MariaDB 10.3で強化されたJSONデータ操作: JSON_SETとJSON_REPLACE関数

2024-04-21

MariaDBでJSONオブジェクト内の特定のフィールドを更新するプログラミング

MariaDB 10.3以降では、JSONデータ型を直接操作するJSON関数を利用して、JSONオブジェクト内の特定のフィールドを効率的に更新することができます。本解説では、JSON関数 JSON_SETJSON_REPLACE を用いて、MariaDBでJSONオブジェクト内のフィールドを更新する方法を分かりやすく説明します。

前提条件

  • MariaDB 10.3以降を使用している
  • JSONデータ型を格納するテーブルが存在する
  • 更新対象のJSONオブジェクトの構造を理解している

JSON関数

MariaDB 10.3以降では、以下のJSON関数が提供されています。

  • JSON_SET: JSONオブジェクト内のデータを更新または挿入します。

JSON_SET 関数は、JSONオブジェクト内のデータを更新または挿入するために使用されます。引数として、以下の項目を指定します。

  • 更新対象のJSONオブジェクト
  • 更新パス
  • 更新値

更新パスの書式

更新パスは、JSONオブジェクト内のデータへのアクセス方法を定義する文字列です。ドット記法を使用して、JSONオブジェクト内の階層構造を辿ることができます。例:

  • $.name: ルートレベルの name プロパティを更新
  • $.address.city: address プロパティ内の city プロパティを更新
  • $.products[1].price: products 配列の 2 番目の要素の price プロパティを更新

更新値は、JSONオブジェクトに格納可能な任意のデータ型を指定できます。例:

  • 文字列: "Hello, World!"
  • 数値: 123
  • ブール値: true
  • 配列: ["item1", "item2"]
  • オブジェクト: {"key1": "value1", "key2": "value2"}

JSON_SET関数の例

以下の例では、customers テーブルの data 列に格納されているJSONオブジェクト内の name プロパティを John Doe に更新します。

UPDATE customers
SET data = JSON_SET(data, '$.name', 'John Doe')
WHERE id = 1;

JSON_REPLACE 関数は、JSONオブジェクト内のデータを更新するために使用されます。JSON_SET 関数と同様に、更新パスと更新値を指定します。ただし、JSON_REPLACE 関数は既存の値のみを更新し、存在しない値は挿入しません。

UPDATE customers
SET data = JSON_REPLACE(data, '$.address.city', 'San Francisco')
WHERE id = 1;

注意事項

  • JSON関数は、JSONデータ型を格納する列に対してのみ使用できます。
  • 更新パスが誤っている場合、エラーが発生します。
  • 更新値がJSONオブジェクトに格納できない形式の場合は、エラーが発生します。

MariaDB 10.3以降のJSON関数 JSON_SETJSON_REPLACE を利用することで、JSONオブジェクト内の特定のフィールドを効率的に更新することができます。これらの関数は、JSONデータの操作を容易にし、データベースアプリケーションの開発を簡素化します。

本解説以外にも、MariaDBでJSONデータを操作する方法はいくつかあります。詳細については、MariaDB公式ドキュメントを参照してください。




UPDATE customers
SET data = JSON_SET(data, '$.name', 'John Doe')
WHERE id = 1;
UPDATE customers
SET data = JSON_REPLACE(data, '$.address.city', 'San Francisco')
WHERE id = 1;

例3: customers テーブルの data 列に格納されているJSONオブジェクト内に新しいフィールド phone を追加し、その値を 123-456-7890 に設定

UPDATE customers
SET data = JSON_SET(data, '$.phone', '123-456-7890')
WHERE id = 1;
UPDATE customers
SET data = JSON_SET(data, '$.products[1].price', 19.99)
WHERE id = 1;

例5: employees テーブルの data 列に格納されているJSONオブジェクト内のすべての department プロパティを Sales に置き換える

UPDATE employees
SET data = JSON_REPLACE(data, '$.department', 'Sales')
WHERE 1;

説明

  • 上記の例では、customers および employees という名前のテーブルを使用しています。
  • 各例では、UPDATE ステートメントを使用して、特定のレコードの data 列を更新します。
  • JSON_SET または JSON_REPLACE 関数は、更新対象のJSONオブジェクトと更新パスを指定します。
  • 更新パスは、ドット記法を使用して、JSONオブジェクト内のデータへのアクセス方法を定義します。
  • 上記の例はあくまで参考であり、実際の使用状況に合わせて変更する必要があります。



JSONオブジェクトの更新方法: その他の方法

MariaDB 10.3以降では、JSON関数 JSON_SETJSON_REPLACE 以外にも、JSONオブジェクトの更新に役立つ機能がいくつか提供されています。本節では、以下の方法について解説します。

  • JSON_QUERY 関数: JSONオブジェクト内の特定のデータを抽出するために使用されます。
  • JSON_ARRAY_LENGTH 関数: JSON配列の長さを取得するために使用されます。

詳細

SELECT JSON_QUERY(data, '$..name') AS names
FROM customers;
SELECT JSON_ARRAY_LENGTH(data.products) AS product_count
FROM customers;
SELECT JSON_OBJECT_KEYS(data) AS keys
FROM customers;
SELECT JSON_OBJECT_LENGTH(data) AS object_length
FROM customers;
SELECT JSON_CONTAINS(data, '$.name', 'John Doe') AS is_john_doe
FROM customers;
SELECT JSON_CONTAINS_PATH(data, '$.address.city') AS has_city
FROM customers;
  • 引数に誤った値を指定した場合、エラーが発生します。

mariadb mysql-json mariadb-10.3


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