MariaDB 10.3で強化されたJSONデータ操作: JSON_SETとJSON_REPLACE関数
MariaDBでJSONオブジェクト内の特定のフィールドを更新するプログラミング
MariaDB 10.3以降では、JSONデータ型を直接操作するJSON関数を利用して、JSONオブジェクト内の特定のフィールドを効率的に更新することができます。本解説では、JSON関数 JSON_SET
と JSON_REPLACE
を用いて、MariaDBでJSONオブジェクト内のフィールドを更新する方法を分かりやすく説明します。
前提条件
- MariaDB 10.3以降を使用している
- JSONデータ型を格納するテーブルが存在する
- 更新対象のJSONオブジェクトの構造を理解している
JSON関数
MariaDB 10.3以降では、以下のJSON関数が提供されています。
JSON_SET
: JSONオブジェクト内のデータを更新または挿入します。
JSON_SET
関数は、JSONオブジェクト内のデータを更新または挿入するために使用されます。引数として、以下の項目を指定します。
- 更新対象のJSONオブジェクト
- 更新パス
- 更新値
更新パスの書式
更新パスは、JSONオブジェクト内のデータへのアクセス方法を定義する文字列です。ドット記法を使用して、JSONオブジェクト内の階層構造を辿ることができます。例:
$.name
: ルートレベルのname
プロパティを更新$.address.city
:address
プロパティ内のcity
プロパティを更新$.products[1].price
:products
配列の 2 番目の要素のprice
プロパティを更新
更新値は、JSONオブジェクトに格納可能な任意のデータ型を指定できます。例:
- 文字列:
"Hello, World!"
- 数値:
123
- ブール値:
true
- 配列:
["item1", "item2"]
- オブジェクト:
{"key1": "value1", "key2": "value2"}
JSON_SET関数の例
以下の例では、customers
テーブルの data
列に格納されているJSONオブジェクト内の name
プロパティを John Doe
に更新します。
UPDATE customers
SET data = JSON_SET(data, '$.name', 'John Doe')
WHERE id = 1;
JSON_REPLACE
関数は、JSONオブジェクト内のデータを更新するために使用されます。JSON_SET
関数と同様に、更新パスと更新値を指定します。ただし、JSON_REPLACE
関数は既存の値のみを更新し、存在しない値は挿入しません。
UPDATE customers
SET data = JSON_REPLACE(data, '$.address.city', 'San Francisco')
WHERE id = 1;
注意事項
- JSON関数は、JSONデータ型を格納する列に対してのみ使用できます。
- 更新パスが誤っている場合、エラーが発生します。
- 更新値がJSONオブジェクトに格納できない形式の場合は、エラーが発生します。
MariaDB 10.3以降のJSON関数 JSON_SET
と JSON_REPLACE
を利用することで、JSONオブジェクト内の特定のフィールドを効率的に更新することができます。これらの関数は、JSONデータの操作を容易にし、データベースアプリケーションの開発を簡素化します。
本解説以外にも、MariaDBでJSONデータを操作する方法はいくつかあります。詳細については、MariaDB公式ドキュメントを参照してください。
UPDATE customers
SET data = JSON_SET(data, '$.name', 'John Doe')
WHERE id = 1;
UPDATE customers
SET data = JSON_REPLACE(data, '$.address.city', 'San Francisco')
WHERE id = 1;
例3: customers テーブルの data 列に格納されているJSONオブジェクト内に新しいフィールド phone を追加し、その値を 123-456-7890 に設定
UPDATE customers
SET data = JSON_SET(data, '$.phone', '123-456-7890')
WHERE id = 1;
UPDATE customers
SET data = JSON_SET(data, '$.products[1].price', 19.99)
WHERE id = 1;
例5: employees テーブルの data 列に格納されているJSONオブジェクト内のすべての department プロパティを Sales に置き換える
UPDATE employees
SET data = JSON_REPLACE(data, '$.department', 'Sales')
WHERE 1;
説明
- 上記の例では、
customers
およびemployees
という名前のテーブルを使用しています。 - 各例では、
UPDATE
ステートメントを使用して、特定のレコードのdata
列を更新します。 JSON_SET
またはJSON_REPLACE
関数は、更新対象のJSONオブジェクトと更新パスを指定します。- 更新パスは、ドット記法を使用して、JSONオブジェクト内のデータへのアクセス方法を定義します。
- 上記の例はあくまで参考であり、実際の使用状況に合わせて変更する必要があります。
JSONオブジェクトの更新方法: その他の方法
MariaDB 10.3以降では、JSON関数 JSON_SET
と JSON_REPLACE
以外にも、JSONオブジェクトの更新に役立つ機能がいくつか提供されています。本節では、以下の方法について解説します。
JSON_QUERY
関数: JSONオブジェクト内の特定のデータを抽出するために使用されます。JSON_ARRAY_LENGTH
関数: JSON配列の長さを取得するために使用されます。
詳細
SELECT JSON_QUERY(data, '$..name') AS names
FROM customers;
SELECT JSON_ARRAY_LENGTH(data.products) AS product_count
FROM customers;
SELECT JSON_OBJECT_KEYS(data) AS keys
FROM customers;
SELECT JSON_OBJECT_LENGTH(data) AS object_length
FROM customers;
SELECT JSON_CONTAINS(data, '$.name', 'John Doe') AS is_john_doe
FROM customers;
SELECT JSON_CONTAINS_PATH(data, '$.address.city') AS has_city
FROM customers;
- 引数に誤った値を指定した場合、エラーが発生します。
mariadb mysql-json mariadb-10.3