SQL Server インデックスの INCLUDE 句:パフォーマンス向上とデータアクセス効率化

2024-04-02

SQL Server のインデックスにおける INCLUDE 句の使用:パフォーマンス向上とデータアクセス効率化

SQL Server の INCLUDE 句は、インデックス作成時に指定することで、インデックスキー以外の列も含めてインデックスに含める機能です。この機能は、特定の列へのクエリのパフォーマンスを向上させるために役立ちます。

従来の課題

従来、インデックスに含める列は、検索条件で頻繁に使用される列に限定されていました。しかし、検索条件に含まれていない列もクエリで頻繁に使用される場合、インデックスを使用できずに、テーブル全体をスキャンする必要がありました。これは、パフォーマンスの低下とデータアクセス効率の低下につながります。

INCLUDE 句を使用することで、検索条件に含まれていない列もインデックスに含めることができます。これにより、クエリがインデックスを効率的に使用できるようになり、パフォーマンスとデータアクセス効率が向上します。

具体的な利点

  • パフォーマンス向上:
  • データアクセス効率の向上:
  • スケーラビリティの向上:

使用例

以下の例は、Customers テーブルに FirstNameLastNameCity 列があり、City 列で頻繁に検索を行うケースです。

CREATE INDEX idx_City ON Customers (City) INCLUDE (FirstName, LastName);

この例では、City 列をキー列とするインデックスを作成し、FirstNameLastName 列もインデックスに含めています。これにより、City 列だけでなく、FirstName 列や LastName 列も含めた検索でも、インデックスが効率的に使用されます。

注意事項

  • INCLUDE 句で指定できる列は、最大 900 個です。
  • インデックスサイズが大きくなると、インデックスの更新処理に時間がかかる場合があります。
  • すべての列をインデックスに含めることは、パフォーマンスの低下につながる可能性があります。
  • INCLUDE 句は、SQL Server 2005 以降で使用できます。
  • INCLUDE 句と同様の機能を持つ CLUSTERED COLUMNSTORE INDEX も存在します。

INCLUDE 句は、特定の列へのクエリのパフォーマンスを向上させるために有効な手段です。適切なタイミングで INCLUDE 句を使用することで、データアクセス効率を大幅に向上させることができます。




CREATE INDEX idx_City ON Customers (City) INCLUDE (FirstName, LastName);

この例では、City 列をキー列とするインデックスを作成し、FirstNameLastName 列もインデックスに含めています。

例 2: Products テーブルに ProductIDProductNameCategoryIDUnitPrice 列があり、CategoryIDUnitPrice 列で頻繁に検索を行うケース。

CREATE INDEX idx_CategoryID_UnitPrice ON Products (CategoryID, UnitPrice) INCLUDE (ProductName);

この例では、CategoryIDUnitPrice 列をキー列とするインデックスを作成し、ProductName 列もインデックスに含めています。

例 3: Orders テーブルに OrderIDCustomerIDOrderDateTotalAmount 列があり、CustomerIDOrderDate 列で頻繁に検索を行うケース。

CREATE INDEX idx_CustomerID_OrderDate ON Orders (CustomerID, OrderDate) INCLUDE (TotalAmount);
  • 上記の例はあくまでも参考です。実際の使用環境に合わせて、インデックス列や INCLUDE 句で指定する列を調整する必要があります。
  • インデックスを作成する前に、インデックスが必要かどうかを検討する必要があります。



INCLUDE 句の代替方法

カバリングインデックスとは、SELECT クエリで使用するすべての列を含むインデックスです。INCLUDE 句を使用する代わりに、カバリングインデックスを作成することで、同じ効果を得ることができます。

例:

CREATE INDEX idx_Covering ON Customers (FirstName, LastName, City);
  • カバリングインデックスは、使用するすべての列を含む必要があるため、インデックスサイズが大きくなる可能性があります。

マテリアライズドビューとは、事前に集計された結果を保存しておいたビューです。マテリアライズドビューを使用することで、集計クエリのパフォーマンスを向上させることができます。

CREATE MATERIALIZED VIEW mv_Sales
AS
SELECT
    SUM(SalesAmount) AS TotalSales,
    ProductCategory
FROM
    Sales
GROUP BY
    ProductCategory;

この例では、Sales テーブルの SalesAmount 列を商品カテゴリ別に集計したマテリアライズドビューを作成しています。

  • マテリアライズドビューは、常に最新の状態に保たれる必要があるため、更新処理に時間がかかる場合があります。
  • マテリアライズドビューは、大量のディスク容量を必要とする場合があります。

テーブルパーティショニングとは、テーブルを論理的に分割して管理する機能です。テーブルパーティショニングを使用することで、特定のパーティションのみを対象にクエリを実行することができ、パフォーマンスを向上させることができます。

CREATE TABLE Customers
(
    CustomerID INT,
    FirstName VARCHAR(50),
    LastName VARCHAR(50),
    City VARCHAR(50)
)
PARTITION BY RANGE (CustomerID)
(
    PARTITION p1 VALUES LESS THAN (10000),
    PARTITION p2 VALUES LESS THAN (20000),
    PARTITION p3 VALUES LESS THAN (30000)
);

この例では、Customers テーブルを CustomerID 列の値に基づいて 3 つのパーティションに分割しています。

  • テーブルパーティショニングは、複雑な設定が必要になる場合があります。
  • テーブルパーティショニングは、すべてのテーブルに適しているわけではありません。

クエリヒントとは、クエリオプティマイザーに指示を与えるための機能です。クエリヒントを使用することで、クエリの実行計画を強制的に変更し、パフォーマンスを向上させることができます。

SELECT
    FirstName,
    LastName
FROM
    Customers
ORDER BY
    FirstName
OPTION (USE INDEX idx_FirstName);

この例では、Customers テーブルの FirstName 列でソートするクエリを実行する際に、idx_FirstName インデックスを使用するように指示しています。

  • クエリヒントは、クエリオプティマイザーの動作を理解していないと、逆効果になる可能性があります。
  • クエリヒントは、すべての状況で有効とは限りません。

INCLUDE 句は、特定の列へのクエリのパフォーマンスを向上させるために有効な手段ですが、状況によっては他の方法の方が有効な場合もあります。上記の代替方法を理解し、状況に応じて適切な方法を選択することが重要です。


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