【保存版】Oracleデータベース:コミット、ロールバック、およびその他のトランザクション制御
Oracleデータベースにおけるコミット必須ステートメント
データベース操作において、コミットは重要な役割を果たします。コミットは、データベースへの変更を永続化し、他のユーザーが変更内容を確認できるようにする処理です。Oracleデータベースでは、様々なステートメントを実行することでデータベースを操作しますが、その中でもコミットが必要なステートメントとそうでないステートメントが存在します。
コミットが必要なステートメント
以下のステートメントを実行すると、データベースへの変更が確定され、コミットが行われます。
- DMLステートメント
INSERT
: 新しいデータレコードを挿入するUPDATE
: 既存のデータレコードを更新するDELETE
: データレコードを削除する
- DDLステートメント
CREATE
: テーブル、インデックス、ビューなどのデータベースオブジェクトを作成するALTER
: 既存のデータベースオブジェクトを変更するDROP
: データベースオブジェクトを削除する
- TCLステートメント
COMMIT
: 現在のトランザクションをコミットし、変更を永続化するSAVEPOINT
: トランザクション内の特定のポイントを保存するROLLBACK
: トランザクションをロールバックし、変更を元に戻す
暗黙的コミット
Oracleデータベースでは、デフォルトで自動コミットが有効になっています。自動コミットが有効な場合、DMLステートメントを実行するたびに暗黙的にコミットが行われます。つまり、明示的にCOMMIT
ステートメントを実行しなくても、データベースへの変更は永続化されます。
ただし、以下の場合は自動コミットが無効となり、明示的にCOMMIT
ステートメントを実行する必要があります。
- トランザクションを開始した後でDMLステートメントを実行する場合
SAVEPOINT
ステートメントを使用してトランザクション内のポイントを保存した場合
以下のステートメントを実行しても、データベースへの変更は行われず、コミットも必要ありません。
- **SELECTステートメント`: データベースからデータを取得する
SET
ステートメント: セッション変数を設定するDECLARE
ステートメント: 変数およびカーソルを宣言する
-- 新しい従業員レコードをEMPLOYEESテーブルに挿入
INSERT INTO EMPLOYEES (EMPLOYEE_ID, FIRST_NAME, LAST_NAME, DEPARTMENT_ID)
VALUES (200, 'John', 'Doe', 10);
例2:明示的コミット
この例では、トランザクションを開始し、UPDATE
ステートメントを使用して既存のレコードを更新し、明示的にCOMMIT
ステートメントを実行してコミットを行います。
-- トランザクションを開始
BEGIN TRANSACTION;
-- 従業員ID 100のレコードを更新
UPDATE EMPLOYEES
SET SALARY = 5000
WHERE EMPLOYEE_ID = 100;
-- 変更をコミット
COMMIT;
例3:ロールバック
この例では、トランザクションを開始し、DELETE
ステートメントを使用してレコードを削除し、ROLLBACK
ステートメントを実行して変更を元に戻します。
-- トランザクションを開始
BEGIN TRANSACTION;
-- 従業員ID 100のレコードを削除
DELETE FROM EMPLOYEES
WHERE EMPLOYEE_ID = 100;
-- 変更をロールバック
ROLLBACK;
説明
- 上記の例では、単純な操作のみを使用しています。実際のアプリケーションでは、より複雑な操作を実行する可能性があります。
- エラーが発生した場合、適切なエラー処理を実装する必要があります。
- トランザクションを使用する場合は、パフォーマンスとロックの問題を考慮する必要があります。
Oracleデータベースにおけるコミットの代替方法
前述のとおり、OracleデータベースではCOMMIT
ステートメントを使用してトランザクションをコミットするのが一般的です。しかし、状況によっては、COMMIT
ステートメント以外の方法でコミットを行うことも可能です。
代替方法
以下の方法でコミットを行うことができます。
- DDLステートメントの一部としてコミット: 一部のDDLステートメント(例:
CREATE TABLE
、ALTER TABLE
)には、COMMIT
句を指定することで、ステートメントの実行と同時にコミットを行うことができます。 - PL/SQLプロシージャ/パッケージ: PL/SQLプロシージャやパッケージ内で、
COMMIT
ステートメントを明示的に呼び出すことができます。 - Oracle Streams: Oracle Streamsを使用すると、変更がデータベースに伝搬されるときに自動的にコミットされます。
各方法の詳細
DDLステートメントの一部としてコミット: 以下のDDLステートメントで
COMMIT
句を使用できます。CREATE TABLE
ALTER TABLE
CREATE INDEX
DROP TABLE
DROP INDEX
例:
CREATE TABLE employees ( employee_id NUMBER(4) PRIMARY KEY, first_name VARCHAR(20) NOT NULL, last_name VARCHAR(20) NOT NULL, salary NUMBER(10,2) ) COMMIT;
COMMIT
ステートメントを明示的に呼び出すautonomous_transaction
pragmaを使用する
CREATE OR REPLACE PROCEDURE update_employee ( employee_id IN NUMBER, salary IN NUMBER ) AS BEGIN UPDATE employees SET salary = salary WHERE employee_id = employee_id; COMMIT; -- 明示的にコミット END; /
注意事項
- 上記の代替方法は、状況によっては適切でない場合があります。
- 代替方法を使用する前に、それぞれの方法の利点と欠点を理解する必要があります。
- パフォーマンスとロックの問題を考慮する必要があります。
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