【完全解説】SQLiteでINSERT OR REPLACE + foreign key ON DELETE CASCADEを使うメリットとデメリット
SQLite における INSERT OR REPLACE + foreign key ON DELETE CASCADE の動作解説
INSERT OR REPLACE
と foreign key ON DELETE CASCADE
を組み合わせることで、SQLite におけるデータの挿入と削除を効率的に行うことができます。
動作
INSERT OR REPLACE
は、レコードが存在する場合は更新し、存在しない場合は挿入します。foreign key ON DELETE CASCADE
は、親レコードが削除された際に、関連する子レコードも自動的に削除します。
例
以下の例では、users
テーブルと orders
テーブルがあり、orders
テーブルの user_id
カラムは users
テーブルの id
カラムを参照しています。
CREATE TABLE users (
id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
name TEXT
);
CREATE TABLE orders (
id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
user_id INTEGER,
FOREIGN KEY (user_id) REFERENCES users (id) ON DELETE CASCADE
);
INSERT OR REPLACE を使用してレコードを挿入または更新する
INSERT OR REPLACE INTO users (name) VALUES ("John Doe");
上記のコードは、users
テーブルに John Doe
という名前のユーザーが存在する場合は更新し、存在しない場合は挿入します。
DELETE FROM users WHERE id = 1;
上記のコードは、users
テーブルから ID が 1 のユーザーを削除します。すると、orders
テーブルで user_id
が 1 のレコードも自動的に削除されます。
メリット
- データの整合性を保つことができる
- 複雑な SQL クエリを記述する必要がない
- 処理速度を向上させることができる
- 意図せずデータが削除される可能性がある
注意事項
foreign key ON DELETE CASCADE
は、参照関係が循環している場合、無限ループを引き起こす可能性があるため、注意が必要です。- データの削除前に、バックアップを取ることをお勧めします。
-- テーブル作成
CREATE TABLE users (
id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
name TEXT
);
CREATE TABLE orders (
id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
user_id INTEGER,
FOREIGN KEY (user_id) REFERENCES users (id) ON DELETE CASCADE
);
-- データ挿入
INSERT OR REPLACE INTO users (name) VALUES ("John Doe");
INSERT OR REPLACE INTO users (name) VALUES ("Jane Doe");
INSERT OR REPLACE INTO orders (user_id) VALUES (1);
INSERT OR REPLACE INTO orders (user_id) VALUES (2);
-- ユーザー削除
DELETE FROM users WHERE id = 1;
-- 結果確認
SELECT * FROM users;
-- 結果:
-- id | name
-- -- | --
-- 2 | Jane Doe
SELECT * FROM orders;
-- 結果:
-- id | user_id
-- -- | --
-- 2 | 2
上記のコードは、以下の処理を行います。
users
テーブルとorders
テーブルを作成します。users
テーブルに 2 人のユーザーを挿入します。- ID が 1 のユーザーを削除します。
- 削除後のテーブルの内容を確認します。
結果
補足
上記のコードは、SQLite 3.8.10 で動作確認しています。
INSERT OR REPLACE + foreign key ON DELETE CASCADE の代替方法
INSERT と UPDATE を組み合わせる
INSERT INTO users (name) VALUES ("John Doe");
UPDATE users SET name = "Jane Doe" WHERE id = 1;
DELETE と INSERT を組み合わせる
DELETE FROM orders WHERE user_id = 1;
INSERT INTO orders (user_id) VALUES (2);
上記のコードは、orders
テーブルから ID が 1 のユーザーの注文を削除し、新たに ID が 2 のユーザーの注文を挿入します。
UPSERT を使用する
SQLite 3.35 以降では、UPSERT
という新しいステートメントを使用することができます。
UPSERT INTO users (id, name) VALUES (1, "John Doe");
それぞれの方法のメリットとデメリット
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
INSERT OR REPLACE + foreign key ON DELETE CASCADE | シンプルで効率的 | 意図せずデータが削除される可能性がある |
INSERT と UPDATE を組み合わせる | 柔軟性がある | 処理が複雑になる |
DELETE と INSERT を組み合わせる | 細かい制御が可能 | 処理が複雑になる |
UPSERT | シンプルで効率的 | SQLite 3.35 以降でのみ使用可能 |
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