InnoDBとMyISAMで異なる?「1030 Got error 28 from storage engine」エラーの比較
MySQLで「1030 Got error 28 from storage engine」エラーが発生した場合、データの更新や挿入、削除などの操作に失敗していることを示します。このエラーは、ストレージエンジンと呼ばれる、MySQLがデータを保存および管理するための内部コンポーネントに問題が発生したことを意味します。
原因
このエラーの原因は様々ですが、一般的な原因は以下の通りです。
- ストレージエンジンレベルの問題:
- InnoDBストレージエンジンでは、テーブルスペース不足、インデックス破損、データファイルの破損などが原因となる可能性があります。
- MyISAMストレージエンジンでは、テーブルファイルのロック競合などが原因となる可能性があります。
- アプリケーションレベルの問題:
- 不適切なSQLクエリの実行
- データ型ミスマッチ
- 外部キー制約違反
- 競合状態
解決方法
エラーの原因を特定するために、以下の情報を収集する必要があります。
- エラーメッセージの詳細
- 実行していたSQLクエリ
- 使用していたストレージエンジン
- サーバのログファイル
これらの情報に基づいて、以下の解決方法を試すことができます。
ストレージエンジンレベルの問題
- InnoDBストレージエンジン:
- テーブルスペース不足の場合は、テーブルスペースを増やす
- インデックス破損の場合は、
REPAIR TABLE
コマンドを実行する - データファイルの破損の場合は、
innodb_file_per_table
オプションを有効にする
- MyISAMストレージエンジン:
アプリケーションレベルの問題
- 不適切なSQLクエリの実行:
- クエリを修正する
- データ型ミスマッチ:
- データ型を修正する
- 外部キー制約違反:
- 外部キー制約を削除する
- 競合状態:
- ロック機構を使用する
- トランザクションを使用する
- エラーメッセージの詳細な内容によっては、上記以外の解決方法が必要となる場合があります。
- 問題解決に困難を感じている場合は、MySQLの専門家に相談することをお勧めします。
補足
- 上記の情報は、一般的な情報提供のみを目的としており、個々の状況に応じたアドバイスではありません。
- 問題解決には、専門的な知識が必要となる場合があります。
- データの損失を防ぐために、定期的にバックアップを取ることを推奨します。
-- テーブル作成
CREATE TABLE my_table (
id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
name VARCHAR(255) NOT NULL,
age INT NOT NULL
);
-- 大量のデータ挿入
INSERT INTO my_table (name, age) VALUES ('John Doe', 30);
INSERT INTO my_table (name, age) VALUES ('Jane Doe', 25);
...
-- テーブルスペース不足エラーが発生
INSERT INTO my_table (name, age) VALUES ('Peter Smith', 40);
-- テーブルスペースを増やす
ALTER TABLE my_table ENGINE=InnoDB DEFAULT CHARSET=utf8mb4 COLLATE=utf8mb4_bin ROW_FORMAT=DYNAMIC;
-- データ挿入成功
INSERT INTO my_table (name, age) VALUES ('Peter Smith', 40);
例2:MyISAMストレージエンジンでテーブルファイルのロック競合
-- テーブル作成
CREATE TABLE my_table (
id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
name VARCHAR(255) NOT NULL,
age INT NOT NULL
);
-- 複数のセッションで同時にデータ更新
SESSION 1:
UPDATE my_table SET name = 'John Doe' WHERE id = 1;
SESSION 2:
UPDATE my_table SET age = 30 WHERE id = 1;
-- innodb_lock_wait_timeoutオプションを調整
SET GLOBAL innodb_lock_wait_timeout = 500;
-- データ更新成功
SESSION 1:
UPDATE my_table SET name = 'John Doe' WHERE id = 1;
SESSION 2:
UPDATE my_table SET age = 30 WHERE id = 1;
-- 不適切なクエリ
SELECT * FROM my_table WHERE name = 'John Doe' AND age > 100;
-- 適切なクエリ
SELECT * FROM my_table WHERE name = 'John Doe' AND age BETWEEN 18 AND 65;
-- データ型ミスマッチ
INSERT INTO my_table (name, age) VALUES ('John Doe', '30');
-- 適切なデータ型
INSERT INTO my_table (name, age) VALUES ('John Doe', 30);
-- 外部キー制約違反
INSERT INTO my_table (name, age, foreign_key) VALUES ('John Doe', 30, 100);
-- 適切なデータ
INSERT INTO my_table (name, age, foreign_key) VALUES ('John Doe', 30, 50);
例6:競合状態
-- 競合状態
SESSION 1:
UPDATE my_table SET name = 'John Doe' WHERE id = 1;
SESSION 2:
DELETE FROM my_table WHERE id = 1;
-- ロック機構を使用
SELECT * FROM my_table WHERE id = 1 FOR UPDATE;
-- トランザクションを使用
START TRANSACTION;
UPDATE my_table SET name = 'John Doe' WHERE id = 1;
COMMIT;
これらのサンプルコードはあくまで参考例であり、個々の状況に合わせて修正する必要があります。
その他の解決方法
一時的な問題の場合、サーバを再起動することで解決する場合があります。
MySQLのバージョンアップ
古いバージョンのMySQLを使用している場合は、最新バージョンにアップグレードすることで問題が解決する場合があります。
使用しているストレージエンジンが問題の原因となっている場合は、別のストレージエンジンに変更することで解決する場合があります。
データの修復
データファイルが破損している場合は、REPAIR TABLE
コマンドを実行することで修復できる場合があります。
問題解決には、専門的な知識が必要となる場合があります。 データの損失を防ぐために、定期的にバックアップを取ることを推奨します。
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