'C:\MyAssembly.dll'

CREATE PROCEDURE [dbo].[GetOrdersByCustomer]
@CustomerID INT
AS
BEGIN
  EXEC MyAssembly.MyClass.GetOrdersByCustomer(@CustomerID)
END
GO

上記の方法は、それぞれ異なる利点と欠点があります。どの方法を使用するかは、要件によって異なります。

  • sp_executesql ステートメントは、動的に Transact-SQL ステートメントを実行できるため、柔軟性がありますが、パフォーマンスの問題が発生する可能性があります。
  • xp_call ステートメントは、拡張ストアドプロシージャを実行できるため、機能が豊富ですが、セキュリティ上のリスクがあります。
  • CLR ストアドプロシージャは、.NET Framework のすべての機能にアクセスできるため、強力ですが、開発と管理が複雑になります。

sql sql-server t-sql


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