SQL Server テンポラリテーブルと接続プーリングのトラブルシューティング
SQL Server のテンポラリテーブルは、一時的なデータを保存するために使用される特殊なテーブルです。接続プーリングは、データベースサーバーへの接続を管理し、パフォーマンスを向上させるための技術です。
テンポラリテーブルは、以下の2種類があります。
- ローカルテンポラリテーブル
- 名前は
#
から始まる - 作成した接続でのみ参照可能
- 接続が閉じられると自動的に削除される
- 名前は
- グローバルテンポラリテーブル
- 同じインスタンス上のすべての接続で参照可能
- 明示的に削除されるまで残る
接続プーリングは、データベースサーバーへの接続をプールし、必要に応じてアプリケーションに提供します。これにより、接続のオーバーヘッドを削減し、パフォーマンスを向上させることができます。
接続プーリングとテンポラリテーブル
接続プーリングを使用すると、テンポラリテーブルの管理が複雑になることがあります。
- ローカルテンポラリテーブル
- 接続がプールに戻されると、テンポラリテーブルは自動的に削除されます。
- 接続が再利用されると、前の接続で作成されたテンポラリテーブルは存在しません。
問題
接続プーリングとテンポラリテーブルを使用する場合、以下の問題が発生する可能性があります。
- 名前の衝突
解決策
以下の方法で、これらの問題を解決できます。
- テンポラリテーブルの名前を慎重に付ける
- 接続ごとに異なる名前空間を使用する
- テンポラリテーブルを明示的に削除する
- 接続が閉じられる前に、テンポラリテーブルを削除する
- 接続プーリングの設定を確認する
- テンポラリテーブルの接続プーリングを無効にする
- SQL Server 2005 では、接続プーリングとテンポラリテーブルの動作は、後のバージョンとは異なる場合があります。
-- ローカルテンポラリテーブル
CREATE TABLE #temp (
id INT,
name VARCHAR(50)
);
INSERT INTO #temp (id, name) VALUES (1, 'John Doe');
SELECT * FROM #temp;
DROP TABLE #temp;
-- グローバルテンポラリテーブル
CREATE TABLE ##temp (
id INT,
name VARCHAR(50)
);
INSERT INTO ##temp (id, name) VALUES (1, 'John Doe');
SELECT * FROM ##temp;
DROP TABLE ##temp;
このコードは、ローカルテンポラリテーブルとグローバルテンポラリテーブルを作成、挿入、選択、削除する方法を示しています。
接続プーリングは、アプリケーションコードでは直接設定する必要はありません。接続文字列または SqlConnection クラスを使用して、接続プーリングを有効にすることができます。
-- 接続文字列
SqlConnectionStringBuilder builder = new SqlConnectionStringBuilder();
builder.ConnectionString = "Data Source=localhost;Initial Catalog=Test;Integrated Security=True";
builder.Pooling = true;
// SqlConnection クラス
using (SqlConnection connection = new SqlConnection(builder.ConnectionString)) {
connection.Open();
// ...
connection.Close();
}
注意事項
- このコードは、サンプルコードであり、実稼働環境で使用するには修正が必要になる場合があります。
- テンポラリテーブルは、パフォーマンス上の理由から、大量のデータを保存するために使用しないことをお勧めします。
テンポラリテーブルの代替方法
- テーブル変数
- ローカルスコープの変数であり、テンポラリテーブルと同様に使用できます。
- 接続プーリングの問題の影響を受けません。
- SQL Server 2005 では使用できません。
- メモリ内テーブル
- メモリ内に保存されるテーブルであり、テンポラリテーブルよりも高速にアクセスできます。
- 一時ファイル
- データを一時的に保存するためにファイルを使用できます。
- すべてのバージョンの SQL Server で使用できます。
各方法の比較
方法 | 利点 | 欠点 |
---|---|---|
テンポラリテーブル | 使いやすい | 接続プーリングの問題が発生する可能性がある |
テーブル変数 | 接続プーリングの問題の影響を受けない | SQL Server 2005 では使用できない |
メモリ内テーブル | 高速 | SQL Server 2008 以降でのみ使用できる |
一時ファイル | すべてのバージョンの SQL Server で使用できる | 使いにくい |
選択の指針
テンポラリテーブルの代替方法を選択する際は、以下の点を考慮する必要があります。
- データ量
- パフォーマンス要件
- 使用している SQL Server のバージョン
sql-server sql-server-2005